ニュースリリース

大建工業株式会社（大阪市北区、社長：億田正則）は、日本音響エンジニアリング株式会社（東京都墨田区、社長：山梨忠志）、および武蔵野美術大学（東京都小平市、学長：長澤忠徳）ソーシャルクリエイティブ研究所とともに、2020年7月より、「豊かな音環境づくりを目指した共同研究」プロジェクトを進めており（2020年7月リリース済）、この度、3年間のプロジェクト活動期間満了を機に、「活動報告会」を開催いたしましたのでお知らせします。
なお、同プロジェクトでは、対面やリモート会議が快適に行える「会議室向け調音家具システム（仮称）」の商品化を目指しており、2021年11月からは、株式会社内田洋行（東京都中央区）にもパートナーとしてご協力いただいております。

【プロジェクトの背景・経緯】

近年、コロナ禍を背景に在宅勤務やオンライン会議を日常的に活用するスタイルが普及したことで、音環境における様々な問題が顕在化しています。その要因のひとつとして、目に見えない“音”は、設計段階で意識することが難しく、不具合にも気付きにくいなど、整備が行き届かない傾向にあったことが挙げられます。また、音環境は、ストレス増加や耳への負担に繋がるなど、健康にも影響を与える要素であることから、快適な空間づくりにおける音環境の重要性をより訴求することは、業界内での課題とされておりました。
このように、人々の音への関心が急速に高まる中、日本音響材料協会の活動や建材デザインの分野で個々に接点を持っていた当社・日本音響エンジニアリング・武蔵野美術大学は、空間設計と同様に、音環境についても、遮音だけでなく音の響きや質に配慮した「アコースティックデザイン（音響設計）」の考え方を広く一般に訴求する必要があるとの考えが一致。2020年7月より、3者連携による産学連携プロジェクトとして、各社がこれまで培ってきた知見やリソースを相互に活用した、コロナ禍における今だからこそ求められる豊かな音環境を生み出すための研究開発・共同実験がスタートしました。

3年間のプロジェクトの活動目的や概要を発表する
「アコースティックデザイン宣言　活動報告会」の様子

【プロジェクトの活動概要】

■＜目的＞

価値向上による快適音空間の一般化（「アコースティックデザイン（音響設計）」の浸透）、新規需要の創出、建築音響関連製品のさらなる普及

■＜活動概要＞

• １、2020年7月～2023年3月を活動期間として、近年、音環境改善が強く求められている“オフィスを始めとする公共・商業施設”を想定した“快適な会議室ブース提案”に関わる研究、測定、評価等を行う。（音響調整材を設置した空間における話しやすさ・聞き取りやすさの主観評価、同空間の残響特性の測定・評価など）
• ２、内田洋行協力のもと、会議室向けの音響調整家具の試作、および、同社主催のクローズド展示会にて音響調整家具試作品を用いた会議室ブースに対するヒアリングを実施する。

■＜成果物イメージ＞

音響調整家具単体だけではなく、モニター・Webカメラ・マイク付きスピーカー等も設置でき、対面やリモートでの会議が快適に行える「会議室向け調音家具システム（仮称）」の商品化を進めています。

会議室向け調音家具システム（仮称）イメージ

■＜今後について＞

今年度で本プロジェクトは終了となりますが、「会議室向け調音家具システム（仮称）」は、2023年度発売を目標として、引き続き製品開発を進めてまいります。
当社は今後も、本プロジェクトで得た産学連携の関係性や、公共・商業施設の音環境改善に向けた研究成果等を活用し、アコースティックデザインのさらなる普及および概念の浸透に向けて取り組んでまいります。

【「アコースティックデザイン宣言 活動報告会」概要】

プロジェクトの成果報告やアコースティックデザインの必要性について発表する場として、設計事務所などを招いた「アコースティックデザイン宣言 活動報告会」を、下記の通り開催しました。

【お問い合わせ先】

「会議室向け調音家具システム（仮称）」に関するお問い合わせは、
大建工業株式会社　開発営業部　［担当］：藤原　03-6271-7873