クリニック・医院・診療所の名称はどんなものが人気? 集患・増患につながる名称の付け方と設備導入

クリニック・医院・診療所

クリニック・医院・診療所にとって、施設の名称は開院した地域住民の認知度アップや、インターネット検索されることを想定した対策の面でも重要な要素です。語呂や響きの良さで施設名を決めるのも一つの方法ですが、より認知しやすい名称にすることが、地域住民への意識付けや集患の近道となります。
本記事では、クリニック・医院・診療所の効果的な名付け方と、地域住民に満足してもらえる施設環境づくりを紹介します。

現代のクリニック・医院・診療所の名付け方を考える

スマートフォンやPCを日常的に利用することが当たり前の現代では、新規患者様のほとんどが、病院やクリニックを探す際に、インターネット検索を利用されることが多いと考えられます。

そのため、クリニック・医院・診療所の名称を決定する際も、インターネット検索を意識したものにすることで、集患・増患に繋がる可能性が高まると言えるでしょう。

●検索されやすい施設名を考える

クリニック・医院・診療所

例えば、腹痛で受診しようと近隣のクリニック・医院・診療所を検索する場合、患者様は「地域名+腹痛 or 内科」や、「地域名+病院 or クリニック」などをキーワードにすることが考えられます。

しかし、ほとんどの地域では大手口コミサイトなどが検索結果の上位に表示されてしまいます。自院のホームページや地図上の表記を見るよりも先に、口コミサイトで探し始めることは十分にあり得ることです。
口コミサイトには膨大な数の病院・クリニックが登録されており、その中から患者様に自院の名前を見つけてもらう確率は決して高くないでしょう。

このようなハードルに関する対策方法としては、検索している患者様が欲しがっている情報を名称に盛り込むという手があります。診療科目や専門分野を明示したり、内科ではなく消化器内科と表記したりするなど、より具体的に示してある名称の方が目に留まりやすくなります。
膨大な検索結果の中から、最適なクリニックかどうかを瞬時に判断できる名称は、すぐに診てもらいたい患者様にとっても大きなメリットです。

また、地域名や最寄りの駅名を名前に盛り込むと、近隣住民の方に見つけてもらいやすくもなります。現行の検索エンジンでは「地名(駅名)」と「診療科」の組み合わせが上位表示されやすいため、このような名称は検索結果の上位に表示させるという意味でも有効です。

●覚えやすい施設名にする
ただし、インターネット検索を重視した名称は、自院以外のクリニックでも検討するはずです。そのため「地域名+クリニック」や「地域名+診療科+クリニック」といった名付け方は、近隣に似た名称の医院の数が多くなりがちで陳腐化しやすいとも言えるのです。

また、検索結果の上位に表示されやすい名称は、患者様にとって見つけやすいものの、記憶に残りにくくなる危険性も併せ持っています。

近年の検索アルゴリズムではホームページの情報さえしっかり入力されていれば、「地域名」や「診療科」が施設名に含まれていなくても、近隣のクリニックとして表示されます。

そのため、あえて地域名や診療科を外し、覚えやすい名称にするという選択が効果的な場合もあります。ただし、この場合はホームページの情報を充実させ、名称以外のキーワードで検索された時も、上位に表示されやすい条件を整えておくことが必須です。

診療所の名付けに関する様々な規制やルールには要注意

覚えやすく記憶に残りやすい名称を付けるためには、インパクトの強いものにする方法もありますが、その際、診療所の名付けには様々な規制やルールがあるので注意が必要となります。

●医療法・医療広告ガイドラインに抵触すべからず

クリニック・医院・診療所

医療施設の名称は医療法・広告規制のガイドラインによる規制があり、それらに抵触するものは使用できません。

この代表的な例が医療法上明確に区別されている「病院」と「診療所」の区分を無視し、20床以上の入院施設が無いにも関わらず「クリニック・医院・診療所」ではなく「○○病院」と名乗るなどのケースで、当然許可されません。

また、下記の6項目は医療広告に該当するため、これらに関わる名称は使用できません。

・虚偽広告
・比較優良広告
・誇大広告
・主観に基づく治療内容や効果の体験談
・公序良俗に反する内容の広告
・その他 品位を損ねる内容や他法/他法令に関する広告ガイドラインに対する違反

具体的な例として、大学病院の関連でもないのに「○○大学付属医院」と名付けることは虚偽広告に当たります。これ以外にも他院より優良であると示すような「ベストチョイス医院」や、誇大広告に当たる「最先端医療クリニック」、主観に基づく「100%安心診療所」などの名称を付けることはできません。

インパクトの強い名称を付けたい場合は、それが医療法や医療広告ガイドラインに抵触していないか、よく確認する必要があります。

●地域の保健所や医師会による独自のルール
医療法やガイドライン以外にも、地方自治体や管轄する保健所によっては独自の基準を設けて施設名を制約している場合もあるので確認が必要です。例えば「院長の氏名・法人名+クリニック・医院・診療所」のみが許可され、地名の使用が認められないような地域もあるので注意しましょう。

また、開業予定地域の医師会に入会する場合の順守項目も要確認です。名称や標榜科(診療科)に関する制限が設けられていたり、近隣のクリニックと誤解されたりする名称は避けるよう指導される、といったケースも見られます。

しかし、こうした独自のルールは絶対的なものでなく、根拠や交渉次第で例外的に認められるケースもあるようです。交渉を行なうことによる労力や時間、医師会や近隣の医院との関係悪化に発展するリスクなどを考慮し、それでも付けたい施設名がある場合は一度交渉してみるもの良いでしょう。

好印象な名称と院内環境で集患・増患

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以上を踏まえた上で患者様の目に留まりやすく、親しみやすい名称を考えることが重要です。

●「クリニック」「医院」「診療所」の中ではどれが人気?
いわゆる診療所の名称としては、主に「クリニック」「医院」「診療所」の3つが使われていますが、この中ではどれを選ぶのが良いのでしょうか。
実を言うと、昔は「医院」が多かったのですが、近年の傾向では圧倒的に「クリニック」が人気となっています。患者様が検索する際のキーワードにも「クリニック」が使用される可能性が高いため、こだわりがないのであれば「クリニック」を選ぶのが良いといえます。

また、施設の名称に院長の名前が入っているクリニックに信頼を感じやすいという患者様は多いものです。その際、院長の名前をひらがな表記にしたり、ほどよく漢字とひらがなを混ぜたりすると、優しく親しみやすい雰囲気を出すこともできます。
例えば「田中クリニック」よりも「たなかクリニック」や「田中ひまわりクリニック」の方が親しみやすさを感じ、お子様や女性の患者様にも抵抗なく受け入れてもらえるのではないでしょうか。

もし、開業予定の地域で医療施設名称のルールも問題ないのなら、ガイドラインに抵触しない言葉の中から文言を選び、施設名に盛り込むのも効果的です。

これと同じく診療科名も時代に合わせた工夫が必要です。近年は小児科をキッズクリニックやこどもクリニック、婦人科をレディースクリニックとする医院が増加の傾向にあります。小児科や婦人科といった診療科が限定されるクリニックでは、施設名に入れる診療科も現代的で目に留まりやすく親しみやすいものにすると良いでしょう。

●良好な口コミやレビューも集患・増患には大事
口コミサイトでの評判やレビューも施設名と同様に集患の大きな要素です。近年では飲食店から家電に至るまで、ありとあらゆるものがユーザーから評価されていますが、病院やクリニックもこれと同じで、患者様から評価される時代であると言えます。

診療内容はもちろん、スタッフの接遇や疾患や治療をわかりやすく説明したり、待ち時間を快適に過ごしていただけるように、デザイン性の高い内装材で雰囲気の良い院内環境づくりをしましょう。

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例えば、同じ空間でも壁材の一部にエンボス加工でリアルな陰影や素材感のあるものを使用すると高級感が演出できます。
天井も同様で、立体感があって人気のルーバーデザインを採用すると天井が高く感じ、施設をおしゃれでスタイリッシュに見せることができます。

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来院した患者様にとって待合室での時間は往々にして長く感じてしまうものですし、診察室の雰囲気は診療内容全体の印象にも大きく関わります。
内装にこだわった雰囲気の良いクリニック・医院・診療所は、患者様にまた来院したいと思われやすく、良好な口コミやレビューにもつながります。
集患を促す施設名にこだわるように、院内の環境にこだわるのも、クリニック・医院・診療所の認知度を上げる有効な方法といえるでしょう。

医療施設にとって口コミがいかに重要なのかは、下記の記事でもまとめていますので、こちらもチェックしてみてください。
「病院とクリニックの違いとは? どちらにも共通する医療現場の美観の大切さと口コミ対策」

また、診療科にあわせた内装設計については、下記の記事をご参照ください。
「診療科にあわせたクリニック・医院・診療所の内装設計 診察室や待合室をおしゃれで落ち着く色に」

まとめ

インターネット検索が主流な現代においては、施設名も検索性を考慮して選ぶことで、集患に繋がることが期待できます。また、医事法や医療広告ガイドラインに抵触せず、地域や医師会のルールにも合致する範囲で効果的な名称を選択することは、自院の将来にも大きなプラスとなるでしょう。
同様に来院された患者様が、また来院したい、良い評価を付けたいと感じる医院であることも重要です。
診療内容や接遇の向上と同じく内装にもこだわり、新患だけでなくかかりつけ患者様に長く愛されるクリニック・医院・診療所を目指してみてはいかがでしょうか。

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