壁に発生したカビの放置はキケン?
カビの落とし方や事前対策を紹介

壁のカビは放置しない

部屋にカビが生えたら放置せず、早めに対処しましょう。カビが発生しやすい環境を放っておくと、カビはどんどん繁殖してしまいます。

室内の壁にカビが発生する原因は湿度と結露

壁のカビは放置しない

室内壁にカビが発生したら、まず原因を考えてみましょう。
カビの発生には、次に挙げる3つの要素が必要です。

【カビの発生要素】
  • 湿度(70~80%)
  • 温度(20~30℃)
  • 栄養(汚れ)

カビは菌の仲間です。菌が胞子を作って空気中を移動します。胞子は栄養や水分を吸収して育っていきます。
その際に必要なのが、湿気と最適な温度、そして栄養です。
結露が起こる場所にカビが生えることが多いのもそのためです。

カビが育つのに最適な温度は20~30℃です。梅雨時の6~7月、台風の季節の9~10月頃にカビが発生しやすいのも頷けますね。
ただし、上記の要素がそろえば、季節を問わずカビが発生する確率は上がります。
住まいの中でも温度差が出やすい場所や湿気がこもりやすい場所、結露がある場所は特に注意が必要です。
部屋にカビが生えたら、お住まいの環境を見直すことも必要となるでしょう。

壁のカビを放置すると深く根付きながら広がる

壁のカビを放置すると深く根付きながら広がる

壁に発生したカビを放置してしまうと、カビの胞子がまき散らされて、どんどん広がっていきます。しまいには壁の表面だけではなく、クロスの裏側や下地にまで繁殖してしまい、除去が難しくなる可能性も出てくるでしょう。
建物自体に悪影響を及ぶようなことになれば、大掛かりなリフォームが必要となる場合もあります。

胞子によってアレルギーなどの健康被害を招くことも

カビの胞子によりアレルギーなどの健康被害を招くことも

カビの発生は建物だけではなく、人の健康にも害を及ぼします。

【カビが人の健康に与える害】
  • アレルギー性鼻炎
  • シックハウス症候群

アレルギー性鼻炎は花粉症として認知されていますが、カビも鼻水や鼻づまりといった症状を起こす原因となることがあります。

シックハウス症候群はお住まいを構成する建材や、家具に含まれる化学物質が原因で起こる頭痛やめまいなどの健康被害です。
壁に発生したカビも、こうした症状を引き起こす原因のひとつと考えられています。

できるだけ早めにカビ取りを

このように、カビは壁だけでなく、建物や健康にも害を及ぼしていきます。
部屋の壁にカビが生えたら、できるだけ早くカビ取りをしましょう。
初期段階のカビ取りはご家庭でも対処が可能です。

初期のカビを落とす方法

カビ取りの方法

カビは初期の段階なら、ご家庭にある道具でも除去できます。ここでは、壁の初期カビを落とす方法の手順をご紹介します。

壁のカビを落とす方法と注意事項

壁のカビ取りをする前にクロスの材質を確認しましょう。

最も一般的なビニールクロスであれば、カビ取りの際に水や洗剤が使用できます。和紙や布など、水を吸収してしまう素材は、ご家庭でカビ取りをすることが難しいため、業者に相談するか貼り替えの検討をおすすめします。

【カビ取りに必要な道具】
  • アルコール除菌スプレー
  • 塩素系漂白剤
  • マスク、ゴム手袋
  • 雑巾、布
【落とし方の手順】
  • 雑巾や布にアルコールを染み込ませ、カビをふき取る。
  • カビをふき取った後に、アルコールをスプレーして仕上げる。
  • ※頑固なカビの場合は、塩素系漂白剤を使用して落としていきます。
【注意事項】
窓を開けてよく換気をしてから行いましょう。胞子を吸い込まないためのマスクと、手指を保護するゴム手袋の装着も必須です。

除菌スプレーや漂白剤は染みができる場合もあるので、壁の目立たないところで試してから使用しましょう。

壁のカビ取り こんな落とし方は危険!

壁のカビは放置しない

壁のカビは通常の汚れと違うため、一般的な掃除道具を使うと状況を悪化させたり、思わぬ健康被害が起きたりすることもあります。危険なカビの落とし方をチェックしてから作業に当たってください。

水が使えない場所で市販のカビ取り剤を使う

市販のカビ取り剤には、主に次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウム(もしくは水酸化カリウム)が使われています。水酸化ナトリウムは強アルカリ性であり、皮膚につくとやけどのような症状が現れます。一度乾いた後も再び水に濡れると液体化して危険なので、きちんと水でふき取る必要があるのです。風呂場やトイレと違って壁のカビ取りは水を十分に流せない環境下で行われることもあります。水でしっかりと拭き取れない場合は、水酸化ナトリウムが含まれている市販のカビ取り剤は使用を控えましょう。

カビ取り剤や塩素系漂白剤を別の洗剤と混ぜて使う

前述のように、カビ取り剤には次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。このような塩素系の洗剤は、酸性の洗剤と一緒に使うことが固く禁じられています。カビ取り剤だけではなく台所洗剤や洗濯洗剤などの塩素系漂白剤も同様です。塩素系の洗剤と酸性の洗剤を一緒に使うと、有害な塩素ガスが発生し、健康被害を生む危険があるためです。混ぜてはいけないのは、酸性の洗剤だけでなく、お酢も一緒です。手軽なお掃除道具としても使えるお酢は、カビ取り剤を含む塩素系の洗剤に混ぜると大変危険なので、一緒に使わないようにしましょう。

クロスをこすってカビ取りを行う

カビを取ろうとして一生懸命になるあまり、クロスを強くこするのは止めましょう。表面に傷がついて中にカビが入り込んでしまう可能性があるためです。傷の中のカビは除去しづらいので、こすってもメリットはありません。カビを取る時は、クロスをそっとふくようにします。

目に見えているカビだけを取り除く

繁殖したカビは肉眼でも見えますが、1つ1つのカビは非常に小さなものです。目視できるカビの周りにも胞子は漂っているはずです。もし、目に見えるカビだけを除去しても、回りに胞子が残っていればカビは再び繁殖するかもしれません。カビの付いた部分だけでなく、その周辺も一緒に掃除するようにしましょう。

こんな状態ならクリーニング業者に依頼を

こんな状態ならクリーニング業者に依頼を

クロスのカビ取りを試してみても落とせない、あるいは思ったより根深くて手に負えない状況なら、専門のクリーニング業者に依頼することも検討しましょう。 次のような状態になっていたら、ご家庭で対応するのは難しい段階かもしれません。

カビの範囲が広く、またクロスの裏側にも及んでいる

カビが広範囲に及んでいたり、クロスの裏側や下地も浸食していたりしたら、被害はかなり重症といえます。
ここのような場合は、例え表面のカビを取っても、再発してしまうことがあります。カビを元から除去する抜本的な対策が必要です。

クロスの貼り替えも検討

表面的な対策ではカビ取りができない場合、クロスの貼り替えを検討してみてはいかがでしょうか。とはいえ、お住まいの環境によっては貼り替えてもまたカビが発生することもあります。
せっかくクロスを貼り替えたのに、これではがっかりですね。
何とかカビが発生しづらい環境を作れないものでしょうか。

実は、そんなお悩みに応える「カビが発生しづらい壁材」が注目を集めています。

カビが発生しづらい壁材とは

カビが発生しづらい壁材とは

カビが発生しづらい壁材の代表は調湿機能を持ったものです。
調湿機能はカビが発生する要素のひとつである「湿気」を調整する機能です。

壁材の調湿機能

調湿機能を持った壁材は、湿度が高ければ湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を吐き出します。
これにより、空気中の湿度をいつも快適に保つことができます。
調湿で空気のバランスを整えることにより、カビが発生しづらい環境を実現してくれます。

カビ対策には調湿機能のある壁材がおすすめ

結露を極力抑えてカビの発生を抑制できれば、建物や人の健康に良い影響をもたらします。
結露やカビの発生を極力抑えて、カビの発生を抑制できれば、建物や人の健康に良い影響を及ぼします。

さらに、調湿機能付きの壁材は機能面だけでなく、デザインの面で見ても優れています。

調湿機能のある壁材には織物調やタイル調など、選ぶ楽しみもある色や柄が豊富にラインナップされています。

これなら、お好みのインテリアに合わせたり、アクセントの効果をねらったりと、お部屋のランクアップにも一役買いそうですね。
部屋にカビが生えるのを防ぐには、壁材を新調するのも一つの解決策です。調湿機能のある壁材で、快適でおしゃれな空間を手に入れてみませんか。

※ここに掲載されている情報は2023年12月時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。