床がベタベタする原因と対策は?
予防法も知っておこう

フローリングの床は気温の高い時期などにベタつくことがあります。
床のベタつきは様々な原因で発生します。床のベタベタをとる方法と予防法を原因ごとにまとめ、掃除がしやすくワックス不要な床材についてもご紹介します。

床がベタベタする主な原因は3つ

床のベタベタを取る方法は、その原因によって異なります。床がベタベタする主な原因は「湿気」「油脂」「ワックスの劣化」の3つです。

それぞれの原因に関して詳しくみていきましょう。

①湿気

湿気

特に空気中の湿気が多くなる夏場に多い原因です。

床は基礎下の涼しい空気の影響などで、比較的空気に対して冷たい場合があります。 このとき、冷たい床材によって空気が冷やされることで、空気中に含まれている水分が床材に付着し(結露と言います)、その水分によって床材表面がベタベタする原因になります。

夏場や梅雨時期に発生することが多いですが、季節を通して雨の多い日本では対策に悩む原因ともいえるでしょう。

②油脂

油脂

人の体(主に足裏)から出る皮脂や、調理中に跳ねた油や煙に含まれる油が空気中を舞って床に付着することが原因でベタベタすることがあります。

特にキッチン周辺は調理油がはねてベタベタするため、清掃を頻繁にしておきたい場所でもあります。

油脂の場合は、放置しておくと夏場はカビの原因にもなりますので、注意が必要です。

③ワックス

ワックス

3つ目は床材を綺麗にしたり保護するはずのワックスです。

床の表面にかけたワックスの被膜が劣化することで、部分的に剥がれてワックス自体の成分がベタベタの原因となる場合があります。

市販品のワックスを、DIYで塗るとムラが出たり、短期間で剥離してきたりすることもあり、こまめなメンテナンスが必要になってきます。

床のベタベタ対策と予防法は原因別に

それでは、床のベタベタを取る方法、予防法を原因別に見ていきましょう。

①湿気によるベタベタの落とし方

一番の対策は乾いた雑巾などで乾拭きして、フローリングの表面に付着した水分や汚れを取り除くことです。
水拭きした後は必ず乾拭きをして水分をしっかり拭き取りましょう。

予防法としては換気をすること、もしくはエアコンで部屋の温度を下げることです(夏)。

部屋の温度が下がると床との温度差が少なくなり、結露が発生しにくくなります。

また、床にホコリが溜まっていると湿気を吸収しやすいため、こまめに掃除をすることも効果的です。

②皮脂、油汚れによるベタベタの落とし方

油脂によるベタつき対策

ベタベタの度合いが軽い場合は、雑巾で水拭きしても落とすことができます。
油汚れによるベタベタの落とし方でより効果的なものは、次のような方法になります。

1.乾拭きでホコリやゴミを取り除く
2.住宅用の洗剤や床クリーナー(いずれも中性)を含ませた雑巾で、ベタつく部分を拭く。

中性洗剤を使うことで、より一層ベタつく汚れの除去が期待できます。

それでも取れないしつこい油汚れ(キッチンまわりなど)のベタベタは、落とし方を自分で考えるのが難しいかもしれませんので、クリーニング業者に相談して清掃などを施した方が良いでしょう。

油汚れによるベタベタの予防法としては、裸足で床を歩かないようにすることと、こまめに掃除することです。油分が蓄積していくと取り除く際も手間がかかるようになってきますので、いずれにしても油汚れのベタつきには清掃が効果的であるといえます。

③フローリングのワックス剥がれによるベタベタの落とし方

最後にフローリングのワックス剥がれが原因となっている場合の対処法です。

まずは掃除機などでフローリングのホコリやゴミを取り除き、床用の洗剤を染み込ませた雑巾で油分や汚れを拭き取って上から重ねてワックスをかけます。

汚れを丁寧に取り除いてワックスがけすることにより、表面の劣化やワックス剥がれが汚れの原因になることを防ぎます。

それでも解決しない場合はいったんフローリングの古いワックス層を剥がしてかけ直すことをおすすめします。ただ、剥離作業は特殊技術が必要となるため、難しいと思った方は専門の業者に相談した方が良いでしょう。

ワックスをかけた後の劣化を防ぐ予防法は、定期的なメンテナンスを行うこと、もしくはワックス不要の床材を使うことが効果的です。

床のベタベタを取る方法、実践前に知っておきたい2つの注意点

2つの注意点

原因別に床のベタベタを取る方法を3つ紹介しました。ただし、これらの方法を実行する際は、以下の点に注意してください。

フローリングの床には直接水や洗剤をかけない

皮脂や油汚れによる床のベタベタを水拭きや中性洗剤で落とす場合は、フローリングにシミができないように注意しましょう。フローリングの床には水を吸収しやすい木材が使われています。表面に耐水加工が施されているフローリングもありますが、継ぎ目から水が侵入してしまう可能性もあります。油汚れによるフローリングのベタベタを落とす際は、水や洗剤を直接かけたり吹き付けたりしないようにしましょう。

賃貸住宅のワックスがけは大家にまず相談する

お住まいが賃貸物件の場合はフローリングのワックスが剥がれているからといって、いきなりワックスの重ね掛けをすることはおすすめできません。一般的に賃貸物件のワックスがけは大家側の負担と考えられているからです。自腹でワックスを買って苦労しながらフローリングのワックス剥がれを直さずとも、大家がフローリング修復をしてくれたり費用の一部を折半してくれたりする可能性があります。

そして、もう一つの理由がワックスの修復工程でフローリングを傷つけてしまうかもしれないからです。フローリングに傷がつくと退去時に借り手の責任となり、原状回復の費用を負担しなければならなくなる可能性があります。最近はワックスを「かけてはいけない」床材も存在します。ワックス剥がれがベタベタの原因と勘違いし、フローリングにワックスをかけた結果、床が傷んでしまったら取り返しがつきません。

賃貸物件でワックスの剥がれによる床のベタ付きが疑われた場合は、まずは大家に連絡してワックスを重ね掛けしても問題ないか、業者に頼むべきかなどを相談してください。

床のリフォームでベタつき予防

床の汚れや水分は拭き掃除などの清掃作業で解決しますが、ワックスがべたつきの原因ならワックス不要の床材に変えるという方法もあります。

ワックス不要の床材は元々汚れやキズに強く、表面にもお手入れしやすい加工が施されていますので、ワックスの剥がれを気にすることなく使用できるでしょう。

新築の建物ではこのような床材を使うのが主流となっていますが、リフォームの場合には既存の床の上から手軽に貼れる床材もあります。

そのため、床のリフォームというと作業も大がかりになりそうなイメージがありますが、リビングだけならば半日~1日で完了する比較的安価かつ短工期なリフォームもありますので、施工店や販売店などに相談してみましょう。

まとめ

床をベタベタさせる主な原因と、その対策はいかがだったでしょうか。

夏場に多いベタつきが特に気になっている方は、思い当たる原因から対策を施すことをおすすめします。

湿気や油汚れにはこまめな清掃が効果的ですが、長年の汚れやワックスによるベタつきが気になっている方は、この機会に床のリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

※ここに掲載されている情報は2023年12月時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。