地方創生を考えた公共施設づくり 市民センターに地元の木材を活用!

地方創生

少子高齢化や首都圏への人口一極集中により、地方の過疎化が深刻な問題になって久しい昨今、各地方都市における自律的で持続可能な社会づくり、地方創生が求められています。
そこで今回は、地方創生に取り組むための拠点となりうる市民センターづくりと、地域産材を活用することの意義についてご紹介します。

地方創生とは?

地方創生とは、特に人口減少が顕著な地方都市における、地域の特性を活かした自律的かつ持続可能なまちづくり・まちの活性化のことを指します。

人口の流出に伴って地域全体の需要・雇用が減り、納税者・納税額が減少すると、自治体としての運営を持続するのが難しい状況になってしまいます。このようなマイナスの連鎖を断ち切るため、地方自治体は各地域の特徴を生かした産業の活性化に加え、コミュニティを継続的に生成・育成していく必要があります。そこで活用したいのが市民センターの存在です。

地方創生の拠点としての市民センター

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それではまず、市民センターの役割から見ていきましょう。
公民館やコミュニティセンターという名称のほうがしっくりくるという方も多いと思いますが、市民センターは主に地域住民が社会教育にいそしむための拠点となっているほか、行政サービス・生涯学習の拠点や、災害時における地域住民の避難場所としての役割も担っています。

持続可能な地域社会をつくるには、コミュニティの活性化が不可欠であり、それをサポートする施設として市民センターは最適と言っても良いでしょう。地域住民が集う場所として愛される施設にするために、その地域の特性や素材を活かして、住民の方が誇りに思える建物にしたいところです。

地域産材を使って地域貢献、地元に愛される建物に

地域産材を使って市民センターを建てるメリットは大きく2つあります。
1つは「その地域の森林資源の循環促進」、もう1つは「その地域の需要・雇用の創出」です。

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樹木は適切に管理をされたものでないと建築資材として使えないため、植林と伐採のバランスを考えながら林業が行われています。

しかしながら、林業に携わる人口は減少傾向にあり、樹木が伐採時期を迎えているのにそのまま放置されているなど、適切な循環サイクルを回せていない森林が数多く存在します。

このような問題に対し、市民センターのように大きな施設で地域産材の活用を進めていくことは、その地域の林業の活性化、ひいては森林の適切な循環を促すことにつながります。

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また、林業だけでなく建築事業の分野でも地域住民が携わりやすくなり、その地域全体の需要・雇用創出効果が期待できます。そして、施設建築に携わる地域住民が増えるということは、それだけその施設に対する住民からの愛着や親近感が得られやすくなるのです。
このように、市民センターのような公共施設に地域産材を活用する取り組みは、その地域の森林資源を守ることと、地域全体の需要・雇用を創出させるという期待から、注目を集めています。
森林資源を伐採地でそのまま使うことで、資材運搬に係るCO2排出量低減にもつながることから、SDGsやカーボンニュートラルの観点でも有効な取り組みといえます。

まとめ

以上のように、地域産材を活用した市民センターのような施設を増やしていくことは、地方創生の好循環を生み出す手段として非常に有効です。

近年では建物の構造資材だけでなく、壁材や床材などの内装材にも地域産材活用を推奨する方針が林野庁から発信されており、地域産材を活用した地方創生の活性化は今後もますます重要度を増していくでしょう。

林野庁「建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」

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