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【第1回】設計前におさえておきたい「庁舎の使いやすさ」について考える

利用者が地域の庁舎について持っている印象

人生の節目となるタイミングに訪れたり、さまざまな生活のサポートを申請する時など、私たちの日常生活とつながりのある庁舎(役所・役場など)。地域住民にとって利用しやすく親しみやすい場所であるのが理想ですが、その現状はどうなのでしょうか。

■多くの利用者が庁舎に対して「古い」「暗い」などの印象を持っている

お住まいの地域の庁舎へ1年のうち数回は足を運ぶ方へ、一番よく行く庁舎の印象についてDAIKENが独自調査を行ったところ、「古めかしく汚い」という印象を持つ方が4割以上いることがわかりました。「暗い」と感じる方も3割程度みられます。

庁舎

平成31年の財務省の報告を見ても、全国的に築年数が50年以上の庁舎は多く※、設備の古さや庁舎内の暗さなどが気になるケースが多いようです。 ※参照:財務省理財局「庁舎需要等への対応について」(平成31年2月22日発表)

■庁舎に対して親しみやすさ、愛着を感じる割合は少ない

一方、自分がよく行く庁舎に親しみやすさを感じる方は4割、愛着があるという方は3割に満たないという結果に。

庁舎

庁舎とは住民から親しまれ、愛される場所であるのが理想です。しかしながら、現状は利用者にとって必ずしも快適な場所とは言えないのかもしれません。

■施設に感じる課題は「利用上のわかりにくさ」やトイレなどの設備に

自分がよく行く庁舎に感じる施設面での課題を聞いたところ、「自分の行くべき場所が分からない」という方が27.9%。次いで「トイレが古くて使いづらい」という方が23.4%、「空調機器が古く、効きが悪く感じる」「バリアフリー化が進んでいない」と回答した方が共に16.2%でした。

庁舎

目的の窓口がすぐに見つかるような案内表示、赤ちゃん連れの方が利用できる授乳室、車いす対応トイレなど、さまざまな年齢、国籍、身体能力を持つ利用者が使いやすく、分かりやすい設計が求められています。

■庁舎にあると望ましい設備は、休憩スペースや機能つきトイレなど

庁舎の設備面に感じる課題を解消できる設備には、どんなものがあるのでしょうか。アンケートの自由回答から、利用者のニーズを探ってみましょう。

<休憩・飲食スペース…10名> 

気楽に利用できる飲食スペース(40代男性、50代男性)
食堂、売店、コンビニ(40代男性×2名、40代女性、60代男性)
カフェ(20代女性)
休憩所、待合室(40代女性、50代女性)
無料のお茶サービス機(50代男性)

<案内…4名>

総合相談室(60代男性)
1階受付に各部署の案内掲示板(30代女性、60代男性)
どの窓口に行けば良いか検索できる機械(30代女性)

<トイレ…6名>

シャワートイレ(20代女性、40代男性)
多目的トイレ(30代女性)
最新機能がついたトイレ(10代女性、50代男性)
暖房機能がついたトイレ(40代男性)

<その他設備…4名>

空気清浄機(40代女性)
明るい照明(40代男性)
明るいエントランス(40代男性)
何人も乗れるような広めのエレベーター(30代女性)

<その他サービス…3名>

献血コーナー(40代男性)
マイナンバーカード発行サービス(20代女性)
駅までのシャトルバス(40代男性)

■庁舎の設備面における課題は、案内の工夫や動線設計で解決できる

アンケートの回答では、わかりやすい案内や一息つけるスペース、きれいなトイレなどの設備への要望がみられました。庁舎へ訪れる方の多くは何らかの手続きを目的にしており、その内容も多岐に渡ることから、分かりやすい案内や動線設計などで解決できることは多いと言えるでしょう。

また近年は、利用者がリラックスできる空間を提供し、庁舎への愛着醸成を目指している自治体も増えています。例えば、地元の木を活用した暖かみのある休憩スペースや飲食スペースがあれば施設利用のきっかけになることも。地域住民に愛される庁舎にするために是非検討してみてはいかがでしょうか。

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