階段の踊り場の必要性とは?
設置する意味や寸法、活用法など

そもそも階段の踊り場とは?

踊り場は階段の途中に設けられた平らなスペースです。一般家屋では階段の折り返し点になっています。

踊り場という名前の由来

踊り場と呼ばれるようになった理由については、西洋で階段を折り返す際に女性のスカートが揺れ、ダンスを踊っているように見えたという説が有力視されています。かつて日本家屋の多くは平屋建てが主流で階段自体がなかったことも、西洋の概念が起源とされる要因です。
江戸時代頃から出現する宿場や高台にある天守閣などでは、階段ではなく「はしご」や「はしご段」という名称が使用されており、日本で踊り場が登場するのは明治になってから。西洋建築の普及とともに広がったのが、階段の踊り場でした。

住宅における踊り場の設置基準

踊り場の位置 高さ4m以内ごと
階段と踊り場の幅 75cm以上
階段一段(蹴上)の高さ 22cm以下

踊り場は、建築基準法で階段の寸法に対する設置規定があります。具体的に言えば階段の高さが4m以上ある場合は、4mごとに踊り場を設ける必要があります。また、階段と踊り場の幅は75㎝以上と定められています。

施設別の階段の高さ・踊り場の幅など寸法の規定

施設別の階段の高さ・踊り場の幅など寸法の規定

先に紹介した階段の高さと踊り場の関係性は、一般住宅における設置基準です。

施設によっては階段のより低い位置に、より広い踊り場を設置する必要があります。階段一段(蹴上)の高さ、踊り場の幅などの寸法について施設別に紹介します。

階段の種類 踊り場の位置 階段と踊り場の幅 階段一段(蹴上)の高さ
小学校の児童用の階段 高さ3mごと 140cm 以上 16cm以下
中学校、高等学校の生徒用、又は物品販売業で床面積合計が1500㎡を超える店舗、劇場、映画館、演芸場等の客用の階段 高さ3mごと 140cm 以上 18cm以下
直上階居室床面積の合計が200㎡を超える地上階、居室床面積の合計が100㎡を超える地階 高さ4mごと 120cm 以上 20cm以下

参考:建築基準法施行令(第二十三条、第二十四条)

建築基準法によって定められた階段の高さや踊り場の幅などの寸法は、あくまでも最低値です。安全性を高める場合は、より余裕のあるサイズで見積もっておく必要があるでしょう。

階段の寸法についてさらに詳しく見る

階段に踊り場を設置する意味とは

踊っているように見えることから踊り場と呼ばれるスペースですが、機能上の観点から見て設置することにどのような意味があるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

方向転換

一般住宅の踊り場は方向転換するために設けられています。踊り場を作ることで、間取りを有効に活用できます。

安全性の向上

踊り場は、万が一足を踏み外した時のセーフスポットとして意味があります。直線の階段では途中で転ぶとそのまま階下まで落ちてしまい、大けがにつながる危険性があります。階下までの落下を防ぐ踊り場は、安全上重要な意味があります。

昇降時の負担軽減

踊り場では、階段昇降の小休止をとることができます。特に高齢者にとって、階段の上り下りは足や腰の負担となります。踊り場でワンクッション置くと体への負担を軽減できます。

スペースの活用

踊り場があれば、踊り場自体や階段下のスペースを意味のある形で活用できます。踊り場に余裕がある場合は、本棚やチェアなどを設置してちょっとしたくつろぎスペースに。階段下は、クローゼットや物置として収納スペースを設けることができます。

階段踊り場の活用方法

階段の踊り場にできるスペースを有効利用して、ボーナスエリアを構築してみましょう。踊り場を意味のあるものとして有効活用できるおすすめ利用法をご紹介します。

収納スペースにする

踊り場に余裕がある場合は、階段下に収納スペースを増築することが可能です。ハンガーパイプや棚、扉などを設置することで、クローゼットや物置のような使い方ができます。

書斎にする

踊り場の壁面を書斎に変身させてみましょう。窓付きの踊り場なら外の景色や天気を楽しみながら、読書などを楽しめるでしょう。

踊り場にプラス より安全性を高めるための階段設備

踊り場にプラス より安全性を高めるための階段設備

踊り場は階段の安全性を高める意味のある設備です。高齢者や子ども、ペットが上り下りする階段には転倒や落下を防ぐための工夫を施したいものです。より安全性を高めるため、踊り場にプラスして使いたい階段設備をご紹介します。

手すり

手すりは、階段を上り下りする際に体を支えてくれる大事な設備です。躓いた時なども手すりを掴めば転倒せずに済みます。実は踊り場と同じく手すりの設置についても建築基準法(第二十五条)によって定められており、高さ1m以下の階段部分を除き、階段には手すりを設置する必要があります。

ノンスリップ

階段の先端に付いている滑り止め加工された部分をノンスリップと言います。ノンスリップには、階段の先端を目立たせる役割もあります。屋外の階段などで黄色いライン状のノンスリップを見たことがあるという人もいるでしょう。住宅用の階段素材にもノンスリップ溝という滑り止め加工を施した製品があります。

滑り止めマット

階段に敷く滑り止めマットも転倒防止に役立つアイテムの1つです。階段の安全性を高めるだけでなく、足元の寒さ防止や階段素材の保護にもつながります。既存の階段に置くだけで済むので、手軽に転倒対策ができます。

安全ネット

手すりと手すりの間に隙間があると、そこから子どもやペットが転げ落ちてしまう危険があります。これらの防止には隙間に設置できる安全ネットが便利です。スケルトン階段の安全向上にも役立ちます。

DAIKENのおすすめ階段建材

踊り場についての意味や活用方法など解説しましたが、新築や階段そのもののリフォームをお考えであれば、DAIKENの階段建材はいかがでしょうか。踊り場の活用方法に関する建材ではありませんが、意匠性・機能性に優れたおすすめ建材です。

ハピア階段 ベーシック柄

DAIKENのハピア階段ベーシックは、ノンスリップ溝を大型化し、R面取りした安全設計の階段建材です。U字の階段折り返しで踊り場を確保するプランも可能なため、壁面収納やギャラリーの設置、階段下収納などが増築可能。インテリア性と実用性を兼ね備えた柔軟性が魅力です。

ハモンド

DAIKENのハモンドは、ゴム集成材から形成された木質感が特徴の階段建材です。緩やかな勾配に設計も調節でき、階段昇降の負担も解消できます。踊り場のコーナーをしっかり確保する正方形のプランは小休止がとりやすく、本棚や収納エリアとしての利用価値も広がります。

安全性やデザイン性を考慮したDAIKENの階段建材がおすすめ

踊り場を設置する大きなメリットとしては、上り下りの負担軽減を含む安全性の確保やデザイン性のアップなどが挙げられます。

DAIKENでは、安全に配慮した上質な階段建材を数多く取り揃えています。どれも実用性やデザイン性に優れた階段建材なので、使い勝手の良い階段にしたい方、階段の印象を変えたい方におすすめです。階段に関してお悩みの方は、ぜひ一度DAIKENにご相談ください。

※ここに掲載されている情報は2024年1月時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。