【第2回】自営業の飲食店オーナー104名に聞いた「新店舗オープン時の内装工事にかけた費用」

飲食店 内装 費用

2022.10.31

自営業の飲食店オーナーが内装工事にかけられる予算感

飲食店の開業費用のうち、大きな割合を占めるのが内装工事にかかる費用です。新店舗をオープンさせるにあたり、どれくらいの予算を見ておくべきか悩むオーナーも多いですし、業者側も、お客様の予算感について知っておくと提案が進めやすいでしょう。

そこでDAIKENは、自営業で飲食店を営む方104名に、新店舗オープン時にかかった内装工事費について独自調査を行いました。

お店の広さは大多数が50坪未満、居抜き物件を契約したオーナーが約半数

内装工事にかかる費用は、お店の広さや状態によっても大きく変わります。今回のアンケートでは、約半数のオーナーが「20坪未満」と回答。「50坪未満」「10坪未満」がいずれも約2割で、50坪を超える大型店舗は1割弱でした。

Q.お店の延べ床面積(単位:坪)を教えてください。

契約時の物件の状態については、「居抜き物件」が約半数、次いで「スケルトン物件」が3割でした。前店舗の設備や什器を引き継いで使える「居抜き物件」を活用する飲食店オーナーは比較的多くなっています。

Q.契約時の物件の状態を教えてください。

実際にかかった内装工事は坪単価20万円未満が最多

厨房機器を除く内装工事費が、坪単価でどれだけかかったかという問いに対しては、「20万円未満」が最多で、その次に多かったのは「100万円以上」でした。

Q.内装工事費(厨房機器を除く)について、
坪単価でいくら費用がかかったか教えてください。

これだけ金額の開きが大きいと相場感がつかみづらいかもしれません。そこで、お店の延べ床面積や契約時の物件状態で費用が変わるのかを詳しく調べました。

オーナーのこだわり、内装へかけられる予算で費用は上下する

20坪までの物件では、35名のオーナーが内装工事費を30万円以下で収めていました。
しかし20坪を超える広さでも、居抜き・スケルトン共に30万円以下に収めている方が12名いらっしゃいました(21~50坪:10名、51~100坪:2名)。

対して、10坪以下のスケルトン物件で3名、20坪台の居抜き物件で2名の方が、100万円以上内装工事へ費用をかけていました。

以上のことから、「お店が広いから」「スケルトン状態だから」といって内装工事の費用が上がる訳ではなく、あくまでもオーナーのこだわりや、内装工事にかけられる予算の都合で費用が上下していることが伺えます。

内装工事で一番費用がかかるのは、面積の広い壁や床

内装工事で一番費用がかかった場所について質問すると、「壁」が22.1%、「床」が13.5%、「装飾」が10.6%、「什器」が9.6%、「ドア」4.8%、「照明」2.9%でした。
壁や床はそもそも面積が広いため費用がかかった、という調査結果もうなずけます。

Q.内装工事の中で一番費用がかかった場所を教えてください。

装飾やドアなど、オーナーがこだわっている部分に費用を多くかけるケースもあるようです。「その他(回答数:14)」では以下の回答が挙がりました。

・カーテン
・カウンター
・看板
・換気扇
・棚 など

オーナーがこだわりたい部分には費用をかけるケースも

内装工事に最も費用がかかった場所については、その理由を聞いてみました。最多の回答は「面積が広かった/サイズが大きかった」で36.2%でした。

Q.その場所について、費用がかかった理由を教えてください。

面積に次いで「特殊加工を施した」というオーナーも3割を超えています。意匠面の加工として、最近はエイジング加工が好まれる傾向がある他、コロナ禍で抗菌・抗ウイルス仕様など建材にも様々な機能が求められるようになっています。
また「高級素材だった」「有名ブランド・人気デザイナーのプロダクトだった」などの理由もあり、費用をかけても理想を実現したいという「オーナーのこだわり」も感じられます。

オーナーの要望に応えられるよう柔軟な提案を

今回のアンケート結果からは、多くの飲食店オーナーは内装工事費に30万円程度(/坪)かけていますが、理想のお店作りを実現するためには費用をかけることも厭わないオーナーも複数いることがわかりました。
建築士や内装工事業者は、「広々としたレイアウトにしたい」「高級感のある床にしたい」など飲食店オーナーの要望をきめ細かにヒアリングし、柔軟な提案ができることが望ましいでしょう。