床暖房って実際どう選べばいいの?
通電による「電気式」とガスを熱源とする「温水式」の特徴を交えてポイントをご紹介!
~ほかにない床暖房の良さとは~
寒い季節に欠かせない暖房器具。いろいろな種類から、どれを選ぼうかと悩むこともあるでしょう。「火を使いたくないけれど、エアコンは乾燥が気になる。」そんなときは床暖房を検討してみてはいかがでしょうか?
床暖房をつけたとき、現場環境にもよりますが一般的には、足元付近が約30℃、座ったときの頭部付近は約18~20℃となっており、健康に良いとされる「頭寒足熱」の環境を作ります。火を使わないので空気を汚さず、一酸化炭素中毒のリスクを回避します。暖まるときに気流が発生しないため、ハウスダストの舞い上がりもありません。余計な暖房器具を置かない分、空間を広く使えてインテリア性は向上し、収納場所もいらず効率的で快適なのも魅力です。毎日の暮らしを支える「床」。インテリアコーディネート、安全性、お手入れのしやすさ、経済性など、床暖房は目的に応じて選びたいところです。
「電気式」と「温水式」を比較
床暖房は12㎜厚のフロアに熱源が内蔵され、仕上げ材と一体になっているものが主流です。12㎜厚フロアは一般的な木質フローリングと同じ厚さで、バリアフリーにも対応可能となっています。引きずりや凹みキズが付きにくいタイプもあり、キャスター付き椅子や車いすも使用が可能なものもあります(※ただし金属製や球状キャスターには向きません)。さらに、ワックスがけ不要なものであればお手入れも簡単。暖めかたによって「電気式」と「温水式」の2つがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。
- ①電気式床暖房の仕組みと特徴
- 電気式床暖房は、線や面になった発熱体に通電して暖める方式です。
一方で注意しておきたい点もあります。フロア部は蒸気や水分に弱いので、水拭きは控えるようにします。万が一、床面が水に浸ったときには漏電や火災の発生する恐れがあり、電気工事会社による点検や修理が必要となります。ランニングコストは「温水式」に比べて高めの傾向にあります。 - ②温水式床暖房の仕組みと特徴
- 温水式床暖房は、配管部材とヒーターパネルによって構成されており、樹脂製の温水パイプに温水(水や不凍液)を循環させて暖める方式です。熱源機はガス給湯器や灯油ボイラー、ヒートポンプ式から選ぶことができます。とくにヒートポンプ式は「床暖房専用タイプ」のほかに「エアコンタイプ」「給湯タイプ」もあり、目的・用途に応じてさまざまな組み合わせができます。作動時の立ち上がりは速いので、すばやく暖まり温度ムラがないのも「温水式」の特徴です。
その一方で注意しておきたいのは、定期メンテナンスが必要であることです。「温水式」は1年に1回程度の不凍液補充のほか、熱源機の老朽化にともなう交換も必要な場合もあり、計画的にメンテナンス資金を準備しておく必要があります。また、リフォームでは既設配管の状況や、お使いの熱源機で容量をまかなえないときには、ワンランク大きな容量の熱源機が必要になるなど設置工事がやや複雑な面もあり、初期にかかる費用は「電気式」よりも高めとなる傾向です。 - ③気になる光熱費 ランニングコストが安いのは「温水式」
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つぎは、それぞれの光熱費を比較してみましょう。
【温水式床暖房のガス代の目安】
ガス代の目安は次の通りです。ガス代の算出基準は、東京ガス2018年1月の「暖らんぷらん」(20m3超80m3まで)を参考に、1日8時間連続運転で(13A)108,98円/m3の実測値を元に算出したものです。設置率が68%~79%と幅がありますが、全体的に「電気式床暖房」よりも光熱費が安くお得になることがお判りいただけるでしょう。
- 8畳 (関東間:12.2㎡)設置率:68% 約133円
- 12畳 (関東間:18.5㎡)設置率:75% 約186円
- 18畳 (関東間:28.0㎡)設置率:73% 約285円
※金額は全て目安になります。実際の現場状況や時期によって価格は変動します。詳しくはお近くの施工店様にご相談ください。
※ここに掲載されている情報は2023年10月23日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。