畳と畳の縁(へり・ふち)で人気なコーディネートは?
おしゃれな和室にするために
コロナ以後、おうち時間が長くなった方も多いことでしょう。そこで今、多目的に活用できる畳敷きの和室の良さが見直されています。
畳敷きの和室は、ゆったりと和やかな時間を過ごしたり、お子様の遊び場として活用したり、ときにはゲストルームとしても利用できます。そんな和室をワンランクアップさせたおしゃれな空間にしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。そんな中、最近では色数豊富な和紙製の畳おもての畳も登場して注目を集めています。
畳の色を選ぶときに忘れてはいけないのが、畳の縁(へり。ふち、えんと呼ぶ場合もあり)。畳に加えて縁の色や柄によっても、和室全体の印象は大きく変わります。
ここでは、和室の名脇役ともいえる畳の縁について、畳とのコーディネートのポイントや選び方のヒントをご紹介します。おしゃれな和室づくりの参考になれば幸いです。
畳をカラーコーディネートしよう
和紙を使用した畳おもての畳は、耐久性やデザイン性など、従来のイ草のデメリットを解消した新しい畳として人気を集めています。
注目すべきは、豊富なカラーラインアップ。和紙畳のメーカーでは、従来の畳の素材であるイ草のようなグリーンをはじめとして、ベージュやブラウン、ネイビーなど個性あふれる色や柄を数多く取り揃えています。知識として押さえておきたいことは、今や畳もカラーコーディネートする時代だということです。
広い面積を占める畳は、部屋全体のインテリアのイメージに大きく影響する
和室のイメージは、部屋の中で広い面積を占める畳によって左右されます。従来のイ草のようなグリーンならさわやかなイメージ、ネイビーならシックなイメージなどと、どんな畳を選ぶかで自在にインテリアイメージを演出することができます。
畳の縁は色や柄によって意外と目立つもの
イメージ通りのインテリアを実現するために忘れてはならないのが畳の縁。縁は、一般的な畳では長辺に縫い付けられています。
縁は、文字通り畳を縁取る部分ですので、思っているよりも目立つ存在です。なんとなく選んでしまうと、思わぬ失敗に繋がることもあります。
畳の色選びでは縁とのコーディネートも大事
畳の色選びをするときに、縁とのコーディネートもじっくり検討してみてください。例えば、畳の色に対して縁をアクセントとして効かせた色にするか、逆に畳と縁を馴染ませた色にするかで和室全体の印象は大きく変わります。さらに最近では縁のないタイプを選ぶこともでき、畳と縁の多彩なコーディネートが可能になってきました。
畳の縁をアクセントにする? それとも?
畳を縁取るパーツである縁は、畳とのコントラストによっては、床のアクセントになります。したがって、和室のカラーコーディネートでは、まず縁をアクセントとして強調したいのか、それとも縁を目立たないようにしたいのかを考えましょう。ちなみに、縁が目立つほど伝統的な和のイメージが強い空間になります。トーンを合わせるなど、畳と縁の色を馴染ませるようにコーディネートすれば、落ち着いたシックなイメージを演出できます。
畳縁の色・柄は非常に多彩
畳の色とともに、縁の色や柄も非常に多彩です。昔ながらの伝統的な柄を継承したものから、最近では畳に合わせて濃淡をつけたものや無地などのように、シンプルでモダンなイメージの縁が人気を集めています。
畳の縁のないデザインも人気
近年は和モダンテイストにマッチすることから、縁のない畳も人気です。特に、半畳タイプの縁なし畳はタイルカーペットをコーディネートするような感覚で洋風リビングの一角に取り入れるなど、和モダンだけでなく洋風のモダンテイストにもマッチさせやすくなっています。
縁あり畳のモダンなコーディネートは?
縁あり畳でもモダンなイメージに演出できます。和紙畳の縁は豊富なカラーバリエーションが揃っているので、モダンなテイストのコーディネートが可能です。畳と縁を同色にしたり、同系色でまとめるなど、畳の縁があまり目立たないようにするのがコツです。
部屋全体のイメージを考えて畳縁を選ぼう
畳の縁は、和室全体をどんなイメージにしたいかを考えて選ぶといいでしょう。
例えば、心穏やかに過ごす癒しのイメージなら畳と馴染む色を、趣のある老舗旅館のようなイメージなら落ち着いた重厚感のある色を、和モダンなイメージならシックな色やモダンな柄を選ぶなど、とことんこだわってみるのもいいかもしれません。また、家具や家電、ファブリックなどの色やテイストとのマッチングも考えましょう。
畳縁の選び方のヒント
色による畳縁の選び方
畳と同系色の縁を選ぶと、落ち着いたやさしい雰囲気をつくることができます。またシックな配色を選べば、格調高い空間も演出できます。縁が主張しない分、和室然とした印象も和らぎます。
畳畳と同系色の縁でも、濃淡差を大きくつけるとキリッとしたイメージに仕上がります。畳の魅力がより際立つ配色です。縁をアクセントにしたい場合は、畳と対比させたはっきりした色で、引き締め効果を狙います。伝統的な和室に使えるテクニックです。
和モダンな部屋、洋風LDKの中に畳コーナーをつくる場合
「和モダンな部屋」は、人気のインテリアテイストです。和モダンな部屋や、洋風のLDKの一角に畳コーナーをつくりたいときなどは、縁なし畳もおすすめです。
縁なし畳は、1畳の長方形タイプはもちろんですが、半畳の正方形タイプなら長方形タイプより、さらにおしゃれな印象を与えることができます。市松模様やツートンカラーの組み合わせなど正方形タイプならではのバリエーションが楽しめます。
畳表とへり・ふちのカラーバリエーション例
おしゃれな畳の部屋を作りたいけれど、畳表とへり・ふちの部分である畳縁の具体的な色の組み合わせがいまいち分からない、しっくりこないという人もいるでしょう。
色を組み合わせるときには、配色理論がよく使われます。例えば、配色理論の基礎である「色相環」は、メインの色(畳表)とアクセントカラー(畳の縁)を選ぶ参考になります。色相環とは、光の波長の違いによって生じる連続的な色の変化を環状に並べて表したものです。この色相環の中でメインカラーから見て180度違う色を「補色」、120~150度違う色を「対照色」といいます。
補色や対照色は、メインカラーの畳表に対して畳の縁を目立たせたいときに使えます。
例えば、畳表によく使われる「緑・黄緑系」の色の補色・対照色には「赤」「赤紫」「オレンジ」「ピンク」などが該当します。このような明るい色を畳の縁に取り入れると華やかな雰囲気になるので、おしゃれな畳の部屋にしたい人は一度検討してみるとよいでしょう。また、このような色の組み合わせは、暗くなりがちな北側の部屋や、楽しい空間にしたい子ども部屋にも適しています。
「黄金色系」の畳表なら、対照色である「青系」の畳の縁が良く合います。きりっとした清潔感が生まれるため、勉強部屋や作業スペースなど集中力を高めたい空間に採用してみてはいかがでしょうか。
色の組み合わせ方によっては、補色や対照色を使った畳の縁のアクセントが効きすぎて、畳表から色が浮いているように感じられる場合もあります。そんなときは、畳の縁と畳表を同系色で揃えつつ、濃淡やコントラストを変えて落ち着きのある空間を目指してもよいでしょう。
畳表の中には1色ではなく2色、3色の色を織り込んだ製品もあります。その中の1色を周囲のへり・ふちの色と合わせて、カラーバランスを整えることもできます。
畳替えの時も色彩計画を考えて
畳替えを検討するなら、畳と縁のカラーコーディネートを考え、和紙製の畳を選択肢に加えることをおすすめします。和紙に樹脂をコーティングした和紙畳は、耐久性やメンテナンス性が高いことも特長ですが、なんといっても、カラーラインアップが豊富なことが魅力です。せっかくの畳替えなら、畳と縁のカラーコーディネートをうんと楽しんでみてはいかがでしょうか。
和紙畳と縁のコーディネートでは、これまでとは一味違ったおしゃれなイメージの和室づくりが楽しめる一方で、思い通りの空間にできるか色選びに自信がない方もいらっしゃるかもしれません。
そんな場合は、畳メーカーのカラーシミュレーションサービスがおすすめです。カラーシミュレーションサービスでは、WEB上で選んだ畳と縁のカラーの組み合わせや種類が、リアルタイムで画面に表示されます。もちろん縁なし畳にも対応しています。一戸建てやマンション、6畳や8畳といった部屋の広さを選択できる機能もあります。これなら、事前のイメージ確認が簡単にできるので、コーディネートに失敗がなく安心ですね。
今回は、和室のイメージづくりに一役買う畳の縁の選び方をお伝えしました。畳とのカラーコーディネートで、理想の和室づくりを楽しみましょう。
※DAIKENの和紙畳とは:機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。
※金額は全て目安になります。実際の現場状況や時期によって価格は変動します。詳しくはお近くの施工店様にご相談ください。
※ここに掲載されている情報は2024年9月時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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