床によく使われるクッションフロアとは
どんなもの?

クッションフロアという床材を聞いたことがある方もいると思いますが、これがいったいどのようなものかご存知でしょうか?今回はクッションフロアの特徴とメリット・デメリット、どのような場所に対応し適しているのかなどの、ポイントを紹介していきます。

クッションフロアとは、どんな床材?

クッションフロアというのは簡単に説明すると、その名の通り「クッション性のある塩化ビニール素材でできた床材」のことです。塩化ビニール素材は、一般的な合成樹脂(プラスチック)材料の一つで、建築素材では樹脂配管などに使われていたり、日常生活では雑貨・文房具などによく使われていたりします。

リフォームに使用する場合は、DIYでも既存のクッションフロアを剥がすだけで施工でき、一般的な木質床材に比べて扱いやすいこと、施工しやすいことも特徴の1つです。
続いて、クッションフロアのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリットは耐水性が高くリーズナブルなこと

メリットは耐水性が高くリーズナブルなこと

クッションフロアの最大のメリットは、耐水性・耐久性が高いことです。樹脂素材のため、例えばクッションフロアの表面に水分がかかっても素材が吸収することはなく、サッとふき取れる利便性があります。
また、木質床材に比べるとリーズナブルな点もメリットの1つです。施工も木質系の床材に比べて簡易な工事でできるためDIYで張り替える方もいます。

例えばリフォーム業者に依頼しても、洗面所のみの張替えなら価格は数万円~の施工費用で済み、工期も約半日で完了します。(洗面化粧台などの一時解体や組み立て時間も含む)

クッションフロアは素材が樹脂

さらに、クッションフロアは素材が樹脂のため、色柄を自由におしゃれにプリントすることができます。
よく見られるのはフロアタイルで大理石調・タイル調の柄ですが、木目やその他にも様々な柄が豊富にあります。

グレードが同じであれば値段も変えることなく、インテリアに応じた好みの絵柄を選ぶことができ、デザインや色柄選びに迷ってしまうほどです。

デメリットはフローリングに比べて劣る耐久性

一方、クッションフロアのデメリットは、素材自体が柔らかいため、重いものを置くと跡が付く可能性が高いことです。特に脚があるようなもの(ステンレス製のラックなど)で、一点に強い圧がかかると跡が付きやすくなります。
その場合はあらかじめ跡が付かないよう、緩衝材を入れて家具などを置いたりすることで、ある程度防止することができますので、気になる方は対策を講じておきましょう。
また、接着剤で施工していることから、どうしても経年によって粘着力が落ちてきて剥がれてくることもあります。しかし、張り替えのコストも高くはないので、リフォームの度に張り替えておくと美しさを保つことができるでしょう。

クッションフロアが向いている場所

クッションフロアは、耐水性があることがメリットとお伝えしました。
そのため、水まわりの部屋(洗面所やトイレ・キッチンなど)によく使われ、とりわけアンモニアに対する耐久性が高いことから、トイレには高い割合でクッションフロアが採用されます。

この素材には表面のコーティングや厚みによって、機能性が異なる様々なタイプがあります。
例えばトイレ用だけでなく、ペットを飼われている方には、消臭機能付きのクッションフロアもあります。このように、場所と用途によって機能も使い分けされると良いでしょう。

また、クッションフロアは厚みが12mm程度ある一般的な木質系床材と異なり、住宅用では1.8mm厚が主流となっています。加えて店舗用など土足で使えるクッションフロアもあります。
店舗用の場合は2.3mm厚など、住宅用に比べてフロアに厚みがありますが、クッションフロアは住宅の水まわりだけに限られない様々な場所に使える床材と言えます。

クッションフロアだけじゃない、進化する化粧シート貼り木質床材

クッションフロアだけじゃない、進化する化粧シート貼り木質床材

近年は耐水性に優れたクッションフロアだけでなく、表面に耐久性が高い化粧シートを貼った木質床材も登場しています。
クッションフロアは重いものを置いておくと跡が付いてしまうデメリットがありましたが、木質系の床材であればそういった心配は少なくなります。表面のコーティングも進化してきており、トイレなどの水まわりに使えるようなタイプも発売されています。

クッションフロアはどうしても上質感や高級感に欠けてしまうデメリットがあるため、せっかくの新築やリフォームでインテリアにこだわりたい方は、こういった機能面が充実しているフローリング材を選ぶと良いでしょう。
特に近年では、表面に樹脂製の化粧シートを貼った床材の人気が高まっています。
理由としては、印刷技術の向上によって本物の木や石のような質感が表現できるようになったこと、そして機能性に優れた商品も多くなってきたことが挙げられます。
「水まわりはクッションフロア」と決めずに幅広く検討すると、後悔することの少ない家づくりができるでしょう。

※ここに掲載されている情報は2023年11月10日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。