より良い社会を目指すSDGsとは?建築業界にできること

SDGs

2022.02.14

最近、「サステナビリティー」というワードをよく耳にしませんか? 持続可能な成長を行っていけるよう、環境負荷などに配慮していこうという考えで、近年、非常に多くの人の関心を集めています。

環境問題も含めて、現在世界が抱えているさまざまな問題に取り組もうという目標が「持続可能な開発目標」=SDGsです。SDGsには各国の政府が取り組み、世界中の企業がSDGsの理念に基づいて行動するようになっています。そしてこの動きは、建築業界にも広がっています。

そこで、今回はSDGsの意味や、建築業界との関係についてご紹介していきたいと思います。

そもそもSDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。2015年9月の国連サミットで採択された国際目標で、貧困や教育、ジェンダー問題、そして環境問題など、あらゆる問題をターゲットとしており、2030年までにそれらを解決することを掲げています。
SDGsと一言にいっても、その内容は17のゴールと169のターゲットで構成されており、非常に細分化されています。ここでは、その大まかなカテゴリーとなる17のゴールについてご紹介します。

1:貧困をなくそう
世界中のあらゆる地域である、さまざまな貧困を解消することを目的としています。

2:飢餓をゼロに
食糧不足による飢餓の撲滅を目的としており、食料の確保や栄養状態の改善などを目指しています。

3:すべての人に健康と福祉を
健康問題や公共福祉の充実を目的としています。医療提供や交通インフラの改善などが含まれています。

4:質の高い教育をみんなに
教育が受けられない環境にある人たちに、学習環境を提供することを目的としています。子どもの教育はもちろん、職業訓練などの学習も含まれます。

5:ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等の達成を目的としており、男女の性差別のほか、性的マイノリティの権利向上なども含んでいます。

6:安全な水とトイレを世界中に
主に衛生環境問題の解決を目的としており、飲料水の確保や、トイレなどの衛生環境の構築、水資源の確保などを目指しています。

7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
エネルギー問題の解決を目的としており、従来のエネルギーからクリーンなエネルギーへの転換と、それらへのアクセス環境の改善を目指しています。

8:働きがいも経済成長も
労働問題の改善を目的としており、雇用機会の創出や、持続可能な経済成長の実現を目指しています。

9:産業と技術革新の基盤をつくろう
経済成長の基盤となるインフラ整備や、技術革新のための研究の活性化などを目指しています。

10:人や国の不平等をなくそう
賃金や人種や性差別などによる、人への不平等や、経済規模などによる国家間の不平等の解消を目的としています。

11:住み続けられるまちづくりを
住環境に関する問題の解決を目的としており、すべての人に住環境を提供するとともに、バリアフリー環境や災害対策、遺産の保護などを目指しています。

12:つくる責任 つかう責任
消費と生産における問題の解決を目的としており、廃棄物の問題や持続可能な原材料の確保などを含んでいます。

13:気候変動に具体的な対策を
気候変動問題に対する解決を目的としており、気候変動の低減と、その影響に対する対策を目指しています。

14:海の豊かさを守ろう
海洋汚染問題の解決を目的としており、海洋汚染の防止・削減、海洋資源の持続可能な開発、海洋生態系の保護を目指しています。

15:陸の豊かさも守ろう
陸上資源や、陸上の生態系、森林資源などへの対処を目的としています。

16:平和と公正をすべての人に
法整備の問題に対処することを目的としており、虐待や拷問、テロや戦争の撲滅などを目指しています。

17:パートナーシップで目標を達成しよう
これらさまざまな問題に対処するために、協力関係を取りやすい環境の構築を目指しています。

どこか環境問題として認識されがちなSDGsですが、実は多種多様で世界的な問題をはらんでいます。では建築業界は、これらの大きな問題にどのように関わっているのでしょうか?

建築業界とSDGsの関わり

SDGs

SDGsが国際的な問題を含んだ大きな目標であることを考えると、建築業界がどのように関わってくるのか、なかなかイメージすることは難しいと思います。
しかし、実はさまざまな形でSDGsに関係しているのです。

建築業界とは、一般家庭の家屋やマンション、アパート、オフィスビルなどの住環境の整備やまちづくりなどに関わる業界。このような役割を考えていくと、SDGsが掲げるゴールの「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」や「11:住み続けられるまちづくりを」などには直接的に関わる部分が多くあります。また、省エネや環境保護などに力を入れる必要性もあり、そうなると「12:つくる責任 つかう責任」や「13:気候変動に具体的な対策を」のゴールとも関わってきます。

さらに、多くの従業員を抱える企業であることを考えると「8:働きがいも経済成長も」にも責任を持つ必要が出てきます。

このように、建築業界にはSDGsの多くの部分で大きな関わりがあり、これらに取り組むことは、現在の社会情勢の中では重要な社会的な責任となってきているのです。

すでに大手のゼネコンなどでは、再生可能エネルギーの利用や、生産効率の見直しなどによる省エネ、バリアフリーを積極的に取り入れたまちづくりなどを実践しています。

発注する側も意識するSDGs

SDGsに対する取り組みを意識しているのは、施工する建築業界だけでなく、発注側も同様です。巨大なビルの建設を依頼する大企業や、まちづくりなどに密接に関わる公共団体などは、発注の段階でSDGsを意識した取り組みを求めるところも多くなってきています。
また、国土交通省などの行政団体は、サステナビリティーを意識した取り組みに対する補助金を導入するなど、さまざまな支援を行っています。

DAIKENとSDGs

SDGs

これまで説明してきたように、SDGsは世界全体の問題を包括した大きな目標と言えます。しかし、ひとつひとつの問題を見れば、どんな企業であろうと必ずなにかしらの責任を負っているもの。そして、問題に対処するのは個人の小さな働きでも十分に貢献することができるのです。掲げられた問題の大きさのあまり、無関心になるのではなく、自分になにができるかを考えていくことが大切です。

大建工業グループでも、私たちの仕事が社会にどのような影響を与えるのかをしっかりと考え、SDGsに対する活動を行っています。
できることから少しずつ、SDGsのゴールを意識していきましょう。