床にカビが発生!
原因とカビ取りの方法

日本の気候風土の中でも梅雨は湿度が高く、室内の衛生環境を悪化させてしまう原因となります。また、地域によっては寒さが厳しい冬の時期、石油ストーブなどの暖房器具を使用することで外気との温度差が生じ、結露を発生させてしまいます。
これらの水分が室内に停滞すると、床にカビが繁殖してしまい、住まいの寿命を縮めるだけでなく、重大な健康被害の原因にもなりかねません
この記事では、床に発生してしまったカビの予防法・対処法について解説します。何度も繰り返してしまう場合や腐食の進行など、ご自身では対処できない時の判断や、水濡れに強くカビの発生を防ぐ床材などもご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
床にカビが発生する原因と予防法は

床のカビはなぜ発生するのでしょう。
原因の大部分を占めるのは水分です。お子様がこぼした飲み物をキレイに拭き取れていなかった、梅雨の時期や長雨による湿度の上昇、暖房器具を使用することで生じる結露など、一定期間同じ場所に留まった水分を床材が吸収し、カビを繁殖させてしまいます。
また、床の上にラグやカーペットなどを敷いている場合、フローリングに直接マットレスや寝具などを置いたままにしているご家庭も注意が必要です。一般的なフローリング材の表面は水分の吸収を防ぐようにコーティングされているものが多く、無垢材などの自然素材と違って調湿機能は備わっていません。フローリングと人の体温によって生まれる温度差で結露が発生し、皮脂や汗なども含まれた寝具はカビの繁殖の栄養源となってしまいます。
では、どのようにカビの発生を防げばよいのでしょうか。
まずは予防方法として、室内に湿気を停滞させないよう、こまめに換気することが大切です。換気することで外気との温度差を少なくし、結露の防止にもなります。布団などを直に敷いている場合は、毎日きちんと畳むことでカビの発生も抑えられ、床だけでなくラグやカーペットの下も丁寧に掃除することで十分な対策となります。
近年の戸建住宅は寒さや暑さへの対策が施されており、高気密・高断熱化が進んでいるため、室内の空気を外に逃がしにくい構造のものが増えています。調湿機能が低い住宅では、結露に悩まされるケースもみられます。
ご自宅の住宅性能や使用されている建材、湿度が高まる状況などを把握しておくことも、カビ対策をするうえでの大きな参考となるでしょう。
床材の種類に見るカビ取りの方法

ここでは、床材の種類別にカビ取りの方法を紹介していきます。
ひとくちに床材といっても、フローリング・クッションフロア・畳など、そのバリエーションは実に様々で、配置してある場所や部屋の用途によってもカビの発生状況は異なります。
北側の日当たりが悪い部屋を物置として使用している住宅や、基礎が低く床下に湿気対策用のコンクリートが打設されていない古い家屋の場合は、必然的にカビの発生率も高くなってしまうので、こまめな換気や掃除といった対処法が求められます。
フローリングの場合は、メーカーの取扱説明書等を事前に確認した上で、目立ちにくい場所や部位でアルコールやエタノールを試してから使用して拭き掃除を行うと良いでしょう。ワックスの下までカビが浸食することは少ないので、そのまま拭き取る方法が有効です。フローリングに染み込んでいるようなカビは素人でも除去が困難なうえ、漂白剤を使うなどの誤った対処方法を行うと、フローリングを傷めたり変色させてしまったりして、取り返しがつかなくなる場合もあるので、専門業者に相談してみるのが良いでしょう。
水まわりにも多用されているクッションフロアは、基本的に撥水効果が高いこともあり、こまめに掃除することでカビの発生を抑えることができます。もし、カビを見つけた場合は、アルコールと水で薄めた中性洗剤で拭き取ることが可能です。カビに適量のアルコールを吹きつけ、水分がなくなってきたら中性洗剤液を含ませた雑巾でこすり落とします。最後は洗剤が残らないようにキレイな雑巾で水分を拭き取れば完了です。クッションフロアには細かな模様や加工が施されているものもあるため、中に入り込んでしまったカビはブラシなどで掻き出すと良いでしょう。
畳に発生したカビは、まず、乾いた雑巾で大まかに取り除き、アルコールを吹きつけます。乾いたら残りのカビを拭き取り、使わなくなった歯ブラシなどで畳の目に沿って中に入り込んだカビを掻き出します。掻き出されたカビも丁寧に拭き取り、再度アルコールを吹きつけます。扇風機やサーキュレータなどでよく乾かせば完了です。
どんな床材にも共通していえることですが、カビを見つけても掃除機での処理は避けてください。掃除機の排気口を通してカビを部屋中に巻き散らしてしまい、健康を害してしまう恐れがあります。
また、強い殺菌効果がある塩素系漂白剤の使用や表面の研磨などは変色や傷の原因となるだけでなく、床材に備わっている機能を低下させてしまう可能性があるので注意しましょう。
いずれの方法でもカビが落とせない場合や、床材の腐食・劣化によるものは、表面的な対処方法では処理しきれないため、繰り返しカビを発生させてしまいます。このようなケースは、躯体や下地の根本的な補修・改修が必要であることが多いため、速やかに専門業者へ相談することをおすすめします。
カビが発生しにくい床材は

近年は水濡れに強く、カビの発生を抑える機能を備えた床材が販売されています。
濡れた状態で長時間放置されても吸水しないフローリングは、一般的な木質フロアーと比較しても変色やシミの発生を抑え、ひび割れや膨張・収縮も起こりにくく耐久性にも優れています。
また、樹脂製の畳は水濡れに強いだけでなく、カビやダニの繁殖・色褪せを抑え、日々のメンテナンスも手軽です。さらには抗菌作用も備わっているため、お子様やお年寄りにも安心・快適に使用してもらえます。
新築やリフォーム・リノベーションなどを検討中の方は、カビの発生を抑えた機能性の高い床材を選んでみてはいかがでしょうか。
※ここに掲載されている情報は2023年11月6日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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