狭い保育室の環境を改善したい! 仕切りやスペースの有効活用で利便性をアップ

 狭い 保育室 環境

毎日の保育の中で、保育室が狭く感じられることはないでしょうか? 保育室が狭いと、保育士の方にとって使い勝手が悪いうえ、衝突など事故の可能性も高くなります。増築が簡単にできない場合は、今あるスペースを有効活用して保育室の環境改善を図りましょう。

この記事では、狭い保育室の環境構成や遊び方の工夫についてご説明し、狭い保育室を有効活用する際の注意点についてもご紹介します。

狭い保育室を有効活用するための工夫と注意点

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保育室に必要な面積は、国基準では、2歳以上は一人当たり1.98m2以上と最低基準が定められています(0~1歳の乳児室は1.65m2以上)。この基準を満たしてはいるが、実際に保育をするうえでは、狭く感じられている方も、中にはおられるのではないでしょうか。

そのように、狭く感じる保育室を有効活用するには、環境構成の工夫が必要と言えます。

例えば、遊びのコーナーを、遊びのジャンルごとにコーナー分けすることが挙げられます。そうすることで、異なる遊び道具の混在を防ぎ、子どもたちが遊びに集中できる環境づくりの一助になるでしょう。

また、狭い保育室では、一つのスペースを、食事やお昼寝、おままごとなど、複数の活動で利用できるようにし、一つの活動目的だけに固定しないこともポイントです。具体的な対策の例として、食事スペース向けのフローリングに、ゴザやマットを敷くことで、食事とお昼寝の2つの活動で利用できるようにすることが挙げられます。

そして、一つのスペースで複数の活動を行う場合、各クラスの特性を考慮した、仕切りや家具のレイアウトにしておくことも重要です。

例えば、乳児クラスでは月齢によってハイハイしている子と、歩き回る子がおり、衝突や転倒を予防するために、ハイハイゾーンと歩行ゾーンを仕切りで区切るようにします。一方の幼児クラスでは、自我の発達により遊びが一人ひとり異なるため、それぞれの遊びのコーナーを小さめにして、遊びの種類を増やすようにしてみるとよいでしょう。

狭い保育室環境に関する記事については、下記でご紹介していますので、こちらもご確認ください。
狭い保育室環境で気になる子どもの健康問題 ホルムアルデヒドや室内の結露への対策を

保育空間を有効活用する遊び方の工夫

 狭い 保育室 環境

保育時間の多くを占めるのが「遊び」です。子どもたちが十分遊びこめるような環境構成を考えてみましょう。

まず、保育室以外に遊び場所を用意することが挙げられます。ホールや園庭が使えるのはもちろんですが、意外な場所が遊び場になることもあります。例えば、廊下の一部をかけっこ用のレーンにする、玄関ホールに絵本コーナーを設置するなどの工夫をしてみましょう。

また、各遊びをコーナーで区切る際は、段ボールや牛乳パックで作った手作りの間仕切りが便利です。軽くて動かしやすく、遊びに加わる子どもの数が変化するのに合わせて、スペースを調整しやすいのも魅力です。

なお、コーナーを区切る際に明確な間仕切りを必要としない場合もあります。例えば、テーブルの場所はお絵描きや工作、調理台のおもちゃで囲んだスペースはおままごとコーナーとすると、間仕切りなしでも区切りがわかりやすいです。このように、遊びコーナーを適切に分ければ、子どもが自分で好きな遊びを選び、集中できるようになるでしょう。

あわせて、おもちゃや備品は園全体で共有すると、保育室の収納スペースを減らせます。各クラスで譲りあう必要があるため、活動の調整は必要になりますが、共有の物を大切にする心を育むことにもつながるでしょう。

保育空間を有効活用する上で注意したいこと

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保育空間を有効活用するうえでは、安全性、そして衛生環境に注意が必要です。

まず、安全性の観点から考えてみましょう。間仕切りや家具を使ってスペースを区切った時に、保育士の目が届かない死角が生まれてしまうのはよくありません。仕切りに使う間仕切りや家具は背の低いものを採用し、保育士の目が十分届くように気を配りましょう。あわせて、子どもが入れるような収納棚は避けたほうが無難です。なぜなら、遊びのつもりで隠れた子どもが、そのまま行方不明になってしまうケースもあるからです。

また、遊びのスペースを十分とった時、出入口付近が狭くなると衝突などの事故が発生しやすくなります。事故を防ぐためには、大人と子どもの目線の高さに対応した窓つきで、仮に挟まれてもケガのしにくい素材の扉が望ましいでしょう。そして開き戸は引き戸に変えることで、扉にぶつかる危険性を軽減でき、扉を開く場所のスペースを節約することにもつながります。

施設でのヒヤリハットについて、下記の記事にまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
「ヒヤリハットとは? アクシデント・インシデントを減らすために施設に求められる予防策」

次に衛生面に関する注意点をご紹介します。一つのスペースを多目的で使う場合、汚れが気になることもあるでしょう。例えば遊びと食事を同じスペースで行う時に、クレヨンの跡や傷だらけの壁に囲まれながら配膳するのは不衛生に感じられる際は、あらかじめ汚れをふき取りやすく、傷つきにくい腰壁を設置しておき、子どもたちの手が届く範囲を腰壁で保護して、多目的な活動に使いやすい空間を確保しましょう。

清潔で安全性に優れた畳の導入もおすすめです。下記の記事をご参照ください。
「赤ちゃんのお昼寝と畳は相性抜群!? 清潔でハイハイもしやすい和室の魅力」

なお、保育環境の改善にはDX活用が有効です。下記の記事にまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
「DX化で保育士の業務負担が軽減?! 次世代の施設・スマート保育園が子どもを育成」

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