保育士さんの負担を軽減するには?

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昨今、保育士の人手不足が叫ばれ、一人に課せられる業務が増えることによる荷重労働や自宅での持ち帰り業務が指摘されています。貴重な人材の離職を防ぐため、保育士さんたちが何に負担を感じ、どのような改善点を求めているかを知ることは、とても重要です。

約半数の保育士が「給与改善、職員増員、雑務軽減」を希望

東京都福祉保健局が平成30年に発表した「保育士実態調査」によると、現役保育士による職場への改善希望事項を調査したアンケートでは、1位に「給与・賞与等の改善」、2・3 位が「職員数の増員」「事務・雑務の軽減」という結果に。つまりは、人手不足が招いた業務の忙しさによる、賃金の見直し、職員の増員希望、業務の改善・見直しといった項目が、上位を占めました。

職場への改善希望事項【現在保育士就業中】(複数回答) 平成30年

職場への改善希望事項【現在保育士就業中】(複数回答) 平成30年

出典:東京都福祉保健局『東京都保育士実態調査報告書 調査結果の概要』(平成30年)より

5年前の同調査と比べ、業務の改善を求める人が急増

また、上位3項目について平成25年度の調査と比較すると、最も要望が増えたのが、「事務・雑務の軽減」で 14.1 ポイント増(H25:34.9% → H30:49.0%)でした。次に「職員数の増員」が9.7ポイント増(H25:40.4% → 50.1%)、続いて「給与・賞与等の改善」が6.7ポイント増(H25:59.0% → 65.7%)と、3項目ともに大きく伸びています。

職場への改善希望事項【現在保育士就業中】(複数回答)  平成25年、30年

職場への改善希望事項【現在保育士就業中】(複数回答)  平成25年、30年

出典:東京都福祉保健局『東京都保育士実態調査報告書 調査結果の概要』(平成30年)より

園を設計する際に考えておくべきこととは?

この調査結果から、多くの保育士さんは業務の軽減や効率化を求めていることが明らかになりました。特に、毎日の事務作業や雑務については、できるだけ軽減や効率化を図りたいものです。

例えば、園舎の掃除やメンテナンスの手間が省けることで、保育士さんたちの負担軽減につながります。具体的には、予め汚れや落書きを落としやすく、キズがつきにくいドアや壁材を使うことで、多忙を極める保育士さんが掃除に費やす時間を少しでも減らすことができるでしょう。

幼稚園や保育園を運営する側にとって、質の高い人材の“安定的確保”と“職場への定着”は、とても大きな命題となります。業務の負担軽減や効率化を行うことで労働環境が改善され、保育士の離職防止や、一度離職した潜在保育士の復帰にも繋げることができるでしょう。園を安心して長く運営するためにも、園舎の設計段階からあらゆる策を考えておく必要があります。

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