

畳のヘリとは?
踏んではいけない5つの理由や色柄の種類について解説
「畳のヘリ」とは、畳の縁を補強するために付けられている布を指します。畳のヘリを踏んではいけないとよく言いますが、詳しい理由は案外知らない方も多いでしょう。本記事ではヘリを踏んではいけない理由や、色柄のバリエーションについて解説するので、ご自宅に畳を導入する際の参考にしてください。
目次
畳のヘリとは?
「畳のヘリ」とは、畳の縁の部分に帯のような布を取り付けることで補強している部分です。正式には、畳縁(たたみべり)と呼びます。ヘリを付けることでイ草が直接擦れて傷んでしまうのを防げるため、畳同士を網目のようにつなぎ合わせることができるのです。また、ヘリには着物の帯のように様々な模様や色があり、畳を個性的に演出する装飾のような側面も持っています。
畳のヘリを踏んではいけない5つの理由
「畳のヘリを踏んではいけない」とよく言われるのには理由があります。ヘリを踏んではいけない5つの理由を通して、畳への理解を深めていきましょう。
畳が傷んでしまうため
ヘリは繊細な素材でできています。元々は植物染めという手法で染められており、色落ちしやすいことに加え、耐久性が低いため傷みやすいという特性がありました。畳をできるだけ長持ちさせるためには、傷みやすいヘリの部分を踏まないように気を付ける必要があったのです。しかし、現代では耐久性のある丈夫な畳が多く販売されているため、昔ほどヘリに注意する必要はなくなりました。
躓かないようにするため
ヘリは、畳同士の接合部分です。時間が経つと畳は浮き上がったり段差ができたりとヘリ部分が合わず、凸凹してくることもしばしばあるため、躓きかねません。お茶を入れたお盆などを運ぶときは特に危険です。そのため、あらかじめリスクを回避するために、昔からヘリを踏まないように歩くことを徹底していたのです。
上座と下座を分けているため
日本には昔から、偉い立場の人が上座に座り、下位の者が下座に座るという決まりがあります。和室では奥側が上座で手前側が下座というルールがあり、畳のヘリが両者の境界線として作用します。境界線であるヘリを踏んでしまうと、上座にいる位の高い人への礼を欠き、格式に反していると見なされるため、礼儀として踏んではいけないとされていました。
相手への侮辱になってしまうため
ヘリには、「紋縁(もんべり)」と呼ばれるタイプのものがあります。紋縁とは、家紋をあしらったヘリのことを指しており、武士の屋敷などで広く用いられてきました。家紋を踏むと家に対する侮辱と見なされ、無礼にあたります。家の格式を重んじていた武士の時代の名残が、今も受け継がれているのです。
攻撃から身を守るため
武士のいた時代では、畳の間から槍や刀を差し込まれ、床下から攻撃されることがありました。そのため、敵の攻撃から身を守るためには、ヘリを踏まない方が安全だったのです。また、刃物が刺さらないようにするためだけでなく、ヘリを踏むことで漏れる光や音から自分の位置を相手に知られないようにする目的もありました。
畳のヘリの色柄
畳のヘリが持つ色柄は、家の格式を示す役割も担っていました。なかでも代表的な3種類について紹介します。
繧繝縁
繧繝縁(うんげんべり)は、天皇・三宮・上皇が使う畳に用いられたヘリで、最も格式高い種類です。朱・青・緑・紫などカラフルではっきりした色の中に、ひし形や花菱などを使った伝統的な文様をあしらいます。
高麗縁
高麗縁(こうらいべり)は、親王・摂関・大臣などの上級職に就く人たちが使う畳にあしらわれたヘリです。白地に黒のシンプルな色合いで、雲や菊の花などの文様があしらわれます。
高麗縁は、「大紋高麗縁」と「小紋高麗縁」に分類され、それぞれ使う役職が異なっていました。大紋高麗縁は今でも神社仏閣や茶室などで確認することができます。
紫縁・黄縁
聖徳太子の時代に作られた位階制度の中で、「殿上人」のうち四・五位の人が使ったのが紫縁(むらさきべり)です。殿上人は、天皇が過ごす清涼殿の殿上間という場所へ昇ることを許されている位の高い人たちでした。対して黄縁(きべり)は、紫縁よりも低い六位以下の人たちが用いたヘリです。
ヘリなしでも傷みにくく丈夫なDAIKENの畳建材
ヘリは畳が傷まないようにカバーする目的で付けられていましたが、現代では丈夫な材質が増えてきています。DAIKENの畳建材「ここち和座 敷き込みタイプ」は耐久性が高く、ヘリがなくても傷みにくいのが特長。畳おもての色柄バリエーションも豊富で、厚さ12㎜と通常よりも薄いためカッターナイフでカットでき、専用施工部材を使ってお部屋にきれいに納めることができます。普通の和室とは一味違ったオリジナリティを求める方はぜひ参考にしてください。
清流(せいりゅう)

「清流」は、畳おもてのカラーが6色あり、豊富なバリエーションを揃えています。いずれも優しい色合いのため、オリジナリティを発揮しつつも落ち着いた空間を演出することが可能です。また、色柄だけでなく機能性にも優れており、撥水性やカビへの抵抗性、傷や摩擦への耐久性などが高いため、長く愛用していただけます。
彩園(さいえん)

落ち着いた空間を畳で演出したいなら「彩園」がおすすめです。カラーバリエーションは6色。平織りを採用し、2色の緯糸を使用することで現代にマッチする和の雰囲気を醸し出します。撥水効果によりシミができにくく、カビを抑制する上、紫外線による色褪せも防いでくれるところも魅力です。
畳のヘリで個性を演出するならDAIKEN製品がおすすめ
畳のヘリには、日本の文化や伝統が詰まっていますが、最近では「ヘリなし畳」も人気です。ヘリのない畳を導入することで、おしゃれな和モダン空間を創り上げることができ、個性を発揮することができます。
畳を活用してオリジナリティ溢れるお部屋にしたい場合は、機能性にも優れたDAIKENの畳建材「ここち和座 敷き込みタイプ」をお試しください。きっとお気に入りが見つかるはずです。
※ここに掲載されている情報は2022年9月2日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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