和紙畳とは
イ草畳との違いやメリット・デメリット、価格、色などをご紹介

和紙畳とは イ草畳との違いやメリット・デメリット、価格、色などをご紹介

日本の伝統的な床材である畳は、長年にわたって自然素材の「イ草」で作られてきました。しかし、近年の住宅事情やライフスタイルの変化に伴い、新たな素材として「和紙畳」が注目を集めています。和紙畳には従来のイ草畳と異なる特性があり、現代の住環境に合った様々なメリットをもたらしてくれます。この記事では、和紙畳とイ草畳との違いや特徴、価格の違いなどを紹介します。畳を新調する際や畳スペースの導入を検討する時の参考にしてみてください。

イ草ではなく和紙でできた畳とは?

イ草ではなく和紙でできた畳とは?

畳は昔から主な材料に「イ草」を使ってきました。その自然な質感や香りで知られるイ草は、日本の住宅文化に深く根付いています。しかし、近年は国内のイ草生産量が減少傾向にあります。このような背景を受けてイ草に代わる素材として登場したのが「和紙畳」です。

和紙畳(※)はイ草の代替素材として開発されたもので、和紙をこより状に巻いて樹脂コーティングした素材で作られており、イ草の風合いや質感を再現しながらも高い機能性を持った工業生産品です。イ草畳は特有の香りが魅力ですが、湿気を吸収しやすく、ダニやカビが繁殖しやすいなどのデメリットも指摘されていました。しかし、和紙を使用することでイ草畳の持つ自然な美しさを保ちつつ、様々な機能性を加えることが可能になりました。例えば、色褪せが少ない、耐久性が高い、カビやダニに強いなど、現代の住環境にマッチする特性が和紙畳には備わっています。

これらの特徴は湿度が高い地域での使用にも適しており、畳の新しい選択肢として注目されています。

※DAIKENの和紙畳とは:機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。

和紙畳のメリットやデメリットは?

和紙畳のメリットやデメリットは?

和紙畳にはイ草畳に比べて多くのメリットがありますが、一方ではいくつかのデメリットも見られます。

和紙畳が持つ最大のメリットはその耐久性です。傷つきにくく、ささくれにくいため、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。また、汚れや日焼けに強く、撥水性があるため、水濡れにも強く、お手入れが容易です。これは忙しい現代人にとって大きなメリットと言えるでしょう。さらに、イ草畳よりもカビやダニの増殖が大幅に少なく、抗菌性能を持つものもあります。このように、衛生面での優位性があることも、和紙畳の大きな特徴です。

また、和紙畳の寿命は非常に長く、表替え時期は約10年ごと、寿命は20年以上とされています。これに対して、イ草畳は3〜5年で裏返しを行い、表替えが7〜10年ごとに必要です。そのため、和紙畳は長期的な見地から考えれば、経済的なメリットもあると言えるでしょう。さらに、床暖房対応タイプの製品もあるため、現代の様々な住宅にも採用可能です。加えてデザインや色も現代のライフスタイルにマッチするカラフルなものが豊富に揃っており、選択肢の幅が広いのも魅力です。

しかし、一方で和紙畳にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きなものはイ草特有の香りがないことです。伝統的な畳の風情や持ち味を好む方にとって、和紙畳は物足りないかもしれません。また、イ草畳よりも価格がやや高めという欠点がありますが、メンテナンス費用があまりかからないため、長期的に使用するならば大きなデメリットとはなりません。

和紙畳は耐久性やメンテナンスのし易さ、衛生面での優位性など、多くのメリットを持ちますが、イ草畳特有の香りや伝統的な風合いを完全には再現できません。ライフスタイルに合わせた畳を選ぶ際には、これらの点を考慮することがとても重要です。

和紙畳は現代の暮らしに取り入れやすい床材

和紙畳は現代の暮らしに取り入れやすい床材

和紙畳は、その特性から現代の住宅に取り入れやすい床材として注目されています。イ草畳と比較して、和紙畳には数々のメリットがあり、価格がやや高いものの、長寿命と低メンテナンスの観点から長期的に見ればコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。衛生面や耐久性の高さから、子どもやペットがいる家庭でも、安心して使用できることも選ばれる理由の一つです。

また、現代の住宅に合わせやすい豊富な色とデザインも和紙畳の大きな魅力です。洋風のリビングに畳のコーナーを作る場合や、モダンな空間に和の要素を取り入れたい時に、和紙畳は有力な選択肢の一つとなります。ダイケンの和紙畳は様々なインテリアスタイルにマッチする色やデザインが豊富に揃っているため、和室だけでなく洋室にもスムーズに馴染みます。これにより、それぞれのスタイルに合った新しい和の空間を創り出すことができます。

まとめ

伝統とモダンを融合させた和紙畳。イ草畳特有の香りや自然な質感を完全には再現できないというデメリットがある一方、耐久性が高い、メンテナンスが容易、カビやダニに強いなどの大きなメリットがあります。価格はやや高めですが、長期的な視点で見れば経済的で、現代の住宅に合わせやすい豊富な色やデザインも魅力です。畳を導入する際には、和紙畳も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

※ここに掲載されている情報は2024年2月9日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。