2025年10月6日
※記事内容は撮影当時のものです。
インタビュアー:こにわ(サンミュージック)
☆本インタビューのダイジェスト映像はこちら

“「ずっと ここちいいね」を実現する企業 DAIKEN”として、住宅・建築業界ではおなじみのDAIKEN株式会社(本社:大阪府/本店:富山県)。幅広い分野で活躍しているDAIKENの事業に取り組む姿勢や魅力を伝えていくWEBマガジン「DAIKEN魂!」。
第16弾は、DAIKEN創立80周年記念イベント「EXPAND THE FUTURE 〜DAIKEN TryAngleフェア〜」の潜入レポートをお届けします!
EXPAND THE FUTURE 〜DAIKEN TryAngleフェア〜 概要
創立80周年を記念し、「ずっと ここちいいね」をテーマとした
DAIKENのミライに向けた取り組みを展示するイベントを開催
東京会場:東京国際フォーラム
会期:2025年6月4日(水)〜6月5日(木)
大阪会場:グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)
会期:2025年7月9日(水)〜7月10日(木)

こにわ:みなさん、こんにちは! こにわでございます。
本日は何と、DAIKENさんの創立80周年記念イベントとして開催されている「EXPAND THE FUTURE 〜DAIKEN TryAngleフェア〜」の潜入レポートをすることになりました!
このイベントは東京と大阪の2か所で開催され、東京会場は何と東京国際フォーラム! ここでDAIKENさんのミライに向けた取り組みがバッチリ見られるってことらしいですよ、ワクワクしますね!
それでは、さっそくイベント会場の中に入ってみましょう!!

こにわ:ちなみに、このイベントのタイトルである「EXPAND THE FUTURE」ですが、“EXPAND”が「拡大する・広がる」という意味を持つことから、ネーミングには、「挑戦・革新によりミライを広げる」「成長・発展によりミライを広げる」「共創によりミライを広げる」といった意図があるそうです。
立方体をモチーフにしたロゴは空間をイメージしつつ、面を葉っぱのようなデザインにすることで環境配慮も表現しているとのことです。エコ素材で快適な空間を創り上げていくという姿勢がうまくアピールされていますね。
また、躍動感のある背景はミライに向かって右肩上がりに広がっていく様子を表しているそうです。
これは俄然、DAIKENさんのミライの姿が気になってきましたね〜。
DAIKENの歴史とミライがここに!「ミライの“DAIKEN”を伝える」
こにわ:おお、入口から入ってすぐのところに、前回の「DAIKEN魂!」でお聞きした社名とタグラインの変更について書かれていますね。
これからDAIKENさんが大きく変化していくんだろうなってイメージがよく伝わりますね。
そしてそのすぐ後にはDAIKENさん80年の歴史やグループの変遷などがまとめられています。「DAIKEN魂!」で内容を紹介させていただいたものもたくさんありますね。
こうしてみると、やっぱり創業当時から環境への配慮や、素材・製品を開発する技術力がすごかったということですよね。昔から時代を先取りし過ぎていてびっくりしちゃいます。

こにわ:新長期ビジョン「TryAngle2035」に関しても書かれていますね。来年からの10年でDAIKENさんはどのような姿に進化していくのでしょうか。
DAIKENがイメージする10年後の世界「ミライの“空間”を考える」
こにわ:そして「ミライの“DAIKEN”を伝える」コーナーを抜けた先にある、「ミライの“空間”を考える」ゾーンに来ました。ここでは80年間素材や空間づくりと向き合ってきたDAIKENさんが考える「10年後の空間」が見られるそうです。空間のあり方はどう変わっていくのでしょうか?
「集う」「働く」「暮らす」という3つの切り口で展示されているとのことで、さっそく「集う」から見てみましょう。
●10年後は駅も個性で勝負! 「集う」-駅-

こにわ:まずはここなんですけれども、「集う」を切り口に、ミライの駅をイメージした空間だそうです。10年後には駅に個性が求められると書かれていますが、DAIKENの社員さんに伺います。あらためて説明していただいてもよろしいですか?
DAIKEN社員:はい。駅は「電車に乗る際にただ通り過ぎる場所」という認識の方も多いと思います。また、今後は少子高齢化やテレワークの普及で電車に乗る必要がある方は減少すると言われています。そこで、「目的地」として来てもらえるような魅力的な駅をつくりたいと考えて、DAIKENの表現技術を使ってミライの駅空間を展示させていただいています。
こにわ:何か3つのセクションというか、テーマがあるとお聞きしたんですけども。
DAIKEN社員:はい、ここはDAIKENの創業の地、富山のとある駅をイメージして、「海、山、富山」の3つのコンセプトを表現した空間になっています。

こにわ:おー、いいですね、いいですね。では、この青い床は海ですか?
DAIKEN社員:そうですね、こちらは駅併設のお寿司屋さんをイメージしているのですが、「青海波(せいがいは)」という伝統的な波の文様を木目の床材にデザインしています。これからの商業施設では個性的な柄、空間づくりが求められると思いますので、それを実現できるような新しいフローリングとしてご用意しました。
こにわ:なるほど。ここに一歩足を踏み入れるだけで雰囲気が大きく変わりますね。
そして山というのが……これだ。

DAIKEN社員:この壁は富山の立山連峰をイメージして、DAIKENの和紙(※)畳を使って描いています。
(※)機械すき和紙を使用しています。コウゾ・ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。
こにわ:すごい。まさに畳山連峰ですね(笑)。DAIKENさんの技術によって畳でもこんなにカラフルに。
DAIKEN社員:和紙ですから色付けとか織り方で、いろいろ工夫したデザインのものがあります。
こにわ:なるほどね。そして富山ですよ。

DAIKEN社員:そうですね。富山の海鮮を楽しめるお寿司屋さんです。DAIKENでは今幼稚園などの施設にあわせて下駄箱をつくっていたり、オーダー家具などもつくれますので、こういったカウンターなどもDAIKENで用意しました。
こにわ:面白い。これすごいですね、いごこちもよくて。
DAIKEN社員:材料も地域の材料を使うことをイメージしていて、地域に根差した魅力のある駅づくりを理想としています。
こにわ:今、駅でしゃべっているなんて思えないですよ。何かどこかのロケ地みたいな感じで。

DAIKEN社員:そしてこちらは駅で24時間いつでも薬が受け取れるボックスです。
こにわ:富山県といったら薬売りですからね。わー、すごい。これ携帯でタッチって書いてあります。
DAIKEN社員:そうですね。こちらは処方された薬の情報をスマホにいただいて、それでタッチすると必要な薬が受け取れる。そういったようなエリアになります。
こにわ:働いていると薬の受け取りって大変ですから、夜でも受け取れるのはうれしいですね。カラフルでおしゃれだし、本当に駅とは思えないですね。これは来たくなっちゃう!
DAIKEN社員:そして、最後に中央の待合スペースですね。

こにわ:ごめ〜ん、待った? って感じで使ったりするんでしょうけど、ここなら気分良く待てそうですね。
DAIKEN社員:ベンチの周りにはスギの床材を使っていまして、真ん中の花壇に植えてあるのが富山のチューリップです。過去の「DAIKEN魂!」でも紹介したグロウアースで花壇をつくって、座面の畳にはさざ波をデザインしています。
こにわ:いやーすごい。これなら電車に乗るだけじゃなくて、例えばお食事をしたり、薬を受け取ったり、待ち合わせやちょっと癒やされたいときに畳のベンチに座ってチューリップを眺めたりと、いろいろな目的で駅を使ってもらえますね。

DAIKEN社員:建材、インテリア、そういうものからこういう「コト」をつくっていく。そういったところを提案していきたいなと思っております。
こにわ:いいですね〜。もうロケやめません?(笑) もうここにずっと僕、いたいです、ほんとに。それぐらい素晴らしい空間です。
●10年後はオフィスに行くのが楽しみに! 「働く」-オフィス-

こにわ:そして次はこちらなんですけども、今度は「働く」を切り口としたオフィスをイメージした空間ですね。「10年後は働く場所にバリエーションが求められる」と書いてありますが、これは改めてどういった考え方でしょうか。
DAIKEN社員:昨今、テレワークが一般的になっていてオフィスに来なくても仕事ができる人も増えていますが、来たくなるようなオフィスづくりを考えていきたいということです。でも答えは1つではなく、いろいろなバリエーションがあると思うので、それらをイメージして提案しています。
例えば、この壁の前はコミュニケーションをしやすくするスペースですね。
こにわ:コミュニケーションですか。この壁はいろいろなものが貼られていますね。
DAIKEN社員:ここ、木目の壁なんですが、マグネットでいろいろくっつけられるんです。

こにわ:えっ、あ、本当だ。わぁー、すごい、すごい。ホワイトボードにも好きなアイデアを書いてね。
DAIKEN社員:ここでいろいろなアイデアとか素材とかを組み合わせたりしながら打ち合わせをするなど、コミュニケーションの活性化が図れます。
こにわ:見てください。ほら、誰かがもうアイデア出しをやっているんですよ。
「80周年」「DAIKEN」「TryAngle」「ずっとここちいいね」ってアイデアを書いている。こういうコミュニケーションが図りやすい空間だからこそ、素晴らしいアイデアが出るんですよ。
で、お次は壁の正面にある、犬好きな方が喜びそうなめちゃくちゃ面白いスペースです。これは何でしょう?

DAIKEN社員:こちらはワンちゃんと遊べるスペースです。実はこのオフィス、ワンちゃんと一緒に通勤ができるオフィスという設計なんです。
こにわ:ええっ、すごくないですか。ワンちゃんと一緒に通勤ってなかなか考えがおよばなかったんですけど。でもペットを飼っていると、ちゃんと家でお留守番できているのか心配で、ソワソワしちゃって、勤務中にちょこちょこペットカメラを見ちゃったりするかもしれません。
DAIKEN社員:やっぱり最近は単身で住まう人も増えていますから、ワンちゃんだけお留守番とか可哀そうですよね。会社にこのようなスペースがあると、ワンちゃんを飼っている方も飼っていない方も一緒にワンちゃんと戯れたり、コミュニケーションが取れたりするんですよ。

こにわ:いや、すごいすごい。この光景すごくないですか? 本当に。
DAIKEN社員:そしてワンちゃんと離れて仕事に集中したい場合は、このゲートを閉めてワンちゃんに「ここで待ってて」ってできるんです。
こにわ:そうでした、ワンちゃんに夢中で忘れていました(笑)。オフィスで一番大事なのは働くところです。
DAIKEN社員:ドアは引き戸タイプのものと開き戸タイプのもの2種類があって、奥にある集中して仕事をするスペースに行きたいときは戸を閉めてもらう感じになります。 こちらのドアはちょっと工夫がありまして、電源のオンオフで、視線を調節できるという 機構を入れたドアになっています。
こにわ:はーなるほど。時と場合で切り替えられると。
DAIKEN社員:そして、奥の方のスペースは、五感を快適に過ごしたいという、そういうオフィスになっています。

こにわ:ここは会議室でしょうか、緑がいっぱいですね。気分的にひんやりした感じを受けたんですよ。これは緑の効果ですかね。
DAIKEN社員:やはり木目や緑の量が増えると快適には感じられるので。床材はもちろんですが、天井材と壁材にも採用しています。 あと、壁の緑はマグネットで付けているので簡単に取り外しができます。これは吸音性能がある材料に緑のデザインを加えているのですが、こういったものを好みでオフィスに入れていただいて快適な空間をつくってもらおうと。
こにわ:うわー、すごい。五感をフルに刺激されて快適に過ごせそうですね。
DAIKEN社員:あと、どうしてもオフィスでは声が響きやすくなってしまうので、映像を投影するためのスクリーンも吸音材なんです。でも表面は滑らかな素材でつくっているのできれいに投影できます。
こにわ:えーっ。すごくないですか、ほんとに。これはオフィスに行きたくなっちゃいますね。自分から自主的に、ここに来たいと思わせる、まさに先ほどの駅と一緒で、目的地にするための空間づくりですね。
DAIKEN社員:ありがとうございます。今いる場所が会議室の設定で、次に紹介する隣の部屋が個人のワークスペースになっています。
このワークスペースなんですが、鳥のさえずりが聴こえませんか?

こにわ:ええ、確かにピーピピピって鳴き声が聴こえますね。
DAIKEN社員:こういった自然の音を出して外の雑音とかを聞こえにくくする。そういったことで集中できる工夫をしています。さらにアロマディフューザーも置いて、視覚・聴覚・嗅覚などに対して快適な空間をつくっています。

こにわ:こういうところで仕事ができたら最高ですよね、ほんとに。自分の家にいるより集中力が高まりますよ、いやー、素晴らしいですね。ほんとに空間づくりの大事さを改めて学びました。はじめに伺っていた働く場所のバリエーションという点も納得できました。
DAIKEN社員:そうですね。ワンちゃんが好きな方、自然な雰囲気が好きな方、いろいろな方のパターンに合わせた提案をしていきたいですね。
こにわ:最高です!

●10年後はシェアハウスが大盛況? 「暮らす」-シェアハウス-

こにわ:そしてこちらは「暮らす」を切り口にした空間ということで、シェアハウスなんですね。案内板に「10年後はシェアハウスで暮らす人が増える」と書いてありますけど、それはどうしてなんでしょうか?
DAIKEN社員:今、シェアハウスというと若い方々が住まうというイメージがあると思うんですけど、これから先、単身の方は年代を問わず増えてきます。年配の方でもシェアハウスに住んでコミュニケーションを取りたいと感じる、そういった未来像があるんじゃないかと考えて、このような空間の提案をさせていただいています。
こにわ:なるほど、ここにも書いてありますが、2040年には15歳以上の人口の半分が独身になると言われているんですね。だから支え合う仲間をつくるためにシェアハウスのニーズが増えると。ではさっそくどんなものがあるのか見させてください!
こちらのスペースなんですけれども、何のシェア、誰とシェア、何とシェア、というところなんですが。
DAIKEN社員:はい、このシェアハウスには3人の個性豊かな方が住んでいるという設定をしておりまして、まずこちらは猫好きな方の部屋の前です。

こにわ:壁のステップは全部猫ちゃん用ですか? わ、ドアにも小さい扉が! わー、すごい、すごい。わー、これ、すごいなあ(笑)。
DAIKEN社員:猫ちゃん専用の潜り抜けられるドアですね。壁にある猫ちゃんが登れるスペースも、こうやってマグネットで取り外せるので、自由に設置場所を変えられるんです。
こにわ:わっ、びっくりした。これ、すごい、これ(笑)。素材もいいですよね。
DAIKEN社員:猫ちゃんを飼っている方は可愛らしいインテリアが好きですので、そういったイメージでデザインしています。
こにわ:いやー、面白い。住んでいる人の個性が出ているので、何も知らない方でも「ここには猫好きの方がいるんだな」とかっていうのが分かりますよね。
DAIKEN社員:猫ちゃんは覗き窓から飼い主さんの部屋を見られます。
こにわ:見られているぞ! みんなの仕事ぶりを猫ちゃんに!
しかも温かみもあるんで何か居心地がいいです。いやー、猫になりたいです。私は猫になりたい(笑)。
DAIKEN社員:この近くに来れば猫を飼っていない住人も猫ちゃんをシェアできるようになっています。
こにわ:いいですよね。癒されます。癒されますよ、これは。

こにわ:猫ちゃん好きの方は分かりました。次、ここに住んでいるのはどんな方ですか。
DAIKEN社員:ここは本好きの人が住んでいるイメージでつくっています。
こにわ:わぁ、だからか。これは本棚ですよね、面白い。
DAIKEN社員:そうですね。住人同士で本をシェアして「この本今お薦めだから読んでみて」みたいな形で置くなど、コミュニケーションが取れる場にしていますね。

こにわ:めちゃくちゃおしゃれなんですけど。カフェにいるみたい。ブックカフェにいるみたい。すごいわ。これ、本棚はドアなんですか、これ。
DAIKEN社員:はい。これが開くような設計になっています。
こにわ:すごい。すごい。本好きの方は分かりました。そして今度3人目、これは、あっ、これも何か見たら分かりました、料理好きの方ですか。
DAIKEN社員:そうですね。料理好きな方の部屋のドアになりますね。このドアにはマグネットがくっつくので「今日7時から鍋をやりますよ」とか「皆さん、集まって」とかメモを貼ったりしてコミュニケーションが取れたりもします。

こにわ:シェアハウスのいいところはそこですからね。今日は誰が料理担当で、何をつくってくれるのかなあ、とか。
DAIKEN社員:それでこちらのキッチンで料理もシェアできると。
こにわ:いいですねー!
DAIKEN社員:あと、このドアもう1つ特徴がありまして、ドアの装飾になっている木材なんですが、実はこれ建材をつくるときに出る廃材、端材なんです。アップサイクルしてこういったデザインに使っているんです。
こにわ:ええ、これ端材なんですか? めちゃくちゃおしゃれなんだけど!
DAIKEN社員:料理好きな方は家庭菜園をしたりとか、自然が好きな方は多いですのでそういった方に向けたものです。

こにわ:そして3人の時間が落ち着いたら集まれる、円形のフローリングとソファがセンターにあって。全部がつながっているんで自然なんですよね。誰がどこを行き来してもストレスがないというか、いや、シェアですね。ほんとにみんなが空間をシェアしている。
DAIKEN社員:そうですね。時間と空間をシェアしてみんなが助け合って生きていく。そういったインテリアをイメージしています。
こにわ:素晴らしいです。「集う」「働く」「暮らす」の3つの切り口でDAIKENさんの考えるミライの空間を拝見してきましたけど、いや〜どれもミライが待ち遠しくなるようなワクワク感のある内容でしたね。こんな提案ができるDAIKENさんのミライも明るい!!
建築領域を超えてミライに貢献!「ミライの“素材”に挑戦する」

こにわ:次のコーナーですが、ボードに「ミライの“素材”」という形で大きくタイトルが出ています。
こちらの説明が書いてあるボードには、DAIKENさんが建材領域を超えてミライにどう貢献できるのか、可能性を追求して現在行っている研究開発のタネを展示されているとのことです。
それではまたDAIKENの社員さんにお話を伺いたいと思います。まず、サステナブルな素材開発提供というところで、DAIKENさんはたくさんの素材を開発されているということですが。
DAIKEN社員:はい。DAIKENはこれまで木質資源を有効利用したり、あるいは未利用の鉱物資源の有効利用などをしたりしてきましたが、こちらのコーナーではさらにもっと新しいモノをご紹介しております。
こにわ:まだまだ貪欲に行きますか、なるほど(笑)。
このボードには新規事業領域への挑戦とあります。これまで扱ってこなかった新しい素材の活用や既存素材も今までにない切り口での活用を検討することで、素材・建材領域を超えた新しい事業領域へ挑戦します、ということなんでしょうけど、このグラフすごいですね。
原料から化学、土木インフラや海洋もあるし、バイオまで研究しているんですね。木材ゲノム編集とかすごいですね。これは一体どういうものなんですか?
DAIKEN社員:木材もより良いものに変えていこうということで、DNAを編集するような技術も取り入れて原料から変えていくという研究ですね。
こにわ:ちょっと面白そうだなあと思って聞いたらとんでもないことをしようとしていますね、DAIKENさん。で、さらに2045年に向かっていく中で、リサイクル/リジェネレーション、レジリエンス、情報エレクトロニクスときてからの、宇宙! ちょっと宇宙じゃないですか、これはすごいですね。

DAIKEN社員:宇宙のような究極の環境でも使えるような素材もつくっていきたいということですね。
こにわ:今からこんなにも多彩な分野に挑戦していこうとしているなんて、話を聞いているだけで何か未来がワクワクしてきますよね。
そして次の取り組みとして、資源環境を起点とした研究開発。『PROJECT RING』と書かれていますけど、こちらの説明をしてもらってもよろしいですか。
DAIKEN社員:これはR&Dセンターが掲げているプロジェクトで、我々は研究開発を担当しているんですけど、それを製品設計して、工場でつくって、製品を施工して、製品の寿命がきたら解体する、といったような流れがあります。でもそこで終わるのではなくて、使用後の製品回収から再生利用までも視野に入れた体制を実現するために、資源循環を起点として研究開発を行っていこうというのが『PROJECT RING』です。
その中心には必ず自然環境や生態系があるので、それらの力を借りつつ、自然環境自体もより良くしていこうと考えています。

こにわ:このイラストでも真ん中に自然環境・生態系が入っていますね。自分たちは結局自然のものを使わせてもらっているからこそ、ありがとうの気持ちを返していくことでしょうか。
DAIKEN社員:そうですね。原料調達から使用後の製品回収・再生利用まで、すべての段階において自然環境とは関係がありますので、いただいたものは返していこうということです。
こにわ:リングでありながら全部双方向につながっている、まさに循環のリングですね。これはすごいなあ。
そして最後、リジェネラティブな社会の実現、と書いてありますが、これはどういう意味ですか?
DAIKEN社員:サステナブルという言葉はもう聞かない日がないぐらい広く浸透していると思うんですが、それに続いて注目されているのがリジェネラティブ(Regenerative)で、「再生」を意味する言葉となります。
サステナブルというのは環境がこれ以上悪くならないように維持するようなイメージですが、リジェネラティブは先ほどのプロジェクトリングのところでもあったように、資源がめぐるような取り組みを進めることで自然環境をどんどん良くしていこうという考え方です。
私たちはメーカーですのでやはりつくることが仕事です。ただ、従来の「つくって、壊して、破棄する」ではなく、廃棄物削減(Reduce)、再利用(Reuse)、資源循環(Recycle)により “創る”ことで環境を育てるリジェネラティブな社会の実現を目指して研究開発を進めていきます。

こにわ:なるほどねえ。リジェネラティブ、まさに未来を考えた取り組みなんですね。
あと、ここにも書いてありますが、「技術と熱意で再生可能な資源を活用し、より豊かな未来を築くことに貢献します。」
この熱意、やっぱり気持ちもすごく重要ですよね。
DAIKEN社員:はい、そうですね。
こにわ:持続的に循環するリジェネラティブな社会を実現するために、未来の素材開発にどんどんチャレンジしていくというDAIKENさんの素晴らしい話を聞かせていただきました。ありがとうございます。身が引き締まる思いでございます(笑)。
●DAIKENの技術で海の森を再生!「藻場再生資材」
こにわ:それではここからは素材コーナーの中からいくつかのブースを見ていきましょう。
まずこちらのブースなんですけれども、海の森を再生する……あれ? DAIKENさんって建材メーカーでしたよね。この「藻場再生資材」とは、どういうことですか。
DAIKEN社員:そうですね。今まで私たちは山側で、森を再生するために木材をうまく使っていこうという取り組みをしていたんですけれど、これからは海のほうにも目を向けて、海の森といわれる「藻場」を再生していこうということで今開発を進めています。
こにわ:これは再生資材と書いていますが、資材でそれを叶えていくんですか?
DAIKEN社員:はい、木材の新たな活用の出口として藻場を再生するための資材、そういったモノづくりができないかなというふうに思っています。
こにわ:ちなみに今目の前にあるのがそうなんですか。いろいろ試作品と書いてありますが。硬いんですけど。これ木材なんですか? 石じゃないんですね。
DAIKEN社員:そうですね。試作品になります。結構硬さはあるんですけれども主原料は木材です。これを海に沈めることで海藻が繁茂しやすい着生基盤にしようという試みなのですが、これがいつか海の中でなくなってしまっても環境負荷の少ないものでつくっていきたいというところで木材を選んでいます。
こにわ:これを海の中に入れるんですか。
DAIKEN社員:はい、実際に今、香川県で実証試験も進めています。実験を1月から開始して3か月経って少しずつ海藻が生えそうかなというところが今見えてきているというところです。
こにわ:ほんとだ、ほんとだ。すごいですね。こちらにも書いてありますけど表面のこの凹凸をつくって海藻の種子が付着しやすいようにもしていると。
DAIKEN社員:そうです、はい。おっしゃるとおりで、この木材の凹凸により海藻の種が付着しやすく、育てやすくなることを期待しています。
こにわ:そして、今やっぱり海が危機だと感じているんですか、DAIKENさんとしては。
DAIKEN社員:そうですね。DAIKENとして今まであまり海に目を向けていなかったのですが、調べていくと沿岸の藻場と言われる海藻の生えている箇所が日本中でどんどん少なくなっているという現状が分かりました。そこでこのような取り組みをはじめたのですが、今回の実海域での検証について、漁師さんたちも海が変わってきているという危機感をお持ちなのでご協力いただけているというところもあります。
こにわ:自分たちが今まで築き上げた技術を山側だけでなく、今度は海側でも活用しようという姿勢。地球規模でのDAIKENさんの、まさにみんなで仲良くなろうよという。
DAIKEN社員:広く地球環境を見ようよということですので。
こにわ:すごいですね。これだけ視野が広いDAIKENさんですから、カメラさんも画角を広げてくださいよ!(笑) いや、素晴らしい取り組みでございます。

●古着が新しい素材に生まれ変わる!「衣類由来の高機能素材」
こにわ:そしてこちらのブースなんですけど、古着から家づくり?「衣類由来の高機能素材」ってちょっと待ってください。古着からってどういうことですか。この前に置いてある素材ってもしかして。
DAIKEN社員:そうですね。古着を材料として使っております。
こにわ:えーっ、これが衣類から?
DAIKEN社員:衣類を粉砕して油脂を添加して成型するっていうのはすでにある技術なんですけど、弊社ではちょっと考え方を変えまして、衣類を粉砕する前の段階で布に樹脂を含浸させて、その後粉砕することで従来とは違う布ではない新しいものをつくる技術を開発中です。
こにわ:なるほど、そういうことですね。だから高機能粉砕品という書かれ方をしていますもんね。
DAIKEN社員:はい。そして、どういう樹脂を使うかによって成形品の特長が変わります。例えば、こちらのものは硬い樹脂を含浸させているので硬くなっています。
こにわ:これね、たしかに硬いです。
DAIKEN社員:一方これは柔らかい樹脂を入れているから柔らかくなっています。
こにわ:ほんとだ。こっちは柔らかい! えーっ、すごいですね(笑)。
DAIKEN社員:ですので、どのような樹脂を使うかによって設計の幅が広がるのではないかということを考えています。
こにわ:ここにボードとか高強度の素材がありますけど、しかもこれ古着ですよね。オモシロ!
何か古着とか使わなくなったものがこうして新しいものに生まれ変わる、しかも今までになかなかないような機能が加わって、みたいな。さらにサステナビリティにも貢献できるという。面白いですね、これね。
DAIKEN社員:そうですね、これも今まで捨てられていたものを材料に何かつくれないかっていうところから始まった技術ですから。
こにわ:いや、僕のこのスーツも着られなくなったら、DAIKENさんの技術によって別のものに生まれ変わるかもしれない。すごいわ、これ。

●DAIKENがセメントを進化させる!「シラスを活用したコンクリート用混和材」
こにわ:次はこちらですが、あっこれは、僕も授業とかで学びました! 火山灰でできたシラス台地ってありますよね。そのシラスがコンクリートの救世主というのはどういうことでしょう? 「シラスを活用したコンクリート用混和材」ということですが。
DAIKEN社員:そうですね。弊社では約60年前からシラスを発泡させて『ダイロートン』に、あと30年前から『ダイライト』に利用してきました。
これが火山性ガラスといいまして、発泡する前の原料になります。これを1,000度近くで焼成すると非常に軽い発泡シラス(シラスバルーン)になります。
こにわ:わっ、軽い。こんなに軽くなるんですか。
DAIKEN社員:そうなんですよ。なおかつ燃えないですから、それを建材に入れることによって強度を保持しつつ軽い耐力面材であったり、天井材をつくれたりしている秘密はこの発泡シラスを使ってきたからなんですね。
こにわ:なるほどねえ。いや、すごいです。
DAIKEN社員:これまではこの焼成発泡という技術を使って長年製品をつくってきたんですけど、数年前から私どもが検討している技術がありまして、それは今までの発泡とは全く逆のものなんですよ。
こにわ:えっ?
DAIKEN社員:微粉砕といって、シラスを細かく細かくしていくんです。細かくする前が大体0.1ミリ、100ミクロンぐらいで、大体髪の毛ぐらいの大きさなんですが、それを2ミクロンとか5ミクロンと50分の1ぐらいまで細かくします。そうすることで何が起こるかというとコンクリート、セメントとの親和性が非常に高くなります。
こにわ:そこまで細かくなると仲良しになれるんですね。
DAIKEN社員:そうですね。非常に細かいです。大体おなかにある大腸菌と同じぐらいですね。1粒が顕微鏡じゃないと見分けがつかないぐらい。それだけ細かくすることでセメントとの親和性が高くなって超高強度コンクリートに利用できたり、もう1つ非常に重要な利点で、CO2排出量の削減に大きく貢献できるんです。
こにわ:品質の向上とCO2排出量削減に貢献ですか、いやこれはめちゃくちゃ面白いなあ。
DAIKEN社員:例えばシラスを使うと、通常のセメントをつくるときと比べて10分の1ぐらいまでCO2排出量を抑えられるので、セメントの一部をこれに置換するだけでも大幅に削減できるんです。
こにわ:いや、皆さん。既存の技術でさえすごいのに、それよりももっとすごいことを目指して研究している。これがほんとに「DAIKEN魂!」ですよね。
DAIKEN社員:最後になぜこの研究をやるかということなんですけど、弊社では今まで主に最終製品、いわゆる住宅の内装建材をつくってきました。今度は長年使ってきた火山灰で住宅建材だけではなくインフラ工事の分野にも進出していこうという点と、最終製品ではなくマテリアル、材料を販売していくという新しいチャレンジについて、皆さんに共感していただければ担当者として非常にうれしいです。
こにわ:このチャレンジを皆さん、より楽しみにしていただけたらと思います。ありがとうございました。

●スマートに床を解体可能に?「解体現場で複合材料を分離できる技術」
こにわ:お次はこちらなんですけども、解体、清掃が楽ちんになる「解体現場で複合材料を分離できる技術」ということです。複合材料ってそもそも解体するのが大変なんですか。
DAIKEN社員:はい、そうですね。通常ですと複合材の固定には強固な接着剤を使用していますね。簡単には取れなくなっています。そのため、床材を剥がす際、多くの場合はバールなどで床材をほぼ粉砕してしまいます。その結果再利用がしにくい状態となり、結局は端材のような形になります。さらに下地も傷ついて平滑ではなくなってしまうんです。
接着剤も元々取れるようなものではないので、接着剤が下地に残ってしまったり木目が残ってしまったりで下地が凸凹した状態になります。
こにわ:その状態のまま新しい床材とかは張り付けられないですよね。
DAIKEN社員:そのままでは作業ができないので、一度下地を平滑にする工程が入ってしまいます。その手間を省略できないものかと考えて技術開発をしています。
こにわ:なるほど、そこの発想からなんですね。
DAIKEN社員:はい。で、こちらなんですけど、下地と床材を張り合わせたものです。通常の接着剤を使っているので強固ですよ。
こにわ:おー、結構力を入れていますけど全然取れないですよ、ほら。
DAIKEN社員:そのように普通は取れるものではありません。でも、こちらに対して高周波が出るデバイスを2秒ほどあてると……IHヒーターで鍋を温めるような感じで。 すると、このとおり。
こにわ:おおっ! 取れてる、さっき全然取れなかったのに。すごい、これだったらさっきおっしゃっていたみたいに、粉砕せずにきれいに解体できそうですね。
DAIKEN社員:はい。こちらは床材のほうにアルミシートを挟んでいまして電磁波を当てた時に金属が加熱することによってその熱を利用して接着剤が緩むような設計にしております。
こにわ:これ、変な話ですけど、これをもう1回くっつけたりすることはできたりするんですか。
DAIKEN社員:可能ですね。もう一度接着させて……今熱が加わっているんで温かいんですけど、これがもう一度冷めれば問題なく再利用もできます。
こにわ:全然取れないですね、すごい(笑)。考えられる? 今まで壊すしかなかったのにこんなにきれいに剥がせるようになるなんて。これで1工程なくなってその家に住んでいる人にも安心感があるという。いや、これはすごいよ。でも、僕が松岡修造さんの物真似をやったら多分熱でこれ、剥がれちゃいますからね。物真似しないようにします、今日は(笑)。

●木材に染料でいろいろな機能を付加!「超臨界CO2活用技術」
こにわ:ここは「クリーンに木材を高機能化! 超臨界CO2活用技術」と書かれていますが、この研究について教えていただけますか?
DAIKEN社員:二酸化炭素に温度と圧力を掛けていくとちょうど気体と液体の中間の超臨界という状態になります。液体はものを溶かすことができて、気体は匂いを広げられます。この2つの性質を兼ね備えた状態にした超臨界CO2を活用することで、木材などいろいろな材料に機能性を持たせられるといった技術です。
こにわ:何だかすごい技術ですね。今ここにも染色した素材が出ていますけども。
DAIKEN社員:これは超臨界CO2で染料を溶かして注入したというサンプルで、視覚的に分かりやすいように用意したものなんです。実際はこの染料のような形で難燃や防腐のような機能性のある薬剤を、木材などの材料に注入することによって、その薬剤の機能性を材料に持たせることができます。
こういったことをする場合、これまでは水をたくさん使用しなければならず、当然排液も多く出ていました。この技術なら、水を使用しないですむため排液も出ず、環境面への負荷を低減できるというのが一番の特長となります。まだ始めたばかりでこれからの研究になるんですけども。
こにわ:いや、これはもう「君たちならできる。おめでとう」(笑)。すごい技術よ。DAIKENさんはすごいことをやっているなあって改めて思いました。この技術が進化していけばいくほど、サステナビリティも進化していくんでしょうね。

●DAIKEN技術を活用した繊維強化プラスチック!「バイオマス活用FRP」
こにわ:ここに展示しているのは、鋼鉄の5分の1の軽さで強度はそのままという「バイオマス活用FRP」ということですが、これをちょっと説明してもらってもいいですか。
DAIKEN社員:はい、弊社の和紙をこよりにして繊維にする和紙撚糸技術と、樹脂を木材に注入するWPCの樹脂含浸技術を合わせまして、繊維強化プラスチックをつくったという内容になります。この和紙に樹脂を注入したものがこちらになります。
こにわ:これですか。すごいなあ。まず、めちゃくちゃ硬いんですよ、ほんとに。こんなに硬くなるんですね。
DAIKEN社員:そうですね。やっぱり繊維自体が和紙なので結構強いっていうところがありまして、その性質を樹脂で補ってあげて、繊維強化プラスチックとして硬いものができるという形になります。
こにわ:こちらのボードに書いているみたいにそれが飛行機だったり車だったり、あとは橋とか、そういうものに使っていける未来をまさにこれから目指していくってことですよね。
DAIKEN社員:そうですね。そういった今までなかった事業に携わっていくことを目指して研究開発しています。
こにわ:あとはやっぱり和紙なのでゴミなどが少なくなるのかなっていう気もしているんですけど、その辺はいかがですか。
DAIKEN社員:そうですね。従来使われていた炭素繊維が廃棄しにくい材料なので、和紙だったら使い終わったら燃やして回収できるっていうところが1つの利点になりそうです。
こにわ:いやー、すごいですね。もしかしたら、今後僕たちが利用する乗り物や橋にDAIKENさんの和紙が使われる可能性もあるってことですよね。
DAIKEN社員:はい、そういう未来が来ればいいなあと考えています。
こにわ:いやー、来ればいいなあじゃないです。来ます、おめでとう(笑)! すごいわ。何か考えるだけでワクワクするし、楽しいですよね。

●社会課題をDAIKENが解決!「防音フロア国産材活用」
こにわ:そしてこちらは、多層合板で課題解決ということなんですけども。「防音フロアへの国産材活用」と書いてあるんですが、そもそも国産材は活用しにくかったんですか? そのあたりをちょっとお教えください。

DAIKEN社員:そうですね。従来の防音フロアですと、裏側に溝が入っていて柔らかいクッションが付いているので、木材が吸湿して寸法変化してしまうという課題がありました。国産材は寸法変化しやすいので、従来は使いにくかったんです。
その課題解決法として、層の数が通常5層のところ、7層にして寸法変化を抑えるような基礎設計をすることで、国産材を活用できるようにしています。
こにわ:防音フロアで国産材を活用するためにこんなに研究開発して、サステナビリティにも貢献して。本当に細かいところからもしれないんだけれども、その細かいところが生活する人にとってはめちゃくちゃ大事な要素だから。いやー、すごいですね、本当に。努力したんでしょ、めちゃくちゃ。
DAIKEN社員:頑張りました(笑)。
こにわ:(笑)。褒めてあげてください、皆さん!
●ルーバー素材に国産材を活用!「屋外空間を彩る木質化デザイン」
こにわ:そしてこちらのブースなんですけれども、後ろにあるこれ、ルーバーというものですよね。これってどういったものですか。
DAIKEN社員:はい、細長いバー材を並べていわゆる目隠しをしたりとか、間仕切りに使ったり、天井に付けたりとかしてデザインを彩るようなものをルーバーといいます。
こにわ:こういうデザイン、確かにありますよね、建物でね。
DAIKEN社員:今結構流行っていますね。のっぺりとしたデザインの空間でもルーバーを設置すると立体的な表情を演出できることがありますので、建物のエントランス周りとかちょっとお客さんに見せたいところなどに使われるケースが多いですね。
DAIKENは今までもルーバーをつくっていたのですが、国産材を活用した何かができないかということで、今日は国産材を使ったルーバーを展示しています。
こにわ:どうですか。改めてこの国産材を使う意義というのをちょっと教えてもらってもいいでしょうか。
DAIKEN社員:国を挙げて国内の森林資源を使おうとした時に、国産材の中でもやっぱり多く植林されているスギを使うというのがキーになってくるんですね。
ですが、やっぱりスギって結構柔らかいので使い勝手が悪かったり、外に置くと当然雨とか紫外線とかで傷みが早かったりします。そこをDAIKENの技術で様々な処理をしたり、塗料を塗ったりしてトータル的に耐久性を少し上げたものをご提供できれば国産材活用とか社会実装のお手伝いができるんじゃないかなと思っています。
こにわ:面白いですね。国産材活用という課題をDAIKENさんの技術でクリアしながら、流行りのデザインかつ質がいいものを提供できるという。さすがです。後ろのルーバーが映えて最高のインタビューができました。ありがとうございます。

●木質ボードに合板の特長を持たせた新素材『DIO woodcore』
こにわ:さて、こちらのブースなんですけれども、ボードに書いてあるDAIKENさんのロゴの横に、カナダの赤いカエデマークがありますね。その隣には「DIO」と書いてあるんですが、ちょっといろいろ説明してもらってもいいですか。
DAIKEN社員:分かりました。こちらはDAIKENノースアメリカといって去年の7月に新たにグループ化したカナダの会社になります。実はその会社で我々の技術を使った新しい木質ボードを生産するために準備を進めているんです。
こにわ:なるほど。ここには、商品名が書いてあるんですね。ディオウッドコア?
DAIKEN社員:はい、『DIO woodcore』です。このロゴでこれから売り出すところなんですね。
こにわ:かっこいいですね。改めてどういった製品になるんですか。
DAIKEN社員:こちらは木質ボードでありながらこれまで実現がなかなかできなかった合板の特長を持たせたというところが一番の売りです。
こにわ:なるほどねえ。合板の特長を持たせるのは難しいんですか、それは。
DAIKEN社員:難しいですね。ちなみにこれまでの木質ボードは我々もMDFといった繊維板をやっていますが、それらの技術ではなかなか合板の特長というのは出しにくかったんです。それをついに実現させたというところなんですね。業界初というか、世界初というか、そういうことになります。
こにわ:いや、すごいなあ。これは北米向けのみなのか、日本も含めてなのか、どちらでしょう。
DAIKEN社員:やっぱり木質材料なので、できる限り現地の木材を使って現地でつくって、そして現地で消費するというのがサステナブルですよね。お互いさまですから、こちらもカナダ・アメリカを市場としているので。
こにわ:木の材質が日本と全然違っていたりするんで、これがまた大変ですよね、特長を捉えながら。
DAIKEN社員:そうですね。もともと研究段階では国産の木材を使えないかという観点からスタートしたんですけど、コロナ禍もあって原材料が高騰してなかなか国内で実現が難しかったんです。そこで原料である原木が豊富なカナダで始めようということで何とか実現まで漕ぎつけてここまで来たという感じです。DAIKENの技術をふんだんに盛り込んだものになりますよ。
こにわ:すごいなあ。まさに未来はワクワク! いや、皆さん、楽しみですね。

そして、素材のコーナーはここまでとなりますが、ほかにも紹介しきれなかったブースがたくさんあるんですよ、ほんとに。いやー、DAIKENさんが驚くほど幅広い分野で数多くの研究開発を進めていることがよく分かりました。これはDAIKENさんのミライ、すごいことになりますよ!
音環境の大切さを知る!「ミライの“ここちよさ”を体感する」
こにわ:さて次は「ミライの“ここちよさ”を体感する」コーナーにやってきました。未来のここちよさということですが、DAIKENさんはどのように考えているんですか?

DAIKEN社員:弊社では、次期長期ビジョンの「TryAngle2035」で“快適ソリューション”というものを掲げています。オフィス、住宅・公共施設、商業施設などの人がいるすべての空間において、ウェルビーイング(Well-being)につながる五感の快適性、“ここちよさ”を感じてもらうことを目指した取り組みを進めています。
ここではDAIKENが考えるここちよさってどんなものかということを少し紹介します。
DAIKENは、“ここちいい”快適ソリューションを提供したいと思っていて、そのためにウェルビーイングの実現を掲げています。ウェルビーイングって最近オフィスなどでよく聞きませんか?
こにわ:聞きます、聞きます。
DAIKEN社員:我々はオフィスだけじゃなくてこのウェルビーイングを、住宅でも例えば商業施設でもホテルでも、どこにいても実現できるように、ここちよくて快適な、心身ともに健康的な空間を創造するためのソリューションをつくって提案していきたい。
そのために必要な取り組みとして、まず「コア技術の深化」「施工能力の強化」、さらにグループ会社に工事会社がありますのでDAIKENのグループ全体での能力を底上げする「モノ+工事体制」、さらには「新たな提案方法」としてコト提案、シミュレーションの提案、あとはDAIKENだけではなく、いろいろな企業との共創などを行います。
それによって、まず音の事業から展開をしたいと考えております。
こにわ:なるほど。それで、DAIKENさんの強みである「音」の体感をはじめとした取り組みを見られるということですね。
DAIKEN社員:はい、実際に体感できる場所もありますので、ぜひ。
こにわ:分かりました。じゃあ、さっそくそこに行ってみましょう!

●吸音建材の実力を体感できる!「吸音体感トンネル」
こにわ:こちらは「吸音体感トンネル」ということで、文字通りトンネルのような空間になっていますけども。
DAIKEN社員:そうですね。実際に吸音の効果を体感していただきましょう。トンネルに入ってすぐの付近は、最近のオフィスに多いおしゃれなガラス張りのような環境を再現しています。ここで手を叩いてみてもらえますか?

こにわ:音が響きますね。ただ創立80周年を祝うにはこれぐらい響いた方がいいですかね(笑)(パーン、パーンと手を叩く音)
DAIKEN社員:結構響きますよね。これでWEB会議をやってしまうともう聞こえないです。
会議で話しているこちら側もそうですけど、聞いている相手側も何を言っているか分からない、というのが最近おしゃれなオフィスでありがちな感じです。
そこで、1つ改善してみましょう。ここから先にDAIKENの天井材を張っていますが、何か変わりましたかね?

こにわ:あ、ほんとだ。天井が変わっていますね。手を叩いてみます。……おお、音を吸ってる、吸ってる。何か上に吸われている感じがする! ただ、上には響かなくなった気がするんですけど、まだ横には響いてる感じがするんですよ、何となく。
DAIKEN社員:では、もう少し改善してみましょう。この先のこちら側では、天井に加えて今度は壁に吸音材を入れてみました。どうでしょう?
こにわ:もう手を叩きながら行きましょう(手を叩く音)。すごい! いや、これ、拍手しながらロケできます!
DAIKEN社員:80周年を祝っていますね。
こにわ:僕らは今80周年を祝いながらロケをしています(笑)。おおっ、こちらに来たら全然音が響かなくなって、すごく声が聞き取りやすくなりました!

DAIKEN社員:余計な音を吸収して、聞きたい音だけを聞ける状態にはなると思います。
こにわ:これはすごいですね。
DAIKEN社員:実際このように体感をしていただければ分かりやすいんですけど、なかなか皆さんに体感をしていただくのは難しいので、我々は音の見える化、可視化、可聴化というサービスを始めました。
こにわ:えっ、それもちょっと見ることができたりするんですか。
DAIKEN社員:そうですね。この先でご紹介します。
●音環境を可視化・可聴化!?『音マップPro』

こにわ:トンネルを抜けた先には、「音マップProのご紹介」とあります。
DAIKEN社員:先ほどのように実際に体感すれば分かるのですが、例えばオフィスが移転するような場合に、総務の方が上司に吸音の効果を説明しようとしても難しいと思います。
こにわ:確かに言葉だけではよく分からないかもしれません。
DAIKEN社員:この『音マップPro』なら、設計前の計画段階で音環境の可視化、可聴化をシミュレーションしてマップ化することができます。
こにわ:えーっ、すごい。こういうふうに数値が出てくるんですね。
DAIKEN社員:そうですね。さらに指定した壁の遮音性能とかも音で確認できるので、「実際にオフィスを建てたら音がこのぐらいに聞こえちゃいますよ。もう少し改善しますからそれでいいですか」などといった感じで説明がしやすくなります。
こにわ:すごいね。で、こういうふうに測定をする機械もたくさんあって。
DAIKEN社員:そうですね。さらに入居した後……実はこっちのほうが多いんですが、入居した後に音環境を改善したいといった要望があった場合は、先ほど体感していただいたような吸音材を入れます。
こにわ:なるほど。いやー音の見える化。ほんとに素晴らしい技術ですね、これね。
●ここちよさを追求するDAIKENの基礎研究!「空間快適ソリューション」

こにわ:それでまた場所を移動しまして、こちら、「空間快適ソリューション」と書いてあるんですが、これはいったいどういったコンセプトになっているんですか。
DAIKEN社員:先ほど音に関する研究をいろいろご覧いただいたかと思うんですけれども、実は人の快適性に影響を与える因子というのは、ほかにもたくさんあります。例えば光、明るさであるとか色であるとか、あと暑さ、寒さ、温湿度であるとか、それから匂いなど空気の質などいろいろなものがあります。
弊社は音、聴覚だけではなく五感のすべてに訴えかけるような建物づくりを皆さんにしていただけるように、そのためのエビデンスを揃えて、それに基づいたお客様へのご提案であったり、製品開発ということを進めていきたいと思っております。その基礎研究の様子をこちらのブースでは展示しています。
こにわ:なるほど。じゃあ、ちょっとその模様を見せていただけたらと思います。よろしくお願いします。
●空気の流れが一目でわかる!「空気質・温熱環境測定技術」
こにわ:まず「目に見えない空気のお悩み、見える化します」ということなんですけど、これはどういったものなんですか。
DAIKEN社員:読んで字のごとく、温湿度や匂いのように空気にまつわるお客さまの悩みごとにお応えする準備として、空気を見える化する技術ですね。こちらのモニターを見ていただくとよく分かると思います。

こにわ:こちらですね。あっ、今もうさっそく出ているんですけれども、これは今どういったものを表示しているものですか。
DAIKEN社員:今の住宅って24時間換気のためにドアの下にある隙間、アンダーカットから空気が流れるような仕組みになっているんですけれども、本当に空気が流れていることがわかるように見える化しています。
こにわ:いや、すごい。上の画面はそういった空気の流れが表示されているんですけど、下の画面は矢印がいっぱい出ています。これは何ですか?
DAIKEN社員:実際にどれぐらいの風速で空気が流れているかなど、それぞれ細かいデータで追いかけられるようになっています。
こにわ:なるほど、すごいですね。これが分かることによってどのような提案につなげていきたいのかを教えてもらってもよろしいですか?
DAIKEN社員:例えば空気にまつわる悩みですね。もしオフィスでお弁当を食べている方がいて、本人は気にしていなくても匂いがどこかにたまってしまって周りの方が気になっているような状態。それを空調でどうにかしてあげようと思ったらどういうレイアウトをしてあげたらいいのか、あるいはDAIKENの消臭性能のある建材をどのように使ってあげたら効果的なのかとか。そういう製品開発であるとか使い方の提案に活かすためのテストなんです。
こにわ:そうかそうか! 空気の流れを確認して、どこに消臭系のアイテムを置けば効果が出やすいとか、いろいろ検討できそうですよね。
DAIKEN社員:そうですね。将来的にはそういうコンサルティングみたいなこともできるようになるかもしれません。
こにわ:うわぁ、面白いなあ。今、匂いの話もしましたけど、エアコンや暖房による熱の流れも見ることができれば、より効果的に冷暖房を活用できそうですね。
DAIKEN社員:おっしゃるとおりで、こちらは弊社の冷暖房システム『ユカリラ』を、この技術で評価した形となります。
こにわ:なるほど。はっきりちゃんとデータで出ていますね、これぞ見える化。
DAIKEN社員:通常のエアコンですと暖房をするとどうしても頭の辺りに暖かい空気がたまってしまうんですが、それによってちょっと頭がぼやっとしてしまうことがあるんですね。『ユカリラ』というシステムを使うと温度の分布が違ってくる。足元から早く温まるので。こういうことを見える化して設計に役立てることができたり、お客様とのコミュニケーションに活用できたりします。
●音を活用してここちよさをつくる!「音響による心と身体への効果」

こにわ:そして、こちらなんですけども、その快適さは実は音がつくっているんじゃないの?っていうことで、「音響による心と身体への効果」と書かれています。今聴いている水のせせらぎのような音も関係していますか?
DAIKEN社員:はい、関係していますね。弊社ではこれまで吸音のように、人が生活をしていくうえで「この音は聞こえてほしくない」といった悩みを音響で調整する技術を磨いてきたんですけども、音の効果ってそれだけじゃないですよね。いい音楽を聴いたら気持ちが高ぶったり、すごく盛り上がったりしますし。
こにわ:いやー、そうですよ。ちょっと音楽を聴きながらのほうが仕事しやすいことありますよね。
DAIKEN社員:今後は私たちも音が持つ人の体・心へのプラスの効果、そういったものに着目して、意図的に音を聴かせるといった領域まで含めて研究開発を進めることで、お客様へのご提案に活かしていきたい、そのような夢をここに展示させていただきました。
こにわ:DAIKENさんといえば防音・吸音などがお得意ですけど、逆に快適な空間づくりのために音を聴かせる研究までしているとは。生活のなかで気持ちを高ぶらせる音づくりのための建材開発とか、めちゃくちゃ面白いですね。
DAIKEN社員:ありがとうございます。
●色と光で生活が改善!?「色彩・光環境による心と身体への効果」

こにわ:ということでゲストの方に来ていただきましたけども、あっ、ゲストの方じゃないんですね、これ。
DAIKEN社員:ある意味ゲストの方ですね。
こにわ:(笑)。ちなみに私たちの間にある円筒状の物体、これはどういったものですか?
DAIKEN社員:後ほど、こにわさんにも丸い窓の中を覗いていただきたいんですけれども、照明器具を変えなくても内装の壁の色や床の色、天井の色などを工夫してあげることで室内の光の環境ってものすごく変わりますよね。「それって人の身体にどういう影響があるの?」っていうところをいろいろ実験していまして、その様子をこの窓の中に再現してお客様にご覧いただいています。
こにわ:ちょっと私、覗いてみますね。これ、そのまま覗き続けていればいいですか。
DAIKEN社員:4色出てきますので全部見ていただけたら。
ちなみにこにわさん、白い壁のときってご覧になられてどういう感じがしましたか? 目が覚めるような感じ?
こにわ:ちょっと光が反射してきてパキッとするような感じがありましたね。
DAIKEN社員:実は専用の特殊な照度計で測ってあげると、光が人の身体にどのような影響を与えているのかといった状態が数字で見られるんですけど、白い内装にしてあげるとものすごく人を覚醒させるような効果があるようです。
こにわ:へー、知らなかったです。
DAIKEN社員:例えば、バリバリ仕事をしなければいけないオフィスの執務室は白っぽい色にしたり、休憩する場所はリラックスしやすい色に変えたり、内装の色やテクスチャーを組み合わせることで、もっと面白い光環境の表現提案ができるのでは、と考えているところです。
ほかにも人それぞれ好みがありますので、お客様が色で悩んでいるときに、「この色を選んだらこういういいことがあるかもしれません」といった提案につなげることもできそうです。
こにわ:そういう研究結果に基づいたアドバイスがもらえるのもうれしいですよね。
●誰でも暮らしやすい空間づくり「身体の負荷を見える化する技術」

こにわ:今度は「身体の負荷を見える化する技術」ということで、ドアのレバーハンドルみたいなものが2つ置いてありますが。
DAIKEN社員:よろしければこの左と右のレバーハンドルを、それぞれドアを開けるつもりで触ってみてください。
こにわ:分かりました。ここにドアがあって、開けていくぞということで。
はい、今両方触らせていただきました。圧倒的に右のほうが軽くて、負担がなかったですね。先に左を触ったんで同じようにやったら「全然そんなに力は要らないよ」って感じ。
DAIKEN社員:右がDAIKENのレバーハンドルなんですが、昔からショートストロークといって、少し角度を変えてあげるだけでラクにドアの開閉ができるつくりになっています。
こにわ:そう、そんな感じでした。そして後ろにグラフが出ているんですけど。
DAIKEN社員:はい、実際に筋肉に掛かる負荷の大きさを測定可能な機械で調べてみますと、15%ぐらい筋力負荷が減っていて腕がラクなんです。筋肉への負荷の見える化ですね。
こにわ:毎日いろいろな人が使うドアだから、トータルでものすごい負荷軽減になりますよね。負荷軽減もこうやってちゃんと見える化してくれると、お客様も納得して気持ちよく製品を採用できますしね。
それで、今足元に2つの建材が並んでいるんですけど、なぜこれはここに置かれているんですか?
DAIKEN社員:今日この展示会場を長時間歩いていただいて、地面は固いですし、多分こにわさんは足が相当にお疲れじゃないかと思うんで……。
こにわ:何を言っているんだ。僕はウィンブルドンのベスト8、松岡修造ですよ(笑)。
DAIKEN社員:ここで出ましたね。
こにわ:実際、こにわは結構キテます。もう松岡修造さんの物真似が終わった瞬間に、こにわはガタガタです。しかも革靴も履いていますんで。
DAIKEN社員:ちょっとこの畳の上に乗ってみていただいてもいいですか。靴のままで大丈夫です。

こにわ:すみません、じゃあ失礼してまずは畳。はぁー、柔らかい(笑)。柔らかいなあ。踵の辺りから結構ちょっとずつ痛みが出始めてたんですけど、やっぱりこれ、いいですね。
DAIKEN社員:次はお隣の板の上に。
こにわ:あー、硬い、硬い。はい。硬い。全然違うわ。いや、こんなに違うんですね。こうやって実際に実験をやってみると。
DAIKEN社員:このような実験をすることで分かってくることもありまして。
例えば医療施設などで働かれているワーカーの方って結構立ち仕事が多いんです。一日中立っているか、歩き回っていないといけない。そういう方々が働く職場を設計する際に、今後はこういった配慮もしながら空間を選ぶような時代が来るかもしれないですね。
ほかにも、建材を扱う職人さんたちへの身体の負荷を見える化して、工事するときに軽くて運びやすく、施工しやすい建材の開発も目指しています。
こにわ:これまで以上に建物をつくる方、利用する方、みなさんの身体の負荷を考慮した使いやすい建材づくりを期待しています。
●生産性をあげるなら休憩も必要!「疲労や集中力を見える化する技術」

こにわ:そしてここは、仕事や勉強が捗る空間……ちょっと待ってください、「疲労や集中力を見える化する技術」ですか。すごいところまで来ているわ。
DAIKEN社員:こちらでは先ほど身体の疲れを見える化する技術って伝えたんですけれども、頭の疲れ、心の疲れ、で、具体的には脳を流れる血の流れ、脳血流ということで測っていきます。社員に実験に参加してもらって簡単なテスト問題をずーっと解いてもらったのですが、だんだん頭が疲れてくると数値が下がってくる。
こにわ:いや、ほんとに脳血流が下がっていますね。
DAIKEN社員:でもずっと問題を解いてもらった方と時々適切な休憩を挟んでもらいながら解いてもらった方とではやはり疲れ方っていうところに差が出るんですね。休憩を適宜取っていただいたほうがより普段の状態に近くなります。
DAIKEN社員:例えばオフィスを設計する場合、どうしてもメインで過ごされる執務空間ばっかりに目が行きがちなんですけど、こういったエビデンスが上がってくると「ちゃんと従業員の方が休憩されるところとかリラックスできるようなところもつくってあげたほうが働く方にとってもよくて、生産性が上がりますよ」といった提案もしやすくなります。
こにわ:なるほどね。で、それもただつくればいいだけじゃなくて、より快適に、より安心・安全にというところも加えるとDAIKENさんが今まで培ってきた技術そして開発してきた製品、建材が役立てるというところですよね。
DAIKEN社員:はい、そうですね。そして、建物の設計をされる方がお客様に寄り添っていい提案がしやすくなるように、DAIKENでも引き続きいろいろな研究をして、十分な説明ができるエビデンスづくりを行っていきたいと考えています。
DAIKENの新たな基幹シリーズが登場!「2025年新製品」コーナー

こにわ:そしてこちらは「2025年新製品」のコーナーということで、これは何があるんですか?
DAIKEN社員:はい。これまでは住宅向けの内装建材で『hapia(ハピア)』というシリーズがあったんですけれども、今年リニューアルしまして新しく『ieria(イエリア)』というシリーズに生まれ変わりました。あわせて公共商業施設向けの室内ドア『OMOIYARI』というシリーズもリニューアルしましたので、それらを展示しております。

こにわ:じゃあ、ちょっとご案内をしていただけたらと思います。お願いします。
●DAIKENの新製品が満載の空間展示をチェック!

こにわ:こちらはDAIKENさんの新製品を採用した空間展示的なところですかね。たくさん新製品がちりばめられていると思うので、それぞれご紹介いただいてもよろしいでしょうか?
DAIKEN社員:では建具(ドア)からご紹介します。この建具は墨を流したような柄が特徴的な新色のスロウベージュという柄になります。今回それにあわせて枠の柄にも黒色を追加しています。二方枠というんですが。
こにわ:このドア、上の枠がないんですか?
DAIKEN社員:はい、天井の上枠がなくて天井の高さまであるものがちょっとトレンドにもなっていまして、空間に開放感を与えるような演出ができます。
こにわ:いや、面白いなあ。ちゃんとトレンドを押さえながらも、DAIKENさんの培った技術で品質も担保されているから安心ですよね。ほかはどうでしょうか。
DAIKEN社員:この建具の柄と連動して、フロアの柄も新しく追加しています。
また、弊社には『MiSEL(ミセル)』というシステム収納のシリーズがあるんですが、その扉の柄に同じくスロウベージュという柄を追加しております。
こにわ:この収納棚ですね、すごいすごい。扉を開いて、中もしっかりきれい、うわー、いいな、いいな。
DAIKEN社員:最後がこの壁材、『グラビオエッジ』というシリーズがあるんですけど、その中の「フルッソ」というデザインにブラックの柄を入れました。
こにわ:おしゃれだなあ、これ。ここだけ見たらおうちの壁とは思えない。まるでカフェみたいな。DAIKENさんの製品は良い商品がいっぱいありますけど、常にトレンドを取り入れながらラグジュアリーな雰囲気だとか高揚感を持たせるような色柄も追加されて、ますます欲しくなっちゃいますね。

今、このソファに座って部屋を眺めていたら、何か勝手に出世したなと思ってしまいました。非常に素晴らしい空間をありがとうございます!(笑)
●DAIKENの内装建材がリニューアル!『ieria(イエリア) リビングドア』

こにわ:ということでこちらの黒いドアは新製品ですよね。これはいったいどういったドアになりますか。教えてください。
DAIKEN社員:こちらは新しい住宅向け内装建材シリーズ『ieria(イエリア)』のリビングドアで、「二方枠ドア」というタイプの製品となります。扉の上枠がなく、天井高いっぱいまで広がるハイドアになっています。
こにわ:高さがあるってめっちゃいいですね。見た目がすっきりしていて、上枠がないので扉と天井の隙間からやわらかな光が取り込めると。隣の白いドアはどのような感じでしょうか。
DAIKEN社員:こちらも天井高いっぱいのドアなんですが、先ほどは開き戸のタイプ、こちらは吊り戸のタイプになります。
こにわ:これはこれでまたいいですね。何か動きもすごいスムーズに感じるなあ。天井高までいっぱいあると見た目や雰囲気も含めてどういった効果が期待できますか?
DAIKEN社員:開放感のある空間を演出できる、リビングの顔になるようなドアになってくれると思います。
こにわ:なるほどね、リビングの顔になると。めちゃくちゃいいですね。
今から牛乳をいっぱい飲んだらこれぐらいまで背が伸びるのかな。そうしたら「DAIKEN魂!」の顔になれるでしょうか、僕(笑)。
天井高まであるドアってなかなか見たことがないんで、こういうのを見ると実際いいなあって思いますね。
●大きな施設でも使いやすい! 室内ドアシリーズ『OMOIYARI』
こにわ:そして、こちらは公共・商業施設向けの新製品ということですが。
DAIKEN社員:『OMOIYARI』という室内ドアシリーズの「吊戸・4枚引分 インセットタイプ」という製品で、この大きな開口部が特長となります。よかったら一緒に開いていただけますか?
こにわ:はい、すごー!
DAIKEN社員:開くとすごい広さですよね。

こにわ:これは広い! 介護施設とか人の出入りの多い商業施設みたいなところにめちゃくちゃ良くないですか、これ。
DAIKEN社員:ホールですとか葬儀場ですとか、たくさんの方が出入りするような場所で使っていただくドアになっております。
こにわ:そういうところは結構大きなものを運んでいかなきゃいけなかったりするので。例えば介護施設はベッドとか。あとはこれ、段差もないので足も引っかかることがないし、物運びするときとかも便利ですよね。
DAIKEN社員:吊り戸なので、レールがないような仕様になっております。
こにわ:そして閉まるときも……。
DAIKEN社員:はい、扉がゆっくり閉まるようになっています。
こにわ:すごいですね。ただ1つ難点を言っていいですか。2人で扉を開けると離れちゃうんですよ、相手と。だから閉めましょう、いったんね。閉めて近づきましょう。はい(笑)。

でも思いやりが詰まったこの新製品、素晴らしいですね、やっぱり。さすがDAIKENさんの思いやりを感じました、ほんとに。
他の企業と共創して新しい価値を生み出す!「共に創るミライ」

こにわ:さて次のコーナーは「共に創るミライ」ということで、どういった共創をされているのか、ちょっと教えてもらってもいいですか。
DAIKEN社員:こちらのコーナーではDAIKENとほかの企業さんとの共創によって、新しい価値を生み出すような取り組みをご紹介させていただいています。
建材業界だけでなくて違った業種の方ともコラボレーションすることで、我々にとっても新しい発見がありますし、他社さんにとっても今まであまり考えたことのなかったような取り組みが一緒にできるという意味で、非常に共創ということの力を感じている次第でございます。
こにわ:なるほど。それでは代表的なものをお教えいただけますか。
DAIKEN社員:はい、それではこちらにお願いします。

こにわ:さあ、共創活動を紹介しているブースに来たんですけども、非常にたくさんの事例がありますね。今回はこの「point 0 marunouchi(ポイントゼロマルノウチ)」について過去の「DAIKEN魂!」でもちょっと話を聞いたのですが、あらためてお話を伺ってもよろしいですか?
DAIKEN社員:はい。東京の丸の内に「point 0 marunouchi」という企業共創型のコワーキングスペースがあるのですが、参画企業のブースはガラス張りの部屋になっていまして、いろいろな企業が垣根なく交流できるスペースになっています。そこから生まれたアイデアなどはすぐにこのオフィス空間で実証実験として試すことができるようになっているんです。
こにわ:すごいですね、まさに共創。面白いですね。
DAIKEN社員:ですので、そこから生まれたアイデアを試して実際に製品化するといった流れを、非常にスピード感をもって実行できる場所なんです。
弊社では、建物の内装を木質化することによって生産性が上がるのではないかという考えのもと研究を進めていたのですが、その効果を測るのが我々だけでは難しいため、大学や参画企業さんの力をお借りしました。そうしてpoint 0の中で実際に働いた方の脳の血流を測ったり、働いた印象のアンケートを取ったりすることで、内装を木質化することがどれだけ働く環境にとって大きいのかを検証させていただきました。その過程で試作品の検証も行い、実際に製品化に結びついたものがあります。こちらは今年の6月に発売するマグネット付きのパネルなんですけれども。
こにわ:あ、それ先ほど「働く」コーナーでも見ました! おしゃれですよね。
DAIKEN社員:これは木質化の効果もありながらプラスで音環境を改善する効果もあるパネルです。音が同じ場所で跳ね返ってしまうと不快感として耳に残ってしまうんですけど、それを拡散させる効果があります。これによって部屋の中が快適な音環境になり、内装の木質化も図れるという、共創から実際の製品として発売に至った製品の取り組みとなります。
こにわ:これをスピード感抜群でここまで来られたのは、やっぱり共創の力ですね。素晴らしいです。
今お話を聞いて、共創って何がいいのかなと思ったときに、あらゆるジャンルの皆さんとともに創っていくという作業の中で、新しい知識が入ってくるところでしょうか。
DAIKEN社員:我々の知見ではない意見をいただけますので、そういったことを活かしながら取り組んでいけるところがいいところだと思っています。
こにわ:いや、もうはっきり言いますけれども、これ世界最強じゃないですか。おめでとうございます。本当に世界最強です(笑)。この共創は素晴らしい!
そして、こちらの共創のコーナーにはほかにもたくさんの取り組みが展示されていますが、ここでご紹介できるのはここまでです。いやーすごい取り組みばかりなのでもっと紹介したかった!
●DAIKENとお客様との共創!「DAIKENとつくるミライの木」

こにわ:ついに出口の近くに来たんですけども、でっかいなこの木。何ですか、この木は?
DAIKEN社員:こちらはDAIKENの新しいコーポレートメッセージである「ずっとここちいいね」にちなんで、参加者の方にお願いして、展示会の中で「いいね」と思ったコーナーに葉っぱのシールを貼っていただいています。
こにわ:わー、これ最初、葉っぱはまったく無かったわけですよね。それがこんなにたくさんの葉っぱが集まったんですか。

DAIKEN社員:はい。はじめはこの裸の枝だけだったのですが、この2日間で多くの方にたくさん貼っていただいたのでモコモコになりました。
こにわ:すごいなあ。DAIKENさんの築き上げてきたものがこうやってみなさんにいっぱい伝わったっていう証でもありますよね。僕も貼らせてもらっていいんですか?
DAIKEN社員:よかったらお願いします。
こにわ:こうやって皆さんの想いが形になっている。となると、これを見るとやる気とかモチベーションが上がりそうですよね。
DAIKEN社員:そうですね。モチベーションがどんどん湧いてきます。
こにわ:ですよね。いや、素晴らしい木でございます。見てください、皆さん。どーんと立派な。これがDAIKENさんの未来を担う木でございます。僕も貼らせてもらおうっと!
インタビュアーこにわ イベントの感想
こにわ:ということで、今回はDAIKENさんのイベント、「EXPAND THE FUTURE 〜DAIKEN TryAngleフェア〜」の東京会場にお邪魔させていただきました。
いや、めちゃくちゃ楽しかったですね。DAIKENさんが考える未来の姿。これをいろいろな角度から見られたのがすごく楽しくて、2025年現在のさらにその先のことも見えました。未来への取り組みについても、今までで築き上げたものを活用していっているので、これまで僕が取材させてもらってきたことの学び直しができたのもほんとに楽しかったですね。
そして会場内も大盛況で、一度会場外に出たときも入口付近にすごい人数が並ばれていて、DAIKENさんめちゃくちゃ注目されているなあ〜と感動しました。

創立80周年、本当におめでとうございます。でもこれはあくまで通過点だと思いますよ。さらに未来へ向けて様々なことに挑戦していこうとしているDAIKENさんの姿、これがものすごい頼もしさと共に何か皆さんがワクワクしている。これ、自分たちもどうなっていくんだろうっていうところも含めて見えました。改めてDAIKENさんは10年後、20年後さらにすごいことになりますよ! 今後の動向に注目ですね。
それでは今日は1人で締めのセリフを行かせていただきます。「DAIKEN魂!」

そして、「DAIKENとつくるミライの木」は、最終的にここまで大きく育ちました!

東京会場

大阪会場
たくさんのご来場、誠にありがとうございました!