階段手すりはDIYでもつけられる?
種類や使える補助金など

階段の手すりを取り付けるべき理由

階段手すりは無くても良いもののように思えますが、実は取り付けるべき理由が2つあります。それぞれ詳しく解説するので、あらかじめ確認しておきましょう。

法律

階段等の手すり等)
第二十五条 階段には、手すりを設けなければならない。
階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
4 前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。

(出典:e-GOV法令検索 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号))

建築基準法施工令第25条では、階段手すりについて上記のように定められています。
条文にある通り、階段手すりは取り付けなければならないのです。

4項にある通り、からの高さが1m以下の階段部分には手すりを取り付けなくても良いことになっていますが、一般的な戸建て住宅において、2階に上がるための階段は高さが1m以下で終わることはないため、手すりの設置が必須となります。

安全性

手すりは、階段を上り下りする際の安全のためにも設置すべきです。高齢者や妊婦の方など、うまく階段の上り下りができない人にとって、手すりは命綱となります。また、ケガをしていて普段と同じように動けない方も、同じように安全面から手すりが必要です。

2022年の「人口動態統計」によると、「階段及びステップからの転落及びその上での転倒」という項目で死亡した人の数が593人となっています。実は、毎年階段からの転落によって多くの方が亡くなっているのです。痛ましい事故を未然に防ぐためにも、高さのある階段に対して手すりの設置は必要といえます。

知っておきたい階段手すりの付け方の注意点

知っておきたい階段手すりの付け方の注意点

ここで、階段手すりの付け方について、知っておきたい注意点を2つ紹介します。

壁の強度によってはそのままを取り付けることができない

階段に付ける手すりは、体重を支える大事なものです。そのため、手すりは壁の中の間柱がある部分にしっかりと取り付ける必要があります。壁の中のは目に見えないので、階段手すりを付ける前に、まず専用工具を使ってを探す作業を行います。
壁によっては強度が弱く、そのままでは手すりを付けるのが危険な場合もあります。このようなケースでは、補強板を固定したうえで階段手すりを設置します。

ブラケットの取り付け間隔は重要

階段手すりは長いので、階段の壁各所にブラケットという金具を取り付けて手すりを支えるようにします。ただし、長い間隔をあけてブラケットを設置してしまうと手すりが不安定になるので注意が必要です。

階段の手すりはDIYでも取り付けられる?

階段の手すりはDIYでも取り付けられる?

階段手すりはホームセンターなどでも部材が売っているため、DIYでの取り付けは可能です。しかし、前述したように階段手すりの取り付け方には注意点があります。付け方が曖昧なままDIYするのは危険です。

手すりは思っている以上に体重を支える役割を担っている部分です。手すりの付け方が甘かったり、階段に対する取り付け箇所が間違っていたりすると、十分に機能を発揮できないのです。特に手すりを取り付けるべき下地として、壁の中の間柱を見つけるのは、素人にとって至難の業です。また壁の強度が弱いかどうかの判断、下地の補強工事も難しいでしょう。

正しく取り付けられていない階段手すりは体重を支え切れずに脱落する可能性が高くなります。もし高さのある場所で階段手すりが外れれば、重大な事故が起こるであろうことは容易に想像できるでしょう。

このような理由から、階段手すりは専門家であるリフォーム業者などに取り付けてもらった方が安心です。リフォーム業者に頼めば、階段手すりを取り付ける高さやネジを打ち込む位置など、全て計算して適切に施工してくれます。家族の安全のためにも、階段手すりを設置する際は、専門家に依頼するのがおすすめです。

階段の手すりを選ぶ際の観点

階段手すりは丸い棒状のものだけでなく、安全性を高めたもの、おしゃれなデザインのものなどさまざまなタイプがあります。種類の多い手すりから用途に合ったものを選ぶ方法を紹介していくので参考にしてください。

形状

一般的によくみる階段手すりは丸い棒状の「丸棒手すり」ですが、表面が凸凹した形状の「ディンプル手すり」は、滑りにくさに配慮しています。さらに、丸い棒状以外にも楕円形のものや特殊な形状のものがあり、それぞれに機能や役割があります。

手すりの形状は見た目のおしゃれさにも影響します。例えば、フラットバータイプの手すりはシンプルなデザインで洗練された印象を与えてくれます。

手すりは太さにも、直径35mmと32mmなどの種類があります。35mmは体重をしっかりかけて支えることができるため、一般の方だけでなく体が不自由な方にもおすすめです。32mmは少し細めで握りやすくなっており、握力に自信がない方や縦手すりに適しています。使う方や場所に合わせた手すりの形状や太さにすることで、より安全性を高めることができます。

質感

手すりに使われる素材には、ベーシックな木材だけでなく、幅広い質感のものがあります。木製の手すりは温かみがあり、スチール製の手すりはスタイリッシュでおしゃれに見えます。質感に加えて安全性に配慮したものを選ぶと、安心で快適な環境を作ることができるでしょう。

色柄

基本的に白・ベージュ・ブラウン・ブラックなど、一般住宅にマッチするカラーが揃っています。階段と色を合わせたり、安全の為わざと目立つカラーにしたりと、色柄を考えておしゃれを楽しむこともできます。機能性だけでなく、ご自宅の雰囲気に合わせてインテリアのような感覚で選んでみてはいかがでしょうか。

+αの機能

階段手すりには、周りが暗くなると明るく光るものや、衛生面に配慮した抗ウイルス機能を持つ製品もあります。+αの機能がある手すりは、安全性や安心感に繋がります。

階段の手すりに使えるリフォーム補助制度

階段の手すりに使えるリフォーム補助制度

階段手すりを取り付ける際に利用できるリフォーム補助制度があります。特に、介護を要する高齢者の住宅をリフォームする時に活用できる制度なので、覚えておきましょう。

介護保険に加入している被介護者の場合、介護に必要な手すりの取り付けに補助金が支給されます。支給基準限度額は20万円で、うち9割の18万が支給額の上限となっています。ただし、補助金を申請するためには、要介護・要支援認定を受ける必要があるので注意が必要です。

また、自治体によっては独自の補助金制度を設けているところがあります。お住いの自治体でリフォーム補助制度を探してみると、活用できるものが出てくる可能性があります。手すりを取り付ける前に確認してみましょう。

高齢者のための階段手すりの付け方のポイント

高齢者のための階段手すりの付け方のポイント

高齢者のために階段手すりを付けるときのポイントを紹介します。

階段の手すりの高さは750~850mmが望ましい

国土交通省「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」によると、階段手すりの高さとして望ましいのは、階段の踏み板先端部分から750~850mmとされています。実際、どの高さに手すりを付けるのかは利用者の身長、杖を突いているかどうかなど、普段の状況によっても左右されるでしょう。
階段手すりを取り付ける前に、利用者が使いやすい位置を特定することが大事になってきます。

前述したように、階段手すりは強度のある壁に設置する必要があります。
高さが決まっても、取り付け予定場所の壁が弱い場合は、別途補強工事が必要です。

階段の始まりと終わりにも手すりを付けると安心

階段での事故は下り始めと下り終わりに多いため、手すり階段に対して前後少し長めに設置するのが望ましいです。

介護保険を使う場合は認定までにかかる時間を考慮する

前述したように、介護保険を使って階段手すりを設置するには、あらかじめ要介護・要支援認定を受ける必要があります。
認定のための申請手続きをして実際に認定を受けるまでには、だいたい1か月程度かかります。この認定を受けるまでの期間を考慮した上で、工事の日程などを決めていくと良いでしょう。

DAIKENのおすすめ階段手すり

システム手摺35型』は、直径35㎜の握りやすい丸棒タイプの手すりです。バリエーションの中には表面が凸凹しているグリップ付きタイプもあり、滑り止めとして機能し、より安全な階段の昇り降りを支えてくれます。

また、製品に付着した特定のウイルス数を99%以上減少させる抗ウイルス機能付きのものを選ぶこともできます。

手すりの色柄は9種類あり、パーツもバリエーションに富んでいるので、ご自宅や階段の雰囲気に合ったもの、インテリアと馴染むおしゃれなものが必ず見つかるはずです。

DAIKENの手すりを取り付けて家族の安全性に配慮しましょう

階段手すりは、法律上設置義務のある部材です。家族の安全を守るためにも手すりを選ぶ際は、各々の年齢や健康状態などに配慮することが大切となります。

DAIKENの手すりは、機能性・デザインともにバリエーションが豊富です。安全性を重視したい方にも、おしゃれな階段を作りたい方にも、きっとご満足いただける手すり製品が見つかるはずです。DAIKENの手すりを取り付けて、安全性に配慮したご自宅を実現しましょう。

※ここに掲載されている情報は2024年3月時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。