アルコール消毒で手荒れに! 子どもの手指を守るハンドケア

アルコール消毒 手荒れ

最近は衛生対策のために手洗いやアルコール消毒をする機会が非常に増えました。これらの対策は大人だけでなく、子どもたちにも当然必要なものですが、その影響で手荒れのトラブルが増加しています。
そこで今回はアルコール消毒による子どもの手荒れと、その予防法についてご紹介します。

手洗い・アルコール消毒で増える皮膚トラブル

アルコール消毒 手荒れ

今では当たり前のように行われている手洗いやアルコール消毒ですが、これらがなぜ必要なのかご存知でしょうか。
新型コロナウイルスはエンベロープという膜に囲まれているウイルスで、石鹸やアルコールにはその膜を壊して不活化(感染力を失わせる)させる効果があります。そのため、石鹸を使った手洗いとアルコール消毒が有効とされています。

厚生労働省でも、コロナ禍における消毒・除菌方法を案内しており、手や指などの衛生対策は、「手洗い」と「アルコール消毒」を基本としています。

・手洗い
手や指に付着しているウイルスの数は、流水で15秒間手洗いするだけでも100分の1に、石鹸やハンドソープで10秒間もみ洗いした後に流水で15秒すすぐと1万分の1に減らすことができます。

・アルコール消毒(濃度70%~95%以下のエタノール)
手洗いがすぐにできない場合は、アルコール消毒が有効です。アルコールはウイルスの「膜」を壊すことによって無毒化します。また、手指などの人体に用いる際は、品質・有効性・人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品」(「医薬品」「医薬部外品」の表記があるもの)を使用してください。

※出典:厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

しかし、これらを頻繁に行うことにより、手が荒れてしまうという問題が発生しています。

皮膚の表面には皮脂や汗が混じり合ってできる皮脂膜と呼ばれる層があり、この皮脂膜によって皮膚の潤いは保たれています。ところが手洗いやアルコール消毒を行うと、この皮脂膜も溶けてしまいます。通常、皮脂膜は数時間で元に戻りますが、現在は頻繁に手洗いやアルコール消毒を行う機会があるため、手荒れが発生しやすくなっているのです。
そして、手荒れを起こした手指は細菌の温床になりやすく、放置すると感染リスクが増加してしまうという悪影響がでてきます。

乾燥しやすい子どもの手指

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手荒れトラブルは大人でも注意する必要がありますが、子どもはより念入りに対策をしたいところです。
その理由として、子どもの肌は大人と比べて皮脂の分泌が少なく角質も薄いため、保水力が弱く乾燥しやすい点が挙げられます。これが原因で肌を守るバリアとしての機能も働きにくく、子どもは手荒れの症状が進みやすいのです。

手荒れは最初、カサカサしてきてひび割れとなり、徐々に皮膚が硬くなっていきます。そしてさらに症状が進行すると、それが小さな発疹や水ぶくれになってしまうのです。
これがいわゆる手湿疹と呼ばれる症状で、皮膚がジュクジュクした状態になるのが特徴です。
手湿疹は皮膚の炎症によって起こっているため、そこまで症状が進んでしまうと病院での治療が必要となってしまいます。また、かゆみを伴う場合も多く、掻いてしまうことで、さらに悪化するケースも多く見受けられるのです。

こうした症状から子どもの手を守るためにも、あらかじめ対策をとっておく必要があります。

手洗い・アルコール消毒と保湿は1セットで!

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手荒れを予防するには、手洗いやアルコール消毒をした後のバリア機能が低下した皮膚を守るため、必ず保湿をすることが大切です。

そのためには、市販されている保湿用のハンドクリームやハンドジェルを常備し、手洗い・消毒の度にそれらを使った手指の保湿を習慣づけると良いでしょう。外出時もハンドクリームを携帯し、忘れずに手荒れ予防を行いましょう。乾燥しやすい子どもたちの手もハンドケアをしっかり行えば、手荒れになる確率は大幅に下がるはずです。