ニュースリリース
4社合弁でLVL用単板の加工会社 日南大建(株)を設立
~新規事業で木材総合カスケード利用を推進~
大建工業株式会社(大阪市北区中之島、社長:億田正則)は、日南町森林組合(鳥取県日南町、組合長:平田広志)、株式会社オロチ(鳥取県日南町、社長:森英樹)、越井木材工業株式会社(大阪市住之江区、社長:越井潤)との4社合弁で、LVL(単板積層材)※1に用いる単板の防腐・防蟻処理などを手掛ける加工会社 日南大建株式会社を3月末に設立することといたしましたので、お知らせいたします。
※1 LVL(単板積層材)とは:繊維方向を揃えて単板を積層し、接着した木質材料。繊維方向を直交させる合板に対して、長さ方向に優れた強度を発揮し、建築物の柱や梁などの構造材や、内装建材の芯材などに用いられています。
【背景と目的】
当社は、2025年を見据えた長期ビジョン「GP(グロウプラン)25」において、「限りある資源の有効活用を通じてサステイナブルな社会の実現に貢献する」を存在意義・志の一つに掲げ、国産木材の活用を積極的に推進するとともに、素材事業の拡大に向けた木材の総合利用による新たな用途展開を図っております。
そうした取り組みの中、2016年11月に、豊富な森林資源を活かした林業・木材加工業に積極的に取り組む鳥取県日南町、日南町森林組合、地元LVLメーカーの株式会社オロチとの間で、日南町における「木材総合カスケード利用※2」に関して具体的な事業化に取り組むことを合意し、「日南町『木材総合カスケード利用』事業化検討プロジェクト」を設立しました。そして、当該プロジェクトにおける初の事業化案件として、日南町森林組合が切り出した木材を用いて株式会社オロチがLVLを製造し、その際に発生する端材(木材チップ)を有効活用した土壌改良材「DWファイバー」を開発(国土防災技術株式会社(本社:東京都港区、社長:辻 裕)との共同開発)。2017年5月より、防風林の客土形成、法面への植生マット敷設といった土木工事を行う自治体や工事業者の方々への提案を開始しました。2018年4月には、DWファイバーの新規性が評価され国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)※3に登録され、自治体からの問合せも増加し、現在、全国各地で採用実績を増やしております。
※2 木材総合カスケード利用とは:森林の維持管理から、木材を伐採・搬出し、製材品、集成材、合板等として活用することはもちろんのこと、端材や間伐材をチップとして繊維板や燃料などにも利用することで、木材という貴重な資源を総合的に無駄なく、効率的に、余すことなく利用することをいいます。
※3 新技術情報提供システム(NETIS):民間事業者等により開発された有用な新技術を公共工事等において積極的に活用するため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が運用するシステム(New Technology Information System)。
今回、設立することで合意した日南大建株式会社では、同プロジェクトにおける第二弾事業化案件として、株式会社オロチが製造するLVLを高付加価値化するための単板加工処理事業を手掛けます。具体的には、2020年春の竣工を目処に、LVL用単板に防腐・防蟻薬剤を注入するための加工設備を備えた工場を日南町に新設する計画で、ここで加工された単板を用いて株式会社オロチが防腐・防蟻LVLを製造します。また、将来的には不燃LVLや不燃木材に関する設備の導入も検討してまいります。
国産木材の利用促進という国策や、環境意識の高まりを受けて、持続可能な資源である木質材料への関心が高まる中、建築物の構造材や造作材としてLVLの需要は拡大しておりますが、防腐・防蟻LVLをラインアップに加えることでさらなる用途拡大、ひいては日南町森林資源の利用促進、林業の活性化につなげたいと考えております。
【防腐・防蟻LVL 製造・販売フロー】

【木材総合カスケード利用のイメージ図】

【合弁会社の概要】
名称 | 日南大建株式会社 |
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所在地 | 鳥取県日野郡日南町下石見1829-103 |
代表者 | 代表取締役 福知 義久 |
事業内容 | 防腐防蟻LVL用単板加工 |
資本金 | 30百万円 |
設立年月日 | 平成31年3月(予定) |
出資比率と役割 |
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【参考情報】
日南町森林組合 |
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株式会社オロチ |
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越井木材工業株式会社 |
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大建工業株式会社 |
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※ここに掲載されている情報は発表時のものであり、ご覧になられている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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