床にカビが発生!原因とカビ取りの方法
賃貸住宅の床にカビができたらどうする?

この記事では、床に発生してしまったカビの原因とカビの予防法・対処法について解説します。何度も繰り返してしまう場合や腐食の進行など、ご自身では対処できない時の判断や、水濡れに強くカビの発生を防ぐ床材などもご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

床にカビが発生する原因と予防法は

床にカビが発生する原因と予防法は?

床のカビはなぜ発生するのでしょう。床にカビが発生する原因の大部分を占めるのは水分です。お子様がこぼした飲み物をキレイに拭き取れていなかった、梅雨の時期や長雨による湿度の上昇、暖房器具を使用することで生じる結露など、一定期間同じ場所に留まった水分は床材に吸収され、カビを繁殖させる原因になります。

また、床の上にラグやカーペットなどを敷いている場合、フローリングに直接マットレスや寝具などを置いたままにしているご家庭も注意が必要です。一般的なフローリング材の表面は水分の吸収を防ぐようにコーティングされているものが多く、無垢材などの自然素材と違って調湿機能は備わっていません。フローリングと人の体温によって生まれる温度差で結露が発生し、皮脂や汗なども含んだ寝具はカビの栄養源となり、カビが繁殖する原因になってしまいます。

では、どのようにしてカビの発生を防げば良いのでしょうか。
まずはカビの原因を取り除くことです。室内に湿気を停滞させないよう、こまめに換気することが大切です。換気することで外気との温度差を少なくでき、カビの原因となる結露の防止にもなります。布団などをフローリングに直に敷いている場合は、毎日きちんと畳むことでカビの発生が抑えられます。また、床だけでなくラグやカーペットの下も丁寧に掃除することが十分なカビ対策となります。

近年の戸建住宅は寒さや暑さへの対策が施されており、高気密・高断熱化が進んでいるため、室内の空気を外に逃がしにくい構造のものが増えています。調湿機能が低い住宅では、カビの原因となる結露に悩まされるケースも見られます。
ご自宅の住宅性能や使用されている建材、湿度が高まる状況などを把握しておくことも、カビの原因を断つ上での大きな参考となるでしょう。

フローリング、クッションフロア、畳―床材の種類別カビ取り法

フローリング、クッションフロア、畳―床材の種類別カビ取り法

ここでは、床材の種類別にカビ取りの方法を紹介していきます。
ひとくちに床材といっても、そのバリエーションは実に様々で、配置してある場所や部屋の用途によってもカビの発生状況は異なります。また、カビ取りの方法も、フローリング・クッションフロア・畳など、床材の種類によって違ってきます。
フローリングのカビ取りを行う場合、まずはメーカーの取扱説明書等を事前に確認した上で、目立ちにくい場所や部位でアルコールやエタノールを試します。使用して問題がなければ、フローリングの拭き掃除をして床のカビ取りを行うと良いでしょう。フローリング床の場合、ワックスの下までカビが浸食することは少ないので、そのまま拭き取ってカビ取りする方法が有効です。中にはフローリングに染み込んでいるカビもありますが、このような場合は素人がカビ取りをするのは困難です。漂白剤を使うなどの誤ったカビ取りを行うと、床を傷めたり変色させてしまったりして、取り返しがつかなくなる場合もあるので、専門業者に相談してみるのが良いでしょう。

続いてクッションフロアのカビ取り方法を紹介します。水回りにも多用されているクッションフロアは、基本的に撥水効果が高いこともあり、こまめに掃除することでカビの発生を抑えることができます。もし、カビを見つけた場合もアルコールと水で薄めた中性洗剤で拭き取ることが可能です。カビに適量のアルコールを吹きつけ、水分がなくなってきたら中性洗剤液を含ませた雑巾でこすり落とします。最後は洗剤が残らないようにキレイな雑巾で水分を拭き取れば完了です。クッションフロアには細かな模様や加工が施されているものもあるため、中に入り込んでしまったカビはブラシなどで掻き出すと良いでしょう。

最後に畳のカビ対策をご紹介します。畳に発生したカビは、まず、乾いた雑巾で大まかに取り除き、アルコールを吹きつけます。乾いたら残りのカビを拭き取り、使わなくなった歯ブラシなどで畳の目に沿って中に入り込んだカビを掻き出します。掻き出されたカビも丁寧に拭き取り、再度アルコールを吹きつけます。扇風機やサーキュレータ(送風機)などでよく乾かせば完了です。

なお、フローリングや畳といった床材の種類を問わずにいえることですが、カビを見つけても掃除機を使ったカビ取りは避けてください。掃除機の排気口を通してカビを部屋中に巻き散らしてしまい、健康を害してしまう恐れがあります。
また、強い殺菌効果がある塩素系漂白剤の使用や表面の研磨などは変色や傷の原因となるだけでなく、床材に備わっている機能を低下させてしまう可能性があるので注意しましょう。

カビが発生するのは床付近だけでなく、部屋全体の環境に原因がある場合もあります。北側の日当たりが悪い部屋を物置として使用している住宅や、基礎が低く床下に湿気対策用のコンクリートが打設されていない古い家屋の場合は、必然的にカビの発生率も高くなってしまうので、こまめな換気や掃除といった対処法が求められます。

いずれの方法でもカビが落とせない場合や、床材の腐食・劣化によるものは、表面的な対処方法では処理しきれないため、カビを繰り返し発生させてしまいます。このようなケースは、躯体や下地の根本的な補修・改修が必要であることが多いため、速やかに専門業者へ相談することをおすすめします。

賃貸住宅の床にカビができた時はどうすれば良い?

賃貸住宅の床にカビができた時はどうすれば良い?

アパートやマンションなどの賃貸住宅に住んでいて、床にカビが発生してしまう場合もあります。この時、修繕費用は全額借り手が負担するのでしょうか?

賃貸住宅の借り手には部屋を原状回復させる義務がありますが、これは入居当時の状態まで部屋を復元させるということではありません。部屋というのは使い続けていれば汚れるものですし、年数を経た床や壁が劣化するのも自然なことです。このように通常の使用範囲で生じた床の修繕費用は借り手の負担にはなりません。

一方、使い方や管理の仕方が悪かったなど、借り手側に原因があってカビが発生した場合は修繕の責任が生じます。例えば、フローリングや畳にジュースをこぼしてしまうことは日常生活の中でよくあることです。しかし、それをそのまま放置したことが原因でシミやカビが発生した場合は、通常の使用範囲を超えた損傷とみなされ、その多くは借り手に原状回復義務が発生するパターンとなります。

居住中はこまめに掃除をしてできる限り部屋をきれいに保つ必要がありますが、それでも床にカビを発見した場合、決して自分で修繕を行わないようにしましょう。自身の手で対応ができないと思ったら、早めに管理会社等に相談をしましょう。

カビが発生しにくい床材は

カビが発生しにくい床材は?

近年は水濡れに強く、カビの発生を抑える機能を備えた床材が販売されています。
濡れた状態で長時間放置されても吸水しにくいフローリング床は、一般的な木質フロアーと比較しても変色やシミの発生が抑制されます。加えて、ひび割れや膨張・収縮も起こりにくく耐久性にも優れています。
また、和紙製の畳は水濡れに強いだけでなく、カビやダニの繁殖・色褪せを抑え、日々のメンテナンスも手軽で、お子様やお年寄りでも安心・快適に使用できます。

新築やリフォーム・リノベーションなどを検討中の方は、カビの発生を抑えられる機能性の高い床材を選んでみてはいかがでしょうか。

※ここに掲載されている情報は2024年2月時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。