フローリングの床のワックス塗りは何のため?
上手な塗り方・手順方法は?
フローリングの床はワックスをかけた(塗った)方がよいといわれています。
床にワックスをかけた方がいい理由とワックスの塗り方の手順とコツ、専門の業者に依頼するという選択肢もあることをご紹介し、実際の使用方法や目的、そして抑えておくべき塗り方のポイントなどを解説していきます。
床にワックスをかけた方が良い理由
まずワックスを塗る目的は2つあり、1つ目がキズなどを防止する機能性、2つ目が美観を保つためのデザイン性になります。
フローリングをキズや汚れから保護するため
1つ目の目的は、床の表面を汚れや傷から保護するためです。
フローリングの表面にワックスを塗ることで、表面に被膜ができて人が歩いたり、椅子を引きずったりすることによる細かいキズがつきにくくなります。
また、フローリングは元々木材が原材料で作られていることから、水分を吸いやすい性質があります。
元々表面にコーティングがしっかりされているフローリングでも、フローリングとフローリングの継ぎ目部分(さね)から水分が入り込んでしまうとカビや変形の原因になります。
しかし、ワックスはそういった水分からもフローリングを守ってくれる効果もあります。
床材の美観を保つこと
そしてワックスを塗る2つ目の目的は、キレイを長持ちさせることです。
ワックスがけを行うと、床の表面に光沢が出てキレイに見えることから、部屋の印象も明るくキレイなイメージになります。
一般的にワックスがけが必要なフローリングの場合、1年に2回程度を目安にワックスがけをすることで、キレイな状態を保ちやすくなります。
参考:日本DIY・ホームセンター協会
そして3年に1度ぐらいを目安に、もしくは汚れなどが目立ってきた段階でワックスを剥離させ、再塗装するとフローリングを保護し長持ちさせることにもなります。
また、無垢材のフローリングは、定期的にワックス(もしくは塗料やオイル)を塗ることで、長持ちするだけでなく経年の色の変化や素材そのものの変化を楽しむことができます。
ワックス塗りの手順および注意点
それでは続いて、ワックスかけの手順および、塗る時のコツを見ていきましょう。
<手順とコツ>
①ワックスをかける前に準備として掃除機などで床表面や目地のゴミ、ホコリを掃除し、床用洗剤で汚れや油分を拭き取ったあと、水拭きで洗剤を取り除く
②床表面や目地をしっかりと乾かす
③ワックスを洗面器などに入れ、きれいな布や専用ワイパーに含ませ、したたらない程度にしぼる
④木目に沿ってうすくムラなく塗っていく(目地にワックスがたまらないように)
⑤ワックスは時間をかけて1時間ほど自然乾燥させる。完全に乾くまで上を歩いたりものを置いたりしない
<注意点>
- ワックス塗りは天気の良い日に、窓を開けて風通しが見込める日に行う(5℃以下、もしくは高温多湿の日は避ける)
- 自分で作業するのがむずかしいと感じたらクリーニング業者等に相談をした方が無難です
- ワックスをかけると床本来の性能(防滑性、抗ウイルスなど)が隠れてしまいますので、ご注意ください。
フローリングの床材に適したワックスの種類は?
ワックス製品は「家庭用品品質表示法」において、適正な種類と含有率が1%以上の主要成分を表示するとされています。表示されているワックスの成分と種類を見ることで、ワックスの特徴が分かるでしょう。
ワックスには、主に次の3つがあります。
名前 | 種類 | 用途 |
---|---|---|
水性ワックス | ろう、油脂、合成樹脂などを水に溶解、乳化または可溶化したもの | 幅広い種類のフローリング・床材向けなど |
乳化性ワックス | ろう、油脂、合成樹脂などと有機溶剤を水に乳化したもの | 無垢フローリング向けなど |
油性ワックス | ろう、油脂、合成樹脂などを成分とするもので前2項に掲げるもの以外のもの | オイルステイン仕上げやロウ仕上げの床向け、無垢フローリング向けなど |
水性ワックス
ろうや油脂、合成樹脂などを水に溶かして(あるいは乳化させて)作るワックスです。 ただし、水性ワックスといっても主成分が何かでその性質は変わってきます。 まず主成分が合成樹脂の水性ワックス(「種類:水性(樹脂系)」と表示されている製品)があります。水性(樹脂系)のワックスは、幅広い種類のフローリング・床材に使用できる製品です。「フローリングに光沢がでる」「からぶき不要」など利便性が高く、現在ではとてもよく使われているワックスです。ただし、無垢フローリングなど一部のフローリングには使用できないため、ワックス製品ごとに塗り方・注意書きなどをよく確認してください。 一方、同じ水性ワックスでも主成分が「ろう」の製品もあります。こちらは単に水性ワックスと呼ばれることが多いですが、水性(樹脂系)ワックスとは違い、床に光沢を出すためにはワックスを塗った後で乾拭きが必要です。コストは安いですが耐久性が低く、ほかのワックスと比べて滑りやすいなどのデメリットがあるため、最近ではあまり使われていません。
乳化性ワックス
乳化性ワックスは、ろう・油脂・合成樹脂などと有機溶剤でできているワックスです。乳化性ワックスは、無垢フローリングなどの床に適しているものが多いです。光沢などの見栄えを良くするというより、汚れやほこりから床を保護する目的で使用されています。
油性ワックス
ろう・油脂・合成樹脂などを成分とするもので、水性でも乳化性でもないワックスは油性ワックスに該当します。オイルステイン仕上げやロウ仕上げの床向け、無垢フローリング向けなどの製品があります。
このように、ワックスには様々な種類があります。フローリングでワックスの塗り方に迷ったら、まずは床材メーカーが推奨するワックスはなにか確認しましょう。特に、メーカーの無垢フローリングは塗装の種類に合わせてワックスの種類や塗り方を選ぶ必要があります。よく分からない場合は、ホームセンターなどで相談してください。
ワックス塗り不要のフローリングもある
さて、このようにワックスがけは手順も多く、家具などを一旦移動させるなど意外と大変な作業です。
ただ、昔のフローリングはワックスがけが必要なタイプが多くありましたが、最近の複合フローリングは、ワックス不要なタイプが主流になってきています。
商品にもよりますが、市販のワックス材より強力な塗膜処理がされていることもあり、高いコーティング効果があり、ワックスがけが不要となります。
今住んでいる家ではワックスがけが面倒くさい!といった悩みがある方、もしくはリフォームでフローリングも変更を考えている方は、このようなワックス不要のフローリングがあることも覚えておくと良いでしょう。
ワックス不要のフローリングであれば、定期的なワックスがけという手間がなくなるメリット以外にも、キレイが長続きしやすいデザイン上のメリットも大きいです。
まとめ
フローリングにワックスがけが必要な主な理由は、キズなどを防止することや美観を保つためです。
上手なワックスの塗布方法も解説しましたが、DIYで行うと家具の移動などが面倒だったり、乾くまで待機する必要があったり、ニオイが気になるといったデメリットが多くあります。 そのため、ワックスがけが不要なフローリングへのリフォームは、お手入れの手間を省き、労力を減らしてくれます。
ワックスがけが面倒という方はこの機会にリフォームでワックス不要の床材に張り替えることなどを検討してみても良いでしょう。既存の床の上に貼る薄物の床材なら、大掛かりな工事が不要です。
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※ここに掲載されている情報は2024年7月時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。