【第2回】「木材セラピー」木の香りによる生理的リラックス効果

木材セラピー

木のテーブルに触れたり、木材を多用した建物で過ごしたりしていると、私たちは「心地良さ」を感じます。みなさんは、木材が人にもたらすリラックス効果に関する研究をリードしているのが、実は日本だということをご存知でしょうか。

2021年に「木材セラピー」という言葉を生み出した千葉大学環境健康フィールド科学センター宮崎良文名誉教授・グランドフェロー(医学博士)と池井晴美特任助教(博士〔農学〕)による著書の一部を、4回に亘ってご紹介します。

  • 著者紹介


    池井晴美 Harumi Ikeii

    千葉大学環境健康フィールド科学センター自然セラピープロジェクト特任助教。日本木材学会奨励賞(2019年)、日本農学進歩賞(2021年)受賞。著書に「木材セラピー」(創元社、2022年)、「木と人のサイエンス」(日刊木材新聞社、2022年)。趣味は、娘との自然散策。

  • 池井晴美 氏著書

  • 著書紹介

    『木材セラピー 木のやさしさを科学する』

    宮崎 良文 / 池井 晴美 編著
    創元社

    現在のストレス社会において、木材のリラックス効果に関心が高まっている。本書においては、私たちが経験的に感じ取っている「木材のやさしさ」について、科学的データを用いて解説するとともに、効果的な利用法にも言及した。さらに、著者の経験にもとづいて、「快適性の定義」「実験こぼれ話」「研究の極意」から「研究費問題」等に至るまでコラム形式で紹介した。付録として、木材を扱う現場と研究者による座談会も収録している。

木の香りによる生理的リラックス効果 池井晴美

木の香りは、リラックス感をもたらすことが経験的に知られており...