電子カルテで業務効率化! オンライン診療との連携と求められる環境づくり

電子カルテ

国を挙げてのDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている現在、医療の現場において電子カルテの導入が必須となってくることは間違いありません。地域医療の役割を担うクリニックも、100床以上の病院も、それぞれの機能を果たし、連携をしながら医療を支えていかなくてはならない時代です。

人口減少や医療従事者不足などにより、医療を取り巻く環境が大きく変化する中、 これまでの医療体制を維持していくためには、市民の健康を支えていく役割の一端をデジタルの力で担う必要があります。
医療機器や設備は次々と新しい技術を取り入れており、電子カルテに切り替えるクリニックや病院も増えてはいますが、DXのための設備構築や運用にいたるまでスムーズにできているかというと、なかなかそうはいきません。

そこで、ここでは、医療のDXとはどのようなものか、それにより可能となる電子カルテやオンライン診療の運用やメリットについて解説します。また、DXのために必要になる環境づくりについても考えていきましょう。

いま、医療に求められるDXとは

電子カルテ

いま、国を挙げてDXを進行している背景には、医療制度を考える際にたびたび問題となる人口減少があります。ポイントはここで減っていくのが65歳以上の老人ではなく、15歳から64歳までの労働人口だということです。

出生率が低下し高齢化が進み、2040年には全人口の35%が65歳以上になります。そして20歳から64歳までの働き手は2020年から5%減り、2040年には全人口の50%になると推計されているのです。 働き手が減るのに、患者は減らないというこうした現状では、どうやって一人ひとりの生産性を上げていくか、どうやって病気にならないようにするかを考えなければならないところまで来ています。

医療人材の働き方改革も待ったなしであり、これには医療の業務改革抜きでは太刀打ちできません。IT技術・ICT技術を活用した医療の質の向上、スタッフの業務効率化、患者様の利便性の向上が強く望まれているのです。

医療のDX化でできること

電子カルテ

電子カルテの導入により、様々なことが可能になります。メリットを挙げてみましょう。

・電子的に保存することで情報の共有がしやすくなり、各医療現場のスタッフがリアルタイムに近い情報を参照できるようになるため医療の質の向上に寄与します。

・電子カルテがデータベースとして機能します。データベースは情報の保管庫として検索が容易になり、紙の情報の整理・保管の手間もなくなるほか、データ活用への道が開けます。電子的診療情報評価料の算定など、診療報酬増加に寄与することも挙げられます。

・地域で評判のクリニックや病院では受付の待ち時間が問題になることもありますが、DX化を進めることでオンライン予約や問診など業務を効率化し待ち時間を短縮できたり、キャッシュレスのためのシステム構築を行ったりすることができ、ひいては患者様の医療へのアクセス向上にもつながります。

・オンライン診療のためのシステムや部屋を導入すれば、患者様が来院することなく薬の処方などが可能になります。検査や触診などが不要であれば、状況に応じて導入を検討されるとよいでしょう。

・電子カルテを用いて、連携する地域の病院同士で患者様の情報を共有できるようにすることは十分可能になってきました。スムーズな紹介や引継ぎは患者様の利便性、医療費の削減に役立ちます。個人情報の管理などクリアすべき問題はありますが、これからの医療・地域連携の在り方としては考えるべき方向性といえるでしょう。

医療のDX化に必要な環境

電子カルテ

電子カルテの導入にあたり、考慮しなければならないのは、過去の情報も含む膨大なデータ管理です。院内にサーバールームを設置する必要が出てくるケースもあります。

サーバールームは、サーバーラックやケーブル類をきれいに整理し、万が一の障害の際にメンテナンスをしやすくすることも大切ですが、耐震性、耐久性に加えて温度管理などの空調効率も忘れてはならない大切な要素です。従来のサーバールームでは床下にケーブルを通すことが多く、その大量のケーブルによって床下からの冷却効率が上げられず冷却コストが余計にかかってしまうこともありました。
そこで、ケーブルラックを天井から吊り下げたりすることのできる天井システム・天井材を選択するとメンテナンスのしやすさに加え、冷却コストの削減にも繋がります。こうしたサーバールーム用の設備は安定したサーバーのシステム運用にも寄与するでしょう。

またオンライン診療用の部屋を作る際にも、音漏れしにくく、反響音の少ない環境が患者様にとって望ましいといえます。オンライン診療では医師の声を患者様が正確に聞き取れるようにするために、普段の会話より大きな声で話したりすることもあるでしょう。また、壁に音が反響して患者様の話す内容が聞き取りにくくなることも考えられます。オンライン診療の際に、反響音の少ない壁材や音漏れしにくい環境づくりをすることは大切な要素です。

今回ご紹介した電子カルテを含め、先を見据えた対策・設備導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

recomended item

おすすめ製品