プライバシーと個人情報はどう違う? プライバシーの侵害を防ぐためにしておくべきこと

プライバシー

高度にネットワーク化された現代、様々な場面でプライバシーや個人情報の保護が重要視されています。
普段から耳にする「プライバシー」と「個人情報」は、一見同じもののように思えますが、正確には異なる意味合いがあります。
そこで本記事では「プライバシー」と「個人情報」の違いを紹介しつつ、医療現場のプライバシーを守るための環境づくりについてまとめていきます。

プライバシーと個人情報、それぞれの意味は?

プライバシー

「プライバシー」と「個人情報」は同じニュアンスに捉えがちですが、意味が異なる用語です。
どのような意味なのか、それぞれ詳しく解説していきます。

プライバシーとは「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由(*)」のことだと考えられています。
※出典:総務省「プライバシー情報の取扱い」

よく言われるプライバシーの侵害とは、具体的には、本人の許可なしに私生活や私事が公開されたり、私事が他人に営利的に利用されたりすることなどが挙げられます。皆さんも他人に知られたくない私事や私生活はありませんか? そのように他人に覗き見られたり公開されたくないものごとが、プライバシーに該当します。
プライバシーはあくまでも個人の権利であり、本人の主観が求められます。

一方、個人情報保護法における個人情報とは「生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できる情報(※)」をいいます。
※出典:政府広報オンライン「「個人情報保護法」をわかりやすく解説 個人情報の取扱いルールとは?」

具体的には、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、氏名や社名が含まれるメールアドレスなどが挙げられます。そして、防犯カメラに記録された映像や履歴書などに記載された雇用管理情報など、特定の人物であると判別できる内容も個人情報に含まれます。
個人情報は、客観的に判断できるところが特徴です。

プライバシーと個人情報の違いは?  

「プライバシー」と「個人情報」の違いを理解するために、郵便物を例に挙げてみましょう。

郵便物の場合「個人情報」と「プライバシー」、どちらに該当するのでしょうか?
住所や宛名は生存する個人に関する情報で、特定の人物を判別するため「個人情報」に該当します。
一方で、郵便物の中身は他人に干渉されたくないものなので「プライバシー」に該当する場合が多くなります。

これらのことから、個人情報は個人を特定できる明確な情報であることがわかります。しかし、プライバシーは個人を特定する情報ではありません。あくまでも、プライバシーは他人に知られたくないという個人の“権利”であり、人の主観が入ります。

個人情報は「客観的な情報」であるのに対し、プライバシーは個人の「主観的な権利」であるところが相違点です。

医療の現場で注意したいこと

プライバシー

医療の現場では、患者様の個人情報の取り扱いやプライバシーの保護には注意や対策をとることが求められます。

これは、必ず患者様の個人情報である「氏名・性別・生年月日・住所・電話番号」などを取り扱うため、個人情報が流出しないよう、事務処理やネットワーク上の個人情報保護の対策が不可欠な場だからです。
特にカルテには、患者様の病名や病状なども記載されているため、情報の流出はプライバシーの侵害につながるおそれもあり、個人情報やプライバシーの流出を防ぐためにも、厳重な管理が求められるでしょう。

また、患者様の個人情報やプライバシーの保護は、事務処理だけでなく医療現場の受付や診察室にも必要です。
診察室では、医師や患者様の話し声が外に漏れないことや、外部から見られないようにすることなどが求められます。患者様の個人情報やプライバシーの保護のために、音漏れに配慮した室内ドアの設置などを検討してみてはいかがでしょうか。
下記の記事では、医療現場におけるプライバシー保護のための、より具体的な音漏れ対策についてご提案しています。こちらもぜひご覧ください。
⇒「個人情報を守るために抑えておきたいプライバシーへの配慮

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