保育園・幼稚園での雑草対策 ビオトープを導入する際の注意点もご紹介

雑草対策

保育園やこども園、幼稚園の園庭に雑草がはびこると危険です。しかし、子どもたちが出入りする場所に除草剤を使うことは安全面を考えると心配事も多いため、園庭の雑草対策は人の手による草むしりが基本という施設も多いのではないでしょうか。
草むしりをする際は園児たちも参加させると、自然に対する遊びや学びの機会を提供できます。さらに「子どもたちの手が届くところに自然環境を」と考えるなら、雑草を利用したビオトープを作るという方法もあります。
この記事では保育園・幼稚園における雑草対策の考え方、園庭でのビオトープづくりとその注意点について説明します。

園庭における雑草対策の基本は?

雑草対策

保育園やこども園、幼稚園の園庭は体をのびのび動かせる遊び場であり、身近な自然と触れ合える貴重な場所でもあります。しかし、手入れをせずに放っておくと雑草がはびこってきます。害虫が発生しやすく足元が見えにくい雑草だらけの園庭は、子どもたちにとって危険な場所となる可能性があります。

では、園庭の雑草対策はどうしたらよいのでしょうか。時には石や砂さえ口に入れてしまう子どもたちが遊ぶ園庭に、除草剤を使った雑草対策をするのは避けたいところです。
除草剤には安全性が高いとされているものでも、散布時には子どもやペットを立ち入らせないようにという注意書きがあるものです。
また、保管している除草剤を子どもが誤って触ったり誤飲したりしてしまうようなことは絶対に避けなければなりません。
このような理由から、人の手による草むしりが雑草対策の基本となっている園も多いのではないでしょうか。

雑草除去を徹底しようとすれば、作業に携わるのは職員や保護者会など、大人が中心になりますが、時には遊びを兼ねて保育者と園児たちで草むしりを行うのも良いものです。
自分たちの使う場所を自分たちで管理するという意識づくりにもつながるでしょう。
また、友達と協力して手ごわい雑草を引き抜いたり、雑草の下から這い出て来る昆虫を観察したりすることは、子どもたちにとっても楽しい経験となるはずです。

身近な自然と触れ合う機会をより増やしたいという場合には、草むしりから一歩踏み込んで雑草を活かしたビオトープを園内に作るという方法もあります。
現代では子どもたちが自然と触れ合う機会が少なくなっています。刺激や発見が多く、学ぶ意欲を掻き立てられるような自然環境を整備するのもまた、保育施設側の重要な役割となってきています。

いま注目されるビオトープとは

雑草対策

ビオトープとは、ドイツ語の「BIO=ビオ=生きもの」と「TOP=トープ=場所」の合成語で「生きものが暮らす場所」のことです。ドイツ語ではそのまま「Biotop」、英語では「biotope」と表記します。

本来、ビオトープというのは生物学の用語で、自然の中の生物生育環境を指していました。すなわち生物を育む自然環境、森や川、海などがビオトープです。この概念が拡張し、近年は人工的に作られた池や草地なども含め、生きものの暮らしを支えるすべての場所を意味する言葉となりました。

自然と人工物、種類、大きさなどの違いがあっても、ビオトープで重要なのは「そこに生きる生物の暮らしを大切にする」ということです。 人間が居住範囲を広げて開発を続けた結果、もともとあった自然環境はどんどん減少してしまいました。
そんな中で、都市部の学校や幼保施設にビオトープを設置する動きが注目されています。

ビオトープは、子どもたちが自然を観察したり生き物と触れ合ったりする機会、そして自然環境について考えるきっかけを提供してくれます。
ビオトープが増えると、ビオトープ間での生物交流が盛んになります。
一つひとつのビオトープは規模が小さくとも、数が増えることで昔その場所に生息していた昆虫や鳥を呼び戻す効果も期待できるでしょう。

ビオトープづくりの注意点と雑草対策

雑草対策

ビオトープづくりを始める前に、注意点についても確認しておきましょう。
例えば人工的に作ったビオトープに外来種を持ち込んで繁殖させることは、地域本来の生態系の破壊につながる可能性があります。
子どもがペットショップなどで買ってきた希少生物をビオトープ内に放してしまうことがないよう、注意することも必要です。

また、ビオトープには設置後もこまめなメンテナンスが必要な点を忘れてはいけません。
特に日本の環境は高温多湿で雑草が繁殖しやすいので、少し期間が空いただけで雑草だらけになることも考えられます。ビオトープの周りが雑草に囲まれると、害虫が発生したり足元が不安定になったりと、子どもたちを遊ばせるには危険な環境となってしまうかもしれません。

もし、ビオトープの場所を区切って管理したいなら、雑草が生えてほしくない場所に防草シートを使う方法を検討してみるのも、ひとつの手です。防草シートは、地面や砂利の下に敷く織物ですが、子どもにとっても安全性の高い雑草対策ができるでしょう。

なお、高齢者施設における花壇と雑草対策について下記の記事でまとめていますので、こちらもご確認ください。
「おしゃれな花壇の作り方 施設利用者の心身に良い効果をもたらす園芸療法と雑草対策にも注目」

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