ドアの幅や高さの測り方
大型家具・大型家電製品の搬入や車椅子の利用に必要なサイズは?

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大型家具や大型家電製品を部屋に搬入する際、室内ドアの幅がせまくて「入らない」というケースは少なくありません。同様に、自宅内で車椅子を使用したい時に「通れない」といったことも起こります。こうした問題を解決するためには、ドアの幅を正しく測り、最適な広さを確保することが大切です。ここではドア幅の測り方についてふれながら、どれくらいのスペースが必要になるのかをケースごとにまとめました。また、ドア幅を広げるための方法として、リフォーム用ドアもいくつかご紹介します。

ドアの幅はどうやって測る? 家具家電の搬入や車椅子の利用に必要な幅は?

搬入する際にドア幅を知りたい時は、どこを測ればいいのでしょうか?
正解は扉そのものの幅ではなく、扉枠の内側の幅です。

ドアの幅はどうやって測る? 家具家電の搬入や車椅子の利用に必要な幅は?

まず、メジャーを用意して、扉を開けた状態で、枠内の上部・中央部・下部の3ヵ所を測ります。サイズが異なる場合には、最も小さいサイズを採用します。このサイズを「有効開口寸法」といいます。

さらに、枠内でドアの高さを測ります。これでドアを開けた時にできるスペースの大きさがわかります。

※ドアリフォームをする場合などは、測る場所が異なり、ドア枠の見付けを含めた形で測ります。見付けとは枠の正面部分で、取り付けた際に外から見える部分のことです。一般的なドアのサイズとは見付けも含めたサイズとなり、リフォームするときはこの見付け寸法が重要となります。

この他に、搬入場所への通り道となる、玄関、廊下、階段、エレベーター入口などの幅も測っておく必要があります。どの部分も搬入する家具・家電の幅+10~20cmぐらいの幅を確保したいところです。

大型家具や大型家電製品を搬入する時に必要なドア幅は?

大型家具や大型家電製品を搬入する時に必要なドア幅は?

ドアを含めた搬入経路の幅をチェックしたら、今度は搬入を検討している家具・家電の幅・高さを確認し、運び入れられるかどうかを考えましょう。

冷蔵庫や洗濯機の中には90㎝幅の商品もありますので、ドア以外の搬入経路となる玄関、廊下、階段などの幅もチェックしておきたいところです。なかでも注意したいのは階段幅です。直線タイプの階段なら問題は起こりにくいものの、踊り場の天井が低かったり、面が狭かったり、螺旋階段の場合だと搬入しづらいケースも出てきますので注意が必要です。

車椅子を室内利用する時に必要なドア幅は?

車椅子を室内利用する時に必要なドア幅は?

車椅子には電動式や手動式、さらには自走用や介助用など、いくつかのタイプがあり、サイズもそれぞれ異なります。JIS規格では手動も電動も「全幅700㎜以下」と規定され、全幅550~700㎜のものが一般的です。自走する時の肘の張り出しや、介助者のスペースを考慮すると、ドア幅の有効開口寸法は750~800㎜以上あるとよいでしょう。

また、車椅子ユーザーに適したドアとして、開き戸の動線にはスムーズとは言えない面があります。扉幅の分だけ前後に移動しないと開閉できなかったり、転倒した際にドアが当たって開けられなかったりとデメリットが生じるからです。したがってバリアフリーリフォームでは、引き戸への変更でよりスムーズな動線が得られます。

ドアの開口幅をとれるようにするには?

ドアの開口幅をとれるようにするには?

こうした問題の解決方法としては「リフォーム」も選択肢のひとつと言えるでしょう。ドアのみを交換したり、ドア枠ごと交換したりなど、リフォームは用途やご要望に応じて様々なパターンがあります。最近では、既存のドア枠をそのままにして、外に扉を取りつけるアウトセット吊戸もあり、壁を取り壊す必要がないうえに短い工期で仕上がります。ここでは、引き戸、吊戸、アウトセットの3種類についてご紹介していきます。

引き戸にリフォームするメリットとは?

引き戸(引戸)は、に設置したレールの上を水平方向にスライドして開閉する扉です。扉を収納するためのスペースが必要ですが、複数枚の扉が連動するものもあり、開き戸よりも有効開口寸法を取りやすくなります。開閉する時に扉が邪魔にならず、少ない動作で開閉できるので、車椅子ユーザーや高齢者にも安心です。

段差ゼロ・通り抜けしやすい吊り戸

吊り戸は、上部に吊レールを取り付けるため、にレールの溝がありません。したがって足元の段差がなくフラットです。引き戸と同じように、扉を収納するためのスペース確保が必要ですが、引き戸と同じく複数の扉が連動するものもあり、広い開口幅を確保したい時にオススメです。

※一部、大きな開口に設置する際、扉の振れ止めを目的に、段差の少ないレールを設置する場合もあります。

省施工でリフォームできるアウトセットタイプ

「あまり大掛かりな工事にしたくない」。そのような場合には、アウトセットタイプの吊戸がオススメです。この扉は壁の外面に上レールを取付ける省施工タイプです。既に開口ができあがっている箇所にも施工可能で、開き戸だったドアを吊戸に変更するなどのリフォームにも幅広く対応できるところがメリットと言えるでしょう。

有効開口寸法は、一度正確な幅を測ってスマートフォンなどに記録しておくと、何か大きなものの購入を検討する際などに確認できるので便利です。

また、これから新しく家を建てる際や、大規模なリフォームを考えている場合は、大型の家具・家電を導入することも想定して、室内ドアや搬入経路となる場所の幅に余裕を持たせた造りにしておくと良いかもしれません。

リフォーム時にドアの高さや幅が合わないときの対処法

リフォーム時にドアの高さや幅が合わないときの対処法

前述のとおり、ドアの高さや幅を測るにはその目的に応じた測り方をするのが大事です。ただ、ドアをリフォームする際、既存のドアの高さや幅を測っても目当てのドアの製品カタログにぴったりの寸法でない場合、せっかく好みのドアが見つかったとしても注文できないと考えてしまうかもしれません。

しかし、カタログに表記されているドア製品の幅と高さは絶対的な寸法とは限りません。ドアの高さや幅が自宅ドアの寸法と少しずれている程度なら、扉の下部分をカットするなど、オーダーメイドサイズのドアを注文できる場合もあります。

もちろん、カタログサイズとドアの寸法に大きな違いがあれば対応できませんが、どれぐらいの調整が可能かは製品によって異なります。好みのドア製品を見つけたらどれぐらい寸法に融通が利くのか、カタログ内の連絡先に相談するとよいでしょう。

取り付けたドアの高さや幅が合わないと感じるときは、ぴったりの寸法のドアを注文したにもかかわらず、取り付けてみるとドアが枠とぶつかってしまい、高さや幅が合わないように感じることがあるかもしれません。このようなトラブルはドアの寸法ではなく、傾きが原因の場合もあります。
ドアの傾きは丁番(ドアを支えているパーツ)の調整ネジを回転させることで調整できます。調整ネジには左右方向の位置を調整するものと、上下方向の位置を調整するものがあります。
ドアの幅が枠にぶつかる場合は「左右方向」の調整ねじを、ドアの高さが合わないように感じる場合は「上下方向」の調整ねじを使うことで、ドアの開閉具合が改善するかもしれません。

ただし、ドア選びはともかく、施工自体は技術や微調整が必要になるため、なかなか難しい作業です。ドアのリフォームを検討しているなら、寸法の間違いや取り付け時の失敗がないよう、あらかじめ工務店などに相談してみましょう。

※ここに掲載されている情報は2024年8月時点のものであり、最新の情報と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。