【第3回】畳について考えよう　洋風家具との組み合わせ、違和感あり？

宿泊施設の部屋のタイプと言えば、従来は洋室と和室の2種類でしたが、近年では和室に洋風家具を配するインテリアが増えており、宿泊施設によっては「和洋室」と呼ぶこともあるようです。このスタイルは、日本の伝統と欧米のモダンさを融合させた、いわゆる「和モダン」のひとつに数えられることも。

とはいえ、なじみがない方からすると「畳に洋風家具を合わせるのはミスマッチなのでは？」と感じるかもしれません。DAIKENは2020年以降に国内旅行に出かけた111名へ、和室に配する洋風家具について独自調査を行いました。

まずは、畳の上に洋風のテーブルや椅子などを配することをどう感じるかを聞いてみました。

すると、「好ましく感じる（25.2％）」「特に何も感じない（29.7％）」「違和感を覚える（41.4％）」という回答が得られました。「特に何も感じない」ということは大きな違和感がないと解釈できますので、和室×洋風家具の組み合わせに対して半数以上の方（54.9％）は「違和感を覚えていない」ということが分かります。

次に、年齢によって和室にある洋風家具への印象に変化があるのかを調べました。20～40代で違和感を覚える方は約３割ですが、50代以上になると約半数に。このように、年齢が上がるほど和室×洋風家具の組み合わせに違和感を覚える傾向があることがわかりました。

和室にある洋風家具を好ましく思う理由、または違和感を覚える理由をそれぞれ聞きました。まずは好意的な意見から見ていきましょう。

最も多いのが「和モダンでおしゃれだから（78.6％）、次いで「旅気分が味わえるから（60.7％）」という回答でした。見た目の印象を好ましく思う意見が大半を占めていますが、身体的な理由から洋風家具を歓迎する声もありました。

続いて、和室×洋風家具の組み合わせに違和感を覚える理由についても聞いたところ、「畳に洋風家具がしっくりこないから（71.7％）」、次いで「洋風家具は畳を傷つけそうな印象があるから（56.5％）」という回答でした。

和室×洋風家具という組み合わせを、「おしゃれ」「旅の非日常感」などポジティブに捉えるか、「しっくりこない」「合わない」とネガティブに捉えるかで回答が分かれており、年齢を重ねるほど、見慣れないスタイルへの違和感が生まれやすいことがわかります。

今回のアンケート結果から、和室×洋風家具の組み合わせについて40代まではポジティブに捉える割合が多く、50代以上はややネガティブに捉える方が一定数いらっしゃることがわかりました。

そこで、シニア層がメインターゲットとなる宿泊施設では、和室になじみやすいデザインの洋風家具を選んだり、家具の下にラグなどを敷いて畳が傷つきにくいインテリアにしてみたりと、さまざまな工夫を加えてみてはいかがでしょうか。