新たなつながりと文化を生み出す「渚の交番SEABRIDGE」(天井材編)

渚の交番

渚の交番 SEABRIDGE|広島県

海を中心とした文化の発信地をつくる
WPCフローリングとグラビオルーバー

豊かな恩恵をもたらしてくれる日本の海に、より多くの人々がもっと慣れ親しみ、温かな接点が持てるように。そんな思いで日本財団が立ち上げた「渚の交番プロジェクト」。2021年7月には尾道市・因島にカフェ、コミュニティスペース、絵本ギャラリーなどが併設された「渚の交番 SEABRIDGE」(以下、SEABRIDGE)がオープン。地域住民・観光客・サイクリストとの交流の場としてすでに多くの人々に愛される存在になっていて、内装建材も人が集う心地よい空間づくりに一役買っています。今回はこの空間へのDAIKEN製品採用の経緯やデザイン・施工面での工夫を、事業主様、建築家、そしてDAIKENの担当営業の3人にお話を伺いました。

  • お話を聞いた方々

  • 橋本健
  • (左より)
    設計:環境計画スタジオ 一級建築士事務所 建築家/一級建築士
    橋本 健 氏

    事業主:特定非営利活動法人PLUS 理事長
    酒井 裕次 氏

    担当営業:大建工業株式会社
    妹尾 浩次

豊富な色・サイズのルーバーが、天井を豊かに彩る

SEABRIDGEを訪れた人を室内にいざなうように天井に設けられているのがルーバー。光の加減で美しい濃淡の表情が生まれ、空間デザインにメリハリを与えてくれる存在です。「さまざまな種類のルーバーを組み合わせれば空間全体に変化を生み出せ、デザインの可能性も広がります。そういった点でDAIKEN のルーバーは幅、奥行き、色柄など豊富なラインアップがあります。トータルコーディネートの点から、DAIKENの『グラビオシリーズ』を選びました」と橋本氏は話されます。

中央廊下の天井配したルーバーは、直付けではなくあえて15cm吊り下げて施工。心地よいゆらぎを演出しています。奥のカウンターでは直付けのルーバーと直角に交錯させて変化や奥行き感を楽しめるように工夫しています。 ※グラビオルーバーは壁面や天井面への直付け、下地材への固定が標準施工方法となっています。 本物件では、施工会社様でのご検討、工夫により、吊りボルトによる施工を実現しています。

本来は天井直付けが正施工のルーバーですが、今回吊り下げて施工するにあたり、安全性にはひときわ配慮。梁からのボルトではなく、躯体から直接吊り下げるように施工会社で工夫して施工しています。さらにDAIKENの中空構造のルーバーは軽量なので、来館者が安心して過ごせる空間になっています。

渚の交番

海に面した開口部からSEABRIDGE 内部へとつながる通路の天井に設置されている、吊り下げ式のルーバー。2色を組み合わせ、空間に変化や奥行き感を演出しています。

渚の交番

奥のカウンター横の天井ではルーバーを整然と配置。目線をそのまま開口部へといざなうように、壁面まで伸ばしています。照明器具をルーバーの間に隠蔽し、シンボルの“錆和紙アート”を照らしています。

ルーバーと天井材の相乗効果で、心地よい空間に

ルーバーと天井材のコーディネートも、デザインのポイントになっています。「人の目は無意識に空間全体を見ている」と語られる橋本氏は、天井材のチョイスにもひと工夫しています。木目柄の天井材にはルーバーと同じ『グラビオシリーズ』を採用。ルーバーのある部分にはグレーのモルタル調の製品を組み合わせ、ウッディなルーバーによってモノトーンが美しく引き立つようにコーディネート。その他の部分にはルーバーと色柄を合わせた木目柄の天井材を選ばれました。また一部には吸音効果のある『ダイロートン』も組み合わせることで空間全体の「音環境」にも配慮しています。

実際に仕上がった空間について酒井氏は「当初はさまざまな製品を組み合わせると聞いて、ごちゃごちゃしないかと不安もあったのですが、調和の取れた素敵な空間に仕上がりました。天井高4mの空間では、むしろルーバーはアクセントとして欠かせない存在。朝に夕に、ルーバーの間から差し込む光と陰影が本当に美しくて、スタッフも優雅な気持ちになっているのではないでしょうか。音環境についても、ルーバーと吸音材(天井材)の組み合わせが効果を発揮していると感じています。先日、有名なバイオリニストを招いて『渚の音楽会』を開催したのですが、音がきれいに届いて良かったとプロの音楽家からも太鼓判をいただきました」とうれしいエピソードを教えてくださいました。

渚の交番

ルーバーと同じ『グラビオシリーズ』で統一した天井材。ルーバーのある場所にはモノトーンのモルタル調の材料を、ルーバーのない部分には木目調の天井材『グラビオUB』を組み合わせています。

作り手の想いが詰まった空間は、人と人の新たな接点に

渚の交番

平日の午前中には小さなお子さんを連れた方が、午後になると活発に駆け回る子どもやご年配の方が、そして休日にはさまざまな地域から来られた観光客・サイクリストが訪れ、思い思いに過ごしながら海を感じている「渚の交番 SEABRIDGE」。偶然隣り合わせた人同士、何気ないおしゃべりから交流が生まれています。あらためて3者にこの建物に込めた想いをお聞きしました。

渚の交番

酒井氏
「頭の中に『こんな施設にしたい』という構想はありましたが、私一人ではできませんでした。設計を担当してくださった橋本さん、建材メーカーとしてDAIKENの妹尾さんが加わってくれたおかげで、思い描いていた建物を完成させることができたと思います。実際にDAIKENが何度も細かな注文に対応してくれたこともあり、ヘリンボーンの床材、ルーバー、府中家具など、それぞれが主張しすぎることなく、調和の取れた空間に仕上がっています。これは私たちが目指す多文化共生や多様化の象徴ではないでしょうか。海を接点として、この場でさまざまな分野のプロが出会い新しい価値がすでに生まれている。今後もこの活動を広げていけたらと思います」

橋本氏
「今回の内装については、DAIKEN製品の新たな使い方やつくり方の提案をさせていただきましたが、製造部門と営業部門がしっかりと連携し、柔軟に対応してくれました。そういった面でもSEABRIDGEは計画から設計、施工へと『新しい価値創造』の場になってゆきました。DAIKENの高い商品力に対応力が加わり、空間のポイントとなるデザインを実現することができました。今回の成果をぜひ今後に活かし、設計者の想いを今まで以上に具現化するパートナーになってもらえたらうれしいですね」

妹尾氏
「事業主である酒井氏、設計を担当された橋本氏の想いを直にお聞きし、『なんとか実現したい!』と奔走した日々を乗り越え、実際に完成した空間に私自身も感動しています。現場でDAIKEN製品がどのように使われているのか、どのようなニーズ・課題があるのかなどをプロジェクトに参加することで多くを学ばせていただきました。ありがたいことにSEABRIDGEにはDAIKEN製品がたくさん採用されています。DAIKEN社員にもぜひこの空間を訪れ、新たなビジネスのヒントを感じ取ってほしいと思います」

村上海賊が活躍した時代からさまざまな人とモノが行き交い、独自の文化を育んできた尾道市・因島。島の北部、瀬戸内海に面して立てられた「渚の交番SEABRIDGE」は、現代と未来の新しい価値を生み出す新しい“文化の寄港地”として多くの人が集い、愛される場所になっています。

空間に奥行きとくつろぎを生み出す、グラビオルーバーUB、グラビオUB

渚の交番

天井・壁に立体感をもたせて、空間をグレードアップ。現場にあわせた様々なサイズ・色柄に対応可能な不燃造作材『グラビオルーバーUB』。不燃壁材『グラビオUB』と色柄をあわせて統一感のある空間に。

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