畳の日焼けを防止するには?
日焼けに強い和紙畳も紹介

畳の日焼けを防止するには? 日焼けに強い和紙畳も紹介

新調したばかりの畳はその鮮やかな色合いと心地よい香りで、部屋全体に落ち着きと和の雰囲気をもたらします。しかし、時間が経過するにつれて畳は日焼けし、鮮やかな色合いは褪せて変色していきます。畳が日焼けすると見た目の美しさだけでなく、その質感や耐久性にも影響を及ぼしてしまうことも。そのため、畳の劣化を防ぎ、より長く使用するためには日焼けの原因をしっかりと理解し、効果的な予防策と対処法を知ることが大切です。
この記事では、畳の日焼けによる変色の原因と予防策、そして日焼けに強い畳についてご紹介します。

畳の色あせ・変色の原因は?

畳の色あせ・変色の原因は?

畳の色あせや変色の主な原因は「日焼け」です。畳がこのように変色する背景には、畳表を構成するイ草の特性が深く関わっています。イ草には「クロロフィル」という成分が含まれており、このクロロフィルが畳の美しい緑色を保つ上で重要な成分です。しかし、クロロフィルは紫外線に非常に敏感で、直射日光に長時間さらされることで変質してしまいます。

紫外線は太陽光だけでなく、一部の照明からも発せられているため、日が長時間当たらない場所であっても畳が日焼けしないとは限りません。変質したクロロフィルは、畳の本来の色を保つことができず、結果として畳はその鮮やかな緑色を失い、黄ばんでしまいます。

また、畳が日焼けするとイ草の繊維が弱くなり、畳の快適性や耐久性の低下に直結してしまいます。それにより、畳の交換頻度が高まってしまう可能性も。畳の美しさと機能性を守るためには、日焼けに対する適切な対策が求められます。

畳の日焼けによるデメリット

畳の日焼けによるデメリット

畳の日焼けは見た目の美しさだけでなく、畳の機能性や居住空間の快適性にも大きな影響を及ぼします。では、畳の日焼けには具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

●畳の劣化が進む
畳が直射日光に長時間さらされると畳の表面は乾燥し、表面のひび割れが発生するなど畳の劣化につながります。このような現象は見た目の問題だけでなく、畳の傷みを早めてささくれが発生しやすくなるなど、畳を使用する上での機能性にも大きな影響を与えるため、日焼けの対策が必須です。
●虫害リスク増加
日焼けして乾燥した畳は、ダニなどの害虫が寄生しやすくなります。これらの害虫は身体に関する拒絶反応の原因となることがあり、居住空間の衛生面に悪影響を及ぼします。
●色落ちや変色
畳の日焼けによる色落ちや変色は、和室の美しさを大きく損なってしまいます。特に、畳が均一に日焼けしない場合は不均一な印象を与え、部屋全体の雰囲気を損なってしまいます。

これらのデメリットを防ぐためには、畳の日焼け対策が非常に重要となります。軽い日焼けであれば、畳ワックスの使用やお酢を使った色の復活が可能ですが、劣化が進んだ畳にはこれらの対策も効果が限定的です。
畳を長持ちさせるためには、日焼け予防をしっかり行うことが大切です。

畳が日焼けしてしまった場合の対処法

ここでは、畳が軽い日焼けをしてしまった際の対処法をご紹介します。
畳の色落ちは完全に防ぐことはできませんが、軽度の色落ちの場合はある程度の色の復活を期待することができます。

●お酢を使った色の復活
希釈したお酢を使用することで、畳の色をある程度戻すことができる可能性があります。畳の上を掃除したのち、お酢:水=1:2で希釈した液体を雑巾に染み込ませて水拭きします。その後、乾拭きをして水気をとりましょう。
●畳ワックスの使用
畳の色を戻すことを目的とした、畳ワックスという商品を使う手もあります。ただし、元の自然な色味に戻せるわけではないことを認識しておく必要があります。使用する場合は、製品の特徴や使用法を事前によく確認した上で利用しましょう。

畳の日焼けの予防の仕方は?

畳の日焼けの予防の仕方は?

畳の日焼けは適切な予防を実施することで、デメリットを最小限に抑えることが可能です。ここからは、畳の日焼けを防ぐための効果的な方法をご紹介します。

●紫外線対策を施す
畳の日焼けの主な原因は紫外線です。そのため、紫外線が畳に直接当たるのを防ぐことが最も重要な予防策となります。
・窓ガラスにUVカットフィルムを貼る
窓ガラスにUVカットフィルムを貼ることで、紫外線の侵入を大幅に減少させることができます。フィルムは透明度が高いものも多く、室内の明るさを保ちつつ紫外線をカットすることが可能です。
・UVカットカーテンを使用する
UVカット機能を持つカーテンを使用することも、紫外線から畳を守る有効な方法です。カーテンは室内装飾としての役割も果たすため、機能性とデザイン性を兼ね備えた製品を選ぶとよいでしょう。
これらの対策では100%紫外線をカットすることはできませんが、畳の劣化を遅らせる効果が期待できます。
●照明を変更する
室内の照明を変更することもひとつの予防法となります。日光に比べれば微々たるものですが白熱電球や蛍光灯にも若干の紫外線が含まれているため、畳部屋の照明として使用している場合は、紫外線を含まないLED照明に変更することも検討しましょう。
●日焼け防止シートを活用する
日差しが強い場所の畳や長期間使用しない場合には、日焼け防止シートを畳の上に敷くことがおすすめです。このシートは紫外線を効果的に遮断し、畳を保護しますが、湿気がこもらない素材の物を選ぶように気をつけましょう。日常的に和室を使用する場合は使いにくい方法ですが、畳の劣化を軽減させるためにも、日焼け防止シートの活用も検討してみましょう。
●日焼けに強い畳を選ぶ
日焼けに強い「和紙畳」を選択することも有力な解決方法です。和紙畳は日焼けに強く、時間が経っても変色が抑えられるため、美しさを長く保つ特性を持っています。
また水濡れに強く、カビやダニの発生も抑えられるため、メンテナンスが容易でとても衛生的です。畳を新調する際は、色やデザインバリエーションが豊富なDAIKENの和紙畳がおすすめです。日焼けや水濡れに強くデザイン性の高い和室を長く楽しむことができます。

※DAIKENの和紙畳とは:機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。

DAIKENの和紙畳を暮らしに取り入れるメリットについては、「今日も始まる、畳の暮らし。」で詳しく紹介しておりますので、そちらもぜひご確認ください。

これらの対策を適切に実施することで、畳の美しさと機能性を長期間保つことが可能です。日焼けによる畳の劣化を最小限に抑え、新調が必要となった場合には日焼けに強い畳の導入を検討するなど、快適な和室空間を楽しんでみましょう。

※ここに掲載されている情報は2024年3月19日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。