ドアがスムーズに閉まらない! 丁番の調整をしてみよう

家に長く住んでいると、室内にある片開きのドアがドア枠に当たったり、床にこすれるなどしてドアの閉まりが悪い状態になる(あるいは閉められても隙間ができていたりする)ことがあります。
このような場合はドアが傾いている可能性があるので、改善方法としてドアを支えている蝶番(ちょうつがい)を調整することで改善が望めます。蝶番は建築業界では「丁番(ちょうばん)」、英語では「ヒンジ」と呼ばれています。※本記事では以下、丁番(ヒンジ)と表記します。

ここでは、ドアの閉まりが悪い場合にドアの丁番(ヒンジ)を調整した方がいいケースとその調整方法、調整後も不具合が改善されない場合の対処法についてご紹介します。

目次

こんなときはドアの丁番(ヒンジ)の調整を

どのような場合にドアの丁番(ヒンジ)を調整したほうがいいのでしょうか。
ドアの閉まりが悪いケースで最もわかりやすいのが、「ドア本体がどこかに当たる場合」です。ドアが閉まらなくなったり、スムーズに開け閉めできなかったりした場合は、ドア本体がどこに当たっているかを確認しましょう。

次のような状態でドアの閉まりが悪いとしたら、ドアの丁番(ヒンジ)を調整した方がよいかもしれません(いずれもドアが傾いている可能性があります)。

  • 開閉時にドアが左右方向のドア枠に当たる、床にこすっている
  • 開閉時にドアが上下方向のドア枠に当たる、床にこすっている
  • 閉めたときにドアとドア枠の間に隙間ができる

上記の3パターンはそれぞれ丁番(ヒンジ)の調整方法が異なるため、どのパターンなのか確認しておきましょう。

ドアの丁番(ヒンジ)を調整する前に準備しておくこととは

ここからは、ドアの丁番(ヒンジ)を調整する前に準備しておきたい具体的な方法をご紹介します。
まず大前提として、ドアに調整できる丁番(ヒンジ)が付いているか、そして室内ドアの取扱説明書やメーカーのホームページを確認しておきましょう。
丁番(ヒンジ)が破損している場合は、丁番(ヒンジ)の交換を行いましょう。

調整前に確認すること

調整機能がある丁番(ヒンジ)でも、それぞれ調整ネジ・固定ネジの場所が違うため、調整前にドアの情報をもとに正しい場所を確認する必要があります。まずはドアの取扱説明書、説明書がない場合はドアの品番(ドア枠などに明記されている場合が多い)を見て、メーカーのホームページなどで確認しましょう。ドアが古く、品番が確認できない場合や、調整したい丁番(ヒンジ)に関する情報が得られなかった場合は、お近くの業者など専門の方に確認・調整の依頼をするようにしましょう。

ドアの丁番(ヒンジ)調整前に用意するもの法

ドライバー

自分で丁番(ヒンジ)の調整をする場合には、事前準備が大切です。調整作業前に、ホームセンターなどで以下のものを用意しておきましょう。

ドライバー(プラス)

丁番(ヒンジ)についているネジを緩めたり締めたりするのに使います。調整の際には必ずネジのサイズにあったドライバーを使用してください。なお、電動ドライバーはネジの頭をつぶしてしまう恐れがあるので、力の微調整ができる手回しドライバーがおすすめです。

マット

丁番(ヒンジ)調整時にドアを外した場合、床を汚したり傷つけてしまうことがあります。これを防ぐために、ドアの下にあらかじめマットを用意し、敷いておきましょう。

手袋

ドアの角で手を傷つけたり、ドアとドア枠の間に指を挟むなどケガをしないよう手袋を用意しておくと安心です。

道具だけでなく、できれば丁番(ヒンジ)調整作業を手伝ってくれる人手を事前に確保しておくことも大事です。

丁番の調整方法

ここでは一般的な丁番の調整方法について紹介します。丁番には、固定ネジ・前後調整ネジ・左右調整ネジ・上下調整ネジがあります。

<丁番の例>

▲出典:DAIKENカタログ「お手入れノート(ドア編)」

<丁番の調整方法例>

扉を取り外して作業する際の安全上のご注意(必ずお守りいただきたいこと)
  • 扉の転倒に注意してください。
  • 床に傷をつけないようにマットを敷くなど注意が必要です。
  • 扉の取りはずしや取り付けの際は、指挟みに注意し、しっかり保持してください。また、周囲に小さい子どもがいないか、よく確認してください。
  • 扉の転倒を防ぐために、作業は必ず2人で行ってください。
  • 扉を立てかけたままにすると、扉が倒れてケガや破損の恐れがあります。速やかに取り付け直してください。
  • 扉の取り付け後は、取り付けが確実であることを確認してください。不確実な場合、扉の脱落の原因になります。

⑴ ドアを開け閉めして、どの部分が枠に当たっているかを確認する
ドアのどの部分が枠に当たっているかを確認しましょう。
ここでは、下図左側のドアのようにドアノブ側の上部カドがドア枠に当たっている状態を想定し、調整方法をご紹介します。

⑵ 固定ネジを緩め、調整ネジで左右を調整する
まずは丁番の調整を始めるために、固定ネジを緩めます。上部のカドが当たっている場合、丁番は左右方向への調整が必要なため、左右操作用の調整ネジを回転させます。

▲出典:DAIKENカタログ「お手入れノート(ドア編)」

ドアノブ側の上部カドが枠に当たる場合、上図のように上の丁番は吊元(つりもと)側に、下の丁番はドアノブ側に調整します。

⑶ 前後に隙間があれば調整ネジで前後の調整をする
ドアを開け閉めして、下図左側のドアのように下部に隙間がある場合は下の丁番、下図右側のドアのように上部に隙間がある場合は上の丁番の前後操作用調整ネジを回します。
扉を開閉して隙間を確認し、固定ネジを締め直してください。

⑷ 最後に、ドアがドア枠の上部や床に当たっている場合は上下の調整をする

下丁番にある縦方向の上下調整ネジを回し、ドアの上下方向の位置を調整します。すべての調整が終わったら、最後にもう一度固定ネジを締め直し、開閉に問題がないか確認しましょう。

※当社製品ドアは年代により形状が異なり、調整方法が異なります。詳しくはこちらをご参照ください。

※丁番が破損している場合は、丁番の交換を行いましょう。

こんな場合はドアリフォームの検討も

木製室内ドアの取り替え検討時期とはどのくらいでしょうか? 住宅金融支援機構がまとめたマイホーム維持管理の目安では「10~20年くらいを目安に取替えを検討」としています。長く室内ドアを愛用していると、ドアの閉まりが悪いだけでなく見栄えの劣化やドアノブの不具合なども起こる可能性が高くなります。

リフォームの検討目安

ドアの閉まりが悪い状態で次のようなケースに該当する場合は、リフォームの検討時期かもしれません。

  • 丁番(ヒンジ)の調整、交換をしてもドアの閉まりが悪いままである
  • ドアや枠の損傷が激しい
  • 部屋の顔であるドアを変えることで部屋のイメージを変えたい

丁番(ヒンジ)での調整はあくまでも「調整」です。丁番(ヒンジ)で調整できる「調整可能範囲」の幅を超えてしまうと、不具合解消には至りません。また、ドアや枠の経年による損傷も直すことは難しいでしょう。そのような不具合を解消するには、ドアの交換がおすすめです。
また、部屋全体をリフォームする場合でもドアの交換はおすすめです。ドアはインテリアの中で部屋のイメージを決定付ける重要な要素で、必ず通路にあるので注目されやすい部分です。ドアのデザインが変わることで、モダンやトラッドなど部屋の印象も大きく変わるでしょう。

ドア選びのポイントは「色柄のバリエーション」「操作性」「安全性」

せっかくドアを交換するのであれば、自分好みの色が選べて、なおかつ操作性と安全性に優れた商品がいいですね。メーカーのホームページなどを確認して、自分好みの室内ドアをぜひ探してみてください。

※ここに掲載されている情報は2023年12月時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。