ホテルの湿度を適正にするには? ホテルが乾燥しがちな理由と快適な湿度に保つ対策

快適な湿度

ホテルに宿泊すると、空気がとても乾燥しているように感じることがありますが、それには明確な理由があります。客室が乾燥しやすくなる理由を知ることで対策を講じることができますが、間違った方法だと悪影響を及ぼすことも。 今回は、ホテルの客室を適正湿度に保つ方法と、湿度を適正にコントロールできる客室づくりの方法をご紹介いたします。

ホテルの客室が乾燥するのはどうして?

快適な湿度

ホテルの客室の湿度が低めで乾燥しがちなのは、建物の構造上の理由があります。ホテルの部屋は、快適性とプライバシーを保つため気密性が高くつくられる傾向にあり、その結果、外気がほとんど入ってこない構造になっています。そのため、室温を適正に保つためにエアコンを常時稼働させると、どうしても部屋の空気が乾燥しがちになってしまうのです。特に冬場は乾燥が顕著になる傾向があります。

また、空気が乾燥するとインフルエンザなどのウイルスが活性化しやすくなります。ホテルの客室はこまめな清掃や消毒が行われているとはいえ、できるだけ客室の乾燥は防ぐべきでしょう。

それではホテルの客室の湿度を適正に保つためにはどのようにしたらいいのでしょうか?

ホテルの客室の乾燥対策

快適な湿度

健康的で快適に過ごせる室内の適正湿度は「40~60%」と言われていますが、ホテル客室の湿度は40%を下回っていることが多くあります。ホテルの客室を適正湿度に保つためにどのような対策をしたら良いのでしょうか。一般的に知られている対策方法について紹介しつつ、そのメリット・デメリットなどにも触れていきます。

●加湿器を使用する
客室に加湿器が常備されている場合は、それを使用するのが良いでしょう。客室に常備されていなくても、貸し出しを行っている宿泊施設は多いので、フロントに確認してみましょう。事前に宿泊施設の公式ホームページなどで加湿器の有無をチェックしておくと安心です。

●グラスなどに水を入れてベッドサイドなどに置いておく
多くの方が行う定番の乾燥対策ですが多少の効果はあるものの、グラスの場合、空気に接する水面が限られるので、大きな期待はしない方が良いでしょう。またグラスを倒してしまう可能性もありますので注意が必要です。

●備え付けの湯沸かしポットやケトルでお湯を沸かす
多くのホテルの客室には湯沸かし用のポットやケトルがあります。水を沸騰させると蒸気が発生して加湿状態になります。短時間の効果ではありますが、お茶やコーヒーを飲むついでに加湿することができます。

●浴槽にお湯をためたままにする
お風呂に入ったあとなどに、バスタブにお湯をためたままにしておくという方法もよく知られています。湿度を一気にあげる効果がありますが、浴室のドアをあけたままにすると湯気で火災報知器が誤作動をする可能性もありますので、湯気がでるような熱いお湯は避け、ぬるま湯以下の冷めた水を使用するようにしましょう。
また、お風呂に入っている最中やシャワー使用時は湯気がたくさん出るため、浴室のドアは必ず閉めるようにしましょう。

●濡れタオルをかけておく
客室にあるタオル、バスタオルなどを濡らしてハンガーにかけておくのも効果があります。できれば椅子の背を利用するなどして、寝る前にベッドサイドに置けると効果が高まります。

もっと自然に湿度を調整する方法は?

施設側の対応とはなりますが、調湿機能をもつ建材を採用するのも有効です。
調湿機能とは、湿度が高いときは湿気を吸収し、湿度が低いときは湿気を放出して室内の湿度が適正になるよう調整する機能です。客室の備品レイアウトによる影響が少ない天井に調湿機能がある建材を用いることで、客室全体に均等にその効果をもたらし、快適な湿度環境に整えてくれます。

快適な湿度

ホテルのツインルームほどの広さ(約27m2)の天井に、なんと500mlペットボトル3本分の水分を吸湿できる製品もあり、冬場の乾燥時には加湿効果、湿度の高い夏場は除湿効果を発揮するので、1年を通して室内を適正な湿度に保ってくれます。また、調湿機能がある天井材には、既存クロスの上から施工できるタイプもありますのでチェックしてみてください。

心地よい客室づくりには床材選びも大切です。撥水性に優れた和紙畳で、快適かつ和モダンな空間を演出した「星野リゾート」の事例もぜひご覧ください。
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