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当社連結子会社による植林事業会社の全株式取得(孫会社化)を決定 木質繊維原料のオール植林木化を加速

~エコ素材「MDF」の更なるサステナビリティを追求~

大建工業株式会社(大阪市北区、社長:億田正則)は、MDF※1(中密度繊維板)を製造する当社連結子会社であるDAIKEN SARAWAK SDN.BHD.(ダイケンサラワク社、以下DSK社)が、マレーシアで植林事業を行うWTK REFORESTATION SDN.BHD.(以下、WTKR社)の全株式の取得を目的とする株式譲渡契約※2を9月11日に締結いたしましたのでお知らせします。年内にはWTKR社の全株式を取得し、当社の孫会社(DSK社の子会社)とする予定です。
今回の新たな植林地の取得により、MDFの原材料となる植林木のさらなる安定調達を実現し、2025年度中の完了を目標に、DSK社生産品における木質繊維原料のすべてを植林木へと切り替えてまいります。

※1:MDFとは、製材端材などを主原料とし、それらを繊維状にしたものを板状に成型して製造される木質ボードの一種。家具や建具、内装製品などの面材や基材に用いられる。
※2:株式譲渡契約は、WTKR社の親会社であるFAEDAH MULIA SDN.BHD.(ファダムリア社)との締結となります。

【背景】

当社は“事業を通じた社会・地球環境のサステナビリティへの貢献”により、更なる企業価値の向上を目指しており、木質資源や未利用資源を有効活用した「エコ素材」の開発・製造・販売を中核事業の一つとして展開しています。
中でも、昨今の合板不足等の影響から、国内外での需要が増加傾向にあるMDFは、当社素材事業の軸となる製品であり、海外の4つの製造拠点にて年間約55万㎥を生産しています。
そのうち、DSK社では年間約9万㎥を生産しておりますが、木質繊維原料の約50%に、自社植林地からの調達や他社から購入した「植林木」を活用しており、残りの約50%には「ラワン材(南洋材)」の製材端材を使用している状況です。
そのような中、脱ラワンを方針に掲げ、エコ素材事業でのさらなるサステナビリティを追求している当社は、より一層の環境配慮への取り組みを推進するため、DSK社において使用する木質繊維原料の植林木比率を100%にまで高めることを目標としています。

植林地のイメージ
(写真はDAIKEN SARAWAK SDN.BHD.の植林地)

DAIKEN SARAWAK SDN.BHD.の植林地の写真

【植林会社買収の目的】

今回、WTKR社の全株式取得により自社植林地のエリアを拡大することで、現状の約2倍の自社植林木調達が可能となり、他社からの購入分と合わせて、DSK社における木質繊維原料の100%植林木化が実現できる見込みです。
また、MDF事業の根幹となる木質原料の調達において自給率を高めることは、BCP面での対応力強化に加え、品質・価格ともに安定した製品供給体制の構築にもつながります。
今後、段階的に原料として使用するラワン材の割合を減らし、2025年度中にDSK社の木質繊維原料のオール植林木化を目指します。

【WTK REFORESTATION SDN.BHD.の概要】

(1)名称 WTK REFORESTATION SDN.BHD.
(2)所在地
(植林地エリア)
マレーシア サラワク州
※DSK社所在地のビンツル市から、南東に直線距離で約80km
(3)事業内容 ファルカタ、アカシア等の植林
(4)事業規模 植林可能面積:約5,400ha
(5)設立年 2000年

なお、MDFの更なるサステナビリティ化に向けては、今回の「木質繊維原料における植林木比率向上」の他、「石化原料を由来とする接着剤等を使用しない天然素材比率向上」についての取り組みも進めており、2方向からのアプローチで追求しています。
(参照:2023年5月22日発信リリース「木質由来の接着剤を用いた環境配慮型MDFの製造技術を確立」

当社は今後も、「木質資源の有効活用および循環利用する技術」を活かしたSX展開を軸に、環境配慮やSDGsに貢献する取り組みを強化し、成長戦略と環境戦略とを一体化させた事業活動を進めてまいります。

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