【第3回】自営業のヘアサロンオーナー108名に聞いた「新店舗オープン時に選んだ内装建材」

美容院 内装

内装建材を決めるポイントは価格?耐久性や清掃性は決め手になる?

業種を問わず、店舗の内装工事においては使用面積の広い床や壁、天井部分に費用がかかると言われています。さらにはどの材料を選ぶかによって費用だけではなく、デザイン、掃除やメンテナンスの頻度も変わってきます。では、ヘアサロンの床材や壁材、天井材はどのような基準で選ばれる傾向があるのでしょうか。

DAIKENは自営業で美容院・理容院・ヘアサロンを営むオーナー108名に、お店を新しくオープンした際に選んだ床材・壁材・天井材について独自調査を行いました。

床材について

まずはヘアサロンオーナーが選んだ床材について、種類や理由を見ていきましょう。

美容院 内装

ヘアサロンで最も多く選ばれているのはクッションフロアで、塩ビタイル・長尺シートも人気です。フローリングは全体の1/4を占めていました。飲食店の場合は約半数のオーナーがフローリングを選んでおり、クッションフロアは1割弱という少数派※です。飲食店とヘアサロンでは、選ぶ素材にこのような違いが見られます。

【第3回】自営業の飲食店オーナー104名に聞いた「新店舗オープン時に選んだ内装建材」

床材を選ぶ理由はデザイン性や耐久性、清掃性など

その床材を選んだ理由についても聞きました。

美容院 内装

ヘアサロンにおける床材選びで最も重視されたのはデザイン性でした。カットした髪を落としたり、パーマ剤やカラー剤など強い薬剤がこぼれたりすることもあるヘアサロンの床は掃除の頻度が高いこともあり、耐久性や清掃性も優先される傾向にあるようです。
クッションフロア、塩ビタイル・長尺シート、フローリング、モルタルの4素材とも、デザイン性・耐久性・清掃性・価格の4項目を理由にその建材が選ばれています。

その床材を使ってみた感想

床材の素材ごとに、オーナーの感想を紹介します。

<クッションフロア>

・木目調にしたので、汚れも目立たないし、傷もつきにくく良かったと思う。
・ハサミを落としても、破損などがないし、多少の足の負担も減った。また、ワックスをかけても、つや出し効果がいいので、ワックスする価値もある。
・冬は寒くて足が疲れる

<塩ビタイル・長尺シート>

・傷や汚れには強く、管理が楽。つるつるしていないので、水にぬれている状態でも滑る事はない。が、細かい溝にごみが引っかかり、ほうきで取りにくい
・汚れが目立たなく、丈夫で長持ちしています。
・下地がコンクリートなので配線や水回りをいじるのが難しい。

<フローリング>

・よかった 傷つきにくい 疲れない はさみ落としても壊れない
・清掃が楽で良し!

<モルタル>

・手入れが楽
・ヒビ割れが気になる

壁材について

次に、ヘアサロンで使われている壁材についてのアンケート結果を紹介します。

美容院 内装

約半数のヘアサロンオーナーがクロスを選んでおり、その他は木材が約2割、塗り壁が約1割でした。

壁材はデザイン性、価格重視で選ばれている

続いて、その壁材を選んだ理由を聞いてみました。

美容院 内装

全ての壁材で最も重視されたのはデザイン性でした。また、価格を重視する方も3割弱いらっしゃいました。掃除の頻度が高い床材に比べると、壁材において耐久性や清掃性は大きく重要視されていない様子がうかがえます。

その壁材を使ってみた感想

床と同じく、壁も面積が広い場所だけにお店の雰囲気を左右します。壁材の種類ごとに、ヘアサロンオーナーの感想を一部紹介します。

<クロス>

・汚れが付きにくく簡単に落ちるので掃除が簡単
・見た目もいいし汚れが目立たない。
・白だから汚れが目立つ

<木材>

・かっこよくて気にいっている
・自然な感じでぬくもりを感じる
・壁紙でもよかったかも、少し暗くなった

<塗り壁>

・店の全体の印象に合う様にしてもらった良かった。
・高級感がある
・塗り壁は凹凸がある為ぶつかると怪我をする

天井材について

最後に天井材についてのアンケート回答を紹介します。

美容院 内装

天井材の素材はクロスが約6割と最も多く、塗り天井、木材なども選ばれています。岩綿吸音板という回答もありました。

天井材も壁材と同じくデザイン性、価格が重視されている

天井材を選んだ理由についての回答は次の通りです。

美容院 内装

壁材と同じく、天井材もデザイン性や価格が重視されています。「特に理由はなし」と回答された方も3割いらっしゃいますが、設計プランに合わせて業者に素材を任せたというケースが考えられるでしょう。

その天井材を使ってみた感想

天井材の種類別に、オーナーの感想を一部紹介します。

<クロス>

・工期が早くすむ
・費用おさえられた。デザインも良い
・剥がれと汚れが気になる

<塗り天井>

・お洒落な空間に変わって嬉しい
・剥き出しにしたのが良かった

デザイン性が重視するオーナーが多いが、提案次第で採用してもらえる可能性も

カットしたお客様の髪を落としたり、カラー剤がこぼれてしまったり、日常的に清掃が必要な床材は耐久性や清掃性が重視されています。加えて、壁材や天井材についてはデザインを重視するヘアサロンオーナーが比較的多い傾向があります。

素材を選んだ理由に対して、「理由なし」という回答も多数見られました。そこで、建築士や内装工事業者は、オーナーのデザインニーズが叶うことやメンテナンスの容易さなどについて解説しながら使う内装建材を提案することで、「この業者に頼めば安心だ」と信頼してもらえるのではないでしょうか。