開き戸のメリットとデメリットとは?
引き戸との違い、ドアリフォームでより使いやすく

室内に設けられる開き戸とは、扉を前に押す、または引いて開閉するタイプのドアを指します。
開き戸にもメリット・デメリットはありますが、少しの工夫やアイデアを取り入れることでマイナス面をカバーすることが可能です。
こちらの記事では、開き戸の特徴・メリット・デメリット、安全で快適に使用できる機能性に優れた開き戸の紹介やリフォームについてもふれていきます。
ご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
開き戸について解説

開き戸とは「縦に押したり引いたりして開ける戸」のことです。
開き戸はおもに「片開き戸」と「両開き戸」の2種類があります。
- 片開き戸:一方向から押して開ける、または引いて開ける一般的な開き戸のことです。吊元によってドアノブやレバーハンドルの位置を選ぶことが可能です。設置の際には、間取りや使用用途・目的などにあわせて、左右どちらで開閉する方が効率的であるかを検討する必要があります。
- 両開き戸:2枚の扉によって仕切られる、観音開きとも呼ばれる開き戸です。開口部が大きな場所やクローゼットなどの収納スペースで用いられます。
両開き戸の一種である「親子ドア」は、メインとして使用する扉を大きくし、もう一方を小さな扉で仕上げたものです。リビングの入り口や玄関などで多く採用されており、大きめの荷物や自転車出し入れ等もスムーズに行うことが可能です
このほかにも、商業施設や医療施設・工場などに用いられる、両方向から開閉が可能な両開き戸(スイングドア)もあり、人の往来が激しい場所や、台車に荷物を乗せたまま軽い力での開け閉めを可能としています。
開き戸の特徴として、吊元部分を中心にドアが動くため、ドアの可動域スペースを確保する必要があり、その部分には家具や装飾品などを配置することができません。
引き戸と開き戸の違いは? 開き戸とは違う引き戸の特徴と共通点

引き戸とは「横にスライドさせて開ける戸」のことです。
引き戸にも開き戸同様種類があり、おもに「片引き戸」「引き違い戸」「引き分け戸」「引き込み戸」の4種類に分けられます。
- 片引き戸:壁の上に戸が重なるタイプの一般的な引き戸のことです。左右どちらか一方方向に開閉します。
- 引き違い戸:押入れのように二枚以上の戸を使った引き戸で、左右どちらからでも開閉できます。
両開き戸の一種である「親子ドア」は、メインとして使用する扉を大きくし、もう一方を小さな扉で仕上げたものです。リビングの入り口や玄関などで多く採用されており、大きめの荷物や自転車出し入れ等もスムーズに行うことが可能です - 引き分け戸:片引き戸を左右両側に配置したような形をしている引き戸です。両方の戸を開放すると入口が大きくなり、開放感を味わえます。ただし、戸が重なる部分として左右両方の壁に空間を作る必要があります。
- 引き込み戸:壁の中に戸が隠れるような構造になっている引き戸のことです。壁に戸が重ならないため、見た目がすっきりして見えるのが特徴です。
引き戸は開き戸とは違い、敷居やレールが必要です。その分、戸と床の境目に段差ができるため、掃除しにくかったり、車いすで移動しにくい面もあります。ただし、上吊りタイプの引き戸なら下にレールを付けずに設置できます。段差が気になるなら、バリアフリーの面からも上吊りタイプの引き戸がおすすめです。
開き戸と引き戸の明確な違いとして挙げられるのが、必要なスペースの位置です。開き戸では戸が移動する「前後」にオープンスペースが必要です。一方、引き戸では戸が引き込まれる「横」のスペース(壁もしくは壁の中)が必要です。開き戸と引き戸に必要なスペースの位置は違いますが、どちらの戸にしてもスペースを設ける必要があるという点は共通しています。
そこで、部屋に置きたいものや飾りたいものの有無で、戸の種類を考えるとよいでしょう。 例えば、引き戸を開いたときに戸と重なる壁の部分は隠れてしまうため、写真やポスターなどの装飾品を貼るのには向いていません(引き込み戸以外の場合)。一方の開き戸では、前後のスペースに戸が移動するため、物を置くと邪魔になります。開き戸のそばに観葉植物を置いてしまうと戸に当たって転倒する危険性も出てきますので注意してください。
開き戸と引き戸のメリット・デメリット

開き戸と引き戸にはどのようなメリット・デメリットが存在するでしょうか。
メリットとして、開き戸は引き戸に比べ、気密性が高い傾向があるという点が挙げられます。気密性が高くなることで、冬場の寒さ・夏場の暑さ対策が可能となり、室内を快適な状態に保つことが可能です。
また、気密性が高いことから遮音性にも優れており、楽器の練習や音漏れが気になる部屋にも多く使用されています。近年では、ストリーマーなどの動画配信者といった職業も確立されており、防音室の扉には開き戸が採用されています。
引き戸のように敷居やレールを設置する必要がないことから、床面をフラットに仕上げることができ、清掃や手入れが楽になるほか、段差が解消されるため、つまずくといった心配もありません。
壁面として使用することができなくなってしまう引き戸の引き込み部分が不要で、スペースを有効に使うこともできます。
一方デメリットでは、開き戸の可動域にかかる部分には何も置けず、デッドスペースが生まれてしまう点が挙げられます。お気に入りの家具や壁に掛ける装飾品などを配置してしまうと、扉と接触してしまうことで傷みやキズができるほか、十分な開閉が得られず動線をスムーズに移動できなくなります。
また、高齢者や車いすを使用されている方には、開け閉めの動作が大きく、引き戸に比べ使いづらいという点もデメリットです。
このほかにも、風に煽られることで勢いよく閉まり、大きな音や戸当たりなどが損傷してしまう、閉めた際に小さなお子様が指や身体を挟んでしまう可能性や、扉の向こう側に人がいることに気付かず開閉時にぶつかってしまう、といったケースもあります。
開き戸のリフォームをするなら

デメリットもある開き戸ですが、安全で使いやすく快適に暮らすためにはどのように工夫すればよいでしょうか。
勢いよく閉まるのを防ぐには、ドアストッパーやダンパー、後付けできるものであればドアクローザーなどを取り入れる方法もあります。いずれもドアの固定や油圧により開閉スピードを調整するパーツですが、床面に埋設するタイプや取り付けに技術がいるもの、ドアの形状や枠材との取り合いに加工が必要な場合には、専門業者へ依頼するとよいでしょう。
戸当たりクッションは、戸当たり部分に緩衝材を貼り付けるだけの簡易的な対処方法ではありますが、開閉時の大きな音を防ぐほか、隙間を塞ぐことができるため気密性や遮音性も高めることができます。
また、あらかじめ対策を施した開き戸も販売されており、近年では新築・リフォームを問わず注目を集めています。
扉木口部分を面取りすることで、万が一指や身体が挟まれてもケガをしにくい加工がされているもの、勢いよく閉まった時の音を和らげる特殊気密パッキンを配したもの、デザイン性に優れた内蔵型ダンパー、扉下部に金物を設置することにより扉を固定できる(固定金物フランス落とし)など、開き戸に関する悩みを解消する技術がふんだんに盛り込まれている製品も用意されています。
開き戸の変更を検討中の方、また仕様についてお悩みの方は、機能性・デザイン性に優れた開き戸をチェックしてみることをおすすめします。
●より安全で使いやすく
下記のようなパーツや配慮で開き戸のデメリットのいくつかは解消できます。
※ここに掲載されている情報は2024年8月時点のものであり、最新の情報と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
おすすめ製品詳細
※hapia(ハピア)リビングドアには、ドアクローザーは取付けできません。ドアクローザーを取付ける場合は、
『hapia public(ハピア パブリック)』のドアおよびドアクローザーをご使用ください。
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