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猫が人との関わりを楽しいと思う環境に! DAIKENの猫向け建材で実現できる暮らしとは

金巻 とも子

好評をいただいているDAIKENの猫向け建材は、一級建築士であり家庭動物住環境研究家としても活動されている金巻とも子先生のご協力によって生まれました。これらの製品は、猫の気持ちに寄り添い、猫の目線・習性・安全面を重視したラインアップとなっています。 そこで、金巻とも子先生に猫と暮らす住まいを設計する際のポイントや、開発に携わった商品が誕生するまでの経緯や狙いなどについて伺いました。

<プロフィール> 金巻 とも子 一級建築士 博士(工学) 家庭動物住環境研究家

かねまき・こくぼ空間工房主宰。建築設計業務のほか、いぬやねこといった家庭動物との健康な暮らしをテーマに学術研究を進め、住環境コーディネーターとしても活動。 著書に「犬・猫の気持ちで住まいの工夫」発行/彰国社などがある。

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猫の適正飼養には、家の中にリフレッシュや運動ができる環境が必要

金巻 とも子先生

──金巻先生は、ペットとの暮らしをテーマにした住まいの設計に取り組まれていますが、猫と暮らす住宅では、どのような点を重視すればよいのでしょうか。

金巻:まず、人と猫、大きい動物と小さい動物が空間をシェアすることについて、よく考える必要があります。 犬は散歩に行くことで刺激を受けたり、リフレッシュしたりすることができますが、猫は完全室内飼育が基本です。安全であるのは良いですが、刺激が少なく無気力になりやすいのが課題です。そのため室内でも猫が楽しんで運動したり、リラックスしたりできるようにしなければなりません。

また、猫は人間との距離感を気にするため、パーソナルスペースを作ってあげることが大切です。特に集合住宅では高さが抑えたコンパクトな空間となりやすく、人とペットが近接環境で過ごすことになるため、空間を上手にシェアしなくてはなりません。運動を促しながらも、過度な興奮とならないように、猫のサイズで空間を複雑で面白みを引き出すことが、近隣への迷惑防止にもつながります。

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人の高さや行動に合わせたプランニングで、猫の運動量を確保できる空間に

──猫を飼う場合、自宅にどのような環境を作るべきなのでしょうか。

金巻:「猫は高い場所に上がりたがる」と思われがちですが、その環境に不安や危険を感じて、監視が必要になったときに高い場所に上がります。ですから、猫は室内が安全だと感じると必要がなくて高い所にあがらなくなったり、逆に人との関わりが楽しくないと感じる場合は高い所から降りてこなくなったりします。そのような状態になると刺激も運動も足りなくなり、肥満につながりがちです。

大事なのは、猫に“人と一緒に暮らすのが楽しい、人の様子が面白い”と思わせる環境をつくることです。そのために、設計者としては上下に動けるステップやキャットウォークなどのアイテムを使って、人の生活する室内がいかに面白く刺激を受けられる場所であるかを猫に提示しているのです。猫に楽しく運動させるためにつくっているので、私はそのような環境をあえて“アスレチック”と呼んでいます。

──具体的にはどのような設計上の工夫が必要でしょうか。

金巻:私が設計をする際の工夫として、まず空間の入り口部分、例えば部屋のドアのすぐ横にステップをつけることを提案しています。その意図は、猫が通りかかる飼い主の顔の高さに近寄れるように、というものです。 猫が愛情表現として人に近づきたくても、背の高さに大きな差がありますし、人は猫から見ると大きく手足を振って移動するので、猫が低い場所にいるときは、蹴られる危険があるので近寄ることができません。また、触ったり抱っこしようとして、人が自分を覆い被るように手を伸ばしてくるのも、苦手です。
猫が人間と安心して接することができる高さは、人の膝よりも上、そして、肘より上です。人の肘より上であれば、人が猫に触ろうとする時に、突然捕まえられるような状況となりにくいためです。そこを意識しながら、猫が飼い主に関わりたいと思ったとき、その気持ちを折らずに行動を促進できるような場所に、アイテムをたくさん取り入れるのがよいと思います。

また、猫は好奇心が旺盛で人が作業しているところを、監督するかのように立ち会い、眺めるのが大好きです。猫が人の動きを楽しめるように、人の高さや生活行動に合わせたアイテム配置をすることを心掛けています。 他にも、見知らぬ人間が部屋にくると猫は警戒しますが、ちょっと高い場所からしばらく観察して安心できれば近づいてくることがあります。そのため、安全な場所から家族の出入りする場所や、人間を観察できるスペースをつくってあげることも大切です。

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商品化によって“猫と暮らす住まい”が抱える設計上の課題を解決

金巻 とも子先生

──DAIKENの猫用製品の開発に関わることになった経緯を教えてください。

金巻:ペット用のフローリング『ワンラブフロア』の開発に携わったことから、猫用のアイテムも作れないかというお話をいただいたのがきっかけです。 そこで、これまで猫と暮らす住まいの設計で、課題に感じていた部分、商品としてあるとよいと思っていたアイテムを提案し、その中から製品化していただきました。

──猫のためのアイテムを設置する際、どのような点に課題を感じていたのでしょうか。

金巻:たとえば壁にステップを設置する場合、その上で猫が飛び跳ねたりするので、壁にかなりの負荷がかかります。そのため、十分な強度を確保するにはクロスなどの仕上げ材を貼る前の構造体を作っている段階でステップを設置しておく必要がありました。ただ、細かくリズムを刻むように設置したステップの周囲に沿って後からきれいにクロスを貼るのは大変な手間で、内装が仕上がっていない段階だと、施主様も空間がイメージしにくく、取り付け位置を決めにくいという課題がありました。

そこで、内装を仕上げてから設置できるステップとして開発されたのがDAIKENの『ねこステップ』です。『ねこステップ』は壁を補強しなくても、間柱など下地のあるところを利用して取り付けられる寸法で設計されているため、リフォームでも手軽に取り入れらます。

──他にも、猫と暮らす住まいの設計で課題になっていた点はありますか。

金巻:飼い主が出掛けるときに猫も一緒に外に出てしまう、また帰宅時に喜んで迎えに出た猫が勢い余って外に出てしまう、と言う事故があります。家(テリトリー)の外に誤って出てしまうと慌ててしまい、迷子になってしまう恐れがあります。とはいえ、犬用のペットゲートでは高さが足りず、猫は簡単に飛び越えてしまいます。かといって通常のドアを設置すると圧迫感があったり、空調の風が届かなくなったりといった問題が起こります。
さらに、一般的なペットゲートは部屋の雰囲気から浮いてしまう場合が多いため、和風・洋風どちらにも合うおしゃれなデザインの『ねこゲート』を製作していただきました。色柄が選べるので他の建材とも揃えることが出来て、設計者としても提案がしやすいので助かります。格子状の穴から向こう側にいる猫の存在がよくわかり、猫が扉を開けられないように、レバーハンドルはなく、両側サムターン錠がついているのも便利です。

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『ねこボックス』や『ねこシェルフ』はアイデア満載のアイテム!

──『ねこボックス』はどのようにして生まれた商品でしょうか。

金巻:室内飼いの猫は外に居るときのような緊張感が低く、キャットウォーク上で無防備に寝て、下に落ちてしまうという事故が発生することがあります。そこで、猫が安全に寝られるように、キャットウォーク上に猫が一休みしやすいボックスを設置することを以前から提案していました。そのデザインを踏襲したものが『ねこボックス』開発のきっかけとなっています。 覗き穴は、自分が隠れながらも周りを監察するという「覗く」という、一休み空間に猫にとっての面白さ機能を付加すると同時に、覗く猫のかわいらしい様子を人が楽しむために設けたものです。猫があごをのせやすい高さ、顔を出しても飛び出す危険が少ないサイズにするなど、計算して作ってあります。

──『ねこルート』や『ねこステップ』でこだわった点はありますか。

金巻:『ねこルート』や『ねこステップ』は猫の転倒・転落を防ぐため、表面に滑りに配慮したシートを使用しています。以前は現場ごとの塗装仕上げで滑りにくくしていたのですが、気候や施工者の技術にも左右され性能を一定にするのに苦労してきました。これらの製品を開発していただいたおかげで、性能が安定したものを用意できるようになりました。

──『ねこシェルフ』の開発に至った理由やこだわったポイントを教えてください。

金巻:『ねこシェルフ』は、人には本棚にしか見えないけれども、猫には通路に見える棚があるといいなと思って作ってもらいました。シェルフの中の空間を猫に対して複雑味を持たせることで、シェルフがある空間が猫にとって小さな街として感じられるようなつくりにしてあります。

こだわったポイントは隠れ家になる扉つきのスペースです。猫が1人で静かに休みたいとき、また、部屋に見知らぬ人が来たときには、後ろからこっそり扉の中に入り、人の表情が見える高さから安全にじっくり観察できます。扉があることでベッドを設置しても落下する心配がなく、メンテナンスもしやすい仕様になっています。くぐり穴は、穴があれば覗きたい猫の心理を刺激し、出たり入ったりして猫同士で遊べるようにつけてもらいました。

猫の適正飼養には体重の管理も必要なため、棚は体重計を入れられるサイズにしてあります。具合が悪いときにはホットカーペットを敷けるように、配線ができる仕様に指定することも可能です。これからは選択可能なパーツを増やすなど、『ねこシェルフ』をもっと進化させていけたらよいですね。

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猫用のアイテムは設置するだけではダメ、人が一緒に遊びやすい工夫を

金巻 とも子先生

──最後に、猫用アイテムの設置を考えている方にアドバイスをお願い致します。

金巻:まず知っておいてほしいのが、自宅で1匹の猫を飼っている場合、猫用のアイテムを設置しただけでは遊んでくれない可能性があります。これらはあくまで道具ですので、人間が一緒に遊んであげることで、猫がその楽しさを知り、運動不足解消などの効果をあげることができるのです。

実際に何もないところで猫と一緒に遊んで運動させようとすると、人もかなり動かなければならず負担が大きくなります。部屋に『ねこステップ』や『ねこシェルフ』などを設置すると、高さを利用して人はほとんど動かずに、猫じゃらしで誘導してあげるだけで猫が喜んで上下左右に移動してくれるため、効果的に運動させることができます。ステップは3種類以上のリズムが踏めるよう、「体を水平に近くなだらかなもの」「体をタテにして屈伸が必要なもの」「振り向くような動きをくりかえすもの」など、工夫するのがお勧めです。

また、猫用アイテムの配置でよくある事例なのですが、テレビの上にキャットウォークを配置するのはできれば避けた方がよいでしょう。猫は人を観察する際に背後や隠れられる場所からこっそり覗きたいのですが、テレビの上だと人の視線が集まりますのでストレスがたまりやすいことに加え、テレビは突発的に大きい音が出るため、猫がビックリしてしまうからです。

猫用のアイテムを設置する際には、猫が気持ちよく暮らせることを優先させ、人の行動もセットと考えたうえで配置したいですね。

──ありがとうございました。

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【DAIKEN猫向け建材カタログ】
「ペットと暮らす」 ⇒ 詳しくはこちら
『ねこシェルフ』 ⇒ 詳しくはこちら

【記事掲載の猫向け建材 詳細】
『ねこルート/ねこボックス』 ⇒ 詳しくはこちら
『ねこステップ』 ⇒ 詳しくはこちら
『ねこシェルフ』 ⇒ 詳しくはこちら
『ミセルねこ用カウンター』 ⇒ 詳しくはこちら
『ねこゲート』 ⇒ 詳しくはこちら

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