【第2回】畳について考えよう　旅先で泊まりたいのは洋室？和室？

宿泊施設で過ごす時間は、旅行の楽しみのひとつと言えます。どのようなお部屋を好むかは人それぞれですが、和室を選ぶ方はどのような点へ魅力を感じているのでしょうか。

DAIKENは2020年以降に国内旅行に出かけた111名に、お部屋のタイプが和室であることや畳の有無が宿泊施設を決める要因になるかについて独自調査を行いました。

まずは、現在のお住まいにおける和室の有無について聞きました。

現在も和室のある家に住んでいるという方は約7割でした。こちらに、かつて和室がある家に住んでいたという方を含めると、和室のある環境で生活した経験がある方は95％にのぼります。生活様式が多様化してきたとはいえ、畳のある和室は今もなお日本人のライフスタイルに欠かすことができない存在と言えるでしょう。

次に、旅先の宿泊施設を決める際、洋室・和室どちらを選ぶことが多いかを聞きました。

「施設によってさまざま」という方が約半数で、洋室が約38％、和室が約15％という結果になりました。畳自体には親しみがあっても、宿泊施設で和室を好む方はそこまで多くはないのかもしれません。

現在和室がある家に住んでいる方と、かつて和室がある家に住んでいた方とで、選ぶ部屋のタイプに違いがあるかについて、アンケート結果を詳しく調べました。

※和室のある家に住んだことが無い方はごく少数だったため、結果は割愛

すると、両者の比率に大きな差は無いことがわかりました。現在のお住まいに和室がある、もしくはかつて和室のある家に住んでいたからといって、選ぶ宿泊施設のタイプへ影響を及ぼすことはあまりないようです。

では次に、宿泊施設で洋室を選ぶことが多いという方に、その理由を聞きました。

78.6％と多くの方が「ベッドで寝たいから」と回答しました。「洋室が好きだから（33.3％）」、「洋室に慣れているから（23.8％）」という方も一定数見られます。また好みにかかわらず、身体的な理由から洋室を選ぶ方もいらっしゃるようです。

宿泊施設で和室を選ぶことが多いという方にも、その理由を聞きました。

最も多い回答は「畳が好きだから（47.1％）」で、他には和室や敷布団で寝るのが好きな方、旅気分を味わいたい方、また同行者が過ごしやすいような配慮から和室を選ぶ方もみられました。2名以上で旅行をする場合、洋室では部屋が分かれてしまうため、全員が同じ部屋で過ごせる和室が選ぶこともあるようです。アンケート結果から、和室を選ぶ方は複合的な理由で部屋のタイプを決めている傾向が見られました。

更に、部屋のタイプが宿泊施設を選ぶ理由になるかどうかについても聞きました。

約4割の方が、希望する部屋のタイプがあるかどうかで宿泊先を決める、と回答しています。先ほど紹介したようにベッド（もしくは敷布団）で寝られることや、家族が快適に過ごせることは、旅の楽しさへストレートに影響しますので、この結果にも大きく頷けます。

今回の調査により、宿泊施設を選ぶ際に和室・洋室といった「部屋のタイプ」にこだわる方が半数弱いらっしゃることがわかりました。宿泊施設の設計時は、施設側がイメージする宿泊客の属性（年齢・男女・価格帯）や、宿のタイプ（ビジネスホテル・富裕層向けホテル・温泉宿・オーベルジュなど）によって、洋室だけ、和室だけ、もしくは和室も洋室もある方が宿泊客に選ばれやすいなど、事前にしっかり検討することをおすすめします。