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MDF倍増へニュージーランドMDF工場を取得

大建工業(社長:澤木良次)は伊藤忠商事と共同(大建工業51%、伊藤忠商事29%、伊藤忠ニュージーランド20%)でニュージーランドのカーターホルツハーベイ社のランギオラ工場(ニュージーランドのMDF製造工場)を買収することを取締役会で決議しました。また、当事業を譲り受ける為に設立した受け皿会社が、11月20日(木)カーターホルツ社と売買契約を締結しました。

当社はエコ素材としてインシュレーションボード、MDF、ダイライトなど幅広く手がけています。その中心となるMDF事業において、ダイケンサラワク社(マレーシア・サラワク州ビンツル市)、ダイケンミリ社(マレーシア・サラワク州ミリ市)の2工場の製品が日本企業向け高品質製品として高く評価されています。ここで培った製造技術をランギオラ工場に注力することで、さらなる生産性向上、品質向上を図り、MDF事業のもう一つの柱としての事業展開が可能になります。
ランギオラ工場には2つのラインがあり、ラジアータパインの端材を主原料とする針葉樹系のMDFを生産しています。生産能力は年間20万立方メートルです。これにより当社はマレーシアの既存2工場と合わせると年間42万立方メートルのMDF生産能力を有することになります。
製品的には、マレーシアの広葉樹系MDFに加え、針葉樹系のMDFを品揃えすることになります。同時に、これまで得意としてきた薄物に加え、厚物のMDFを供給できる体制となることで、日本市場でのきめ細かいニーズ対応が可能になることはもとより、海外市場への販売機会の拡大にもつながります。
当社はここ数年、不採算事業の整理や縮小を行う傍ら、得意分野へのシフトに取り組んできました。特に現在進行中の中期経営計画の基本である新設住宅着工に左右されない事業へのドメインチェンジ方針に基づき、そのコア事業としての「エコ素材」事業を推進しています。この度のMDF工場の取得により「エコ素材」事業が大きく前進することになります。

注)MDFとは中比重木質繊維板。木材繊維を板状にした環境配慮型の木質ボードの一種。建材、家具の芯材などを中心に幅広く使用される。


【新会社の概要】

(1)商  号ダイケンニュージーランド社(DAIKEN NEW ZEALAND LIMITED)
(2)工場所在地ニュージーランド国 ランギオラ市
(3)事業の内容繊維板(MDF)製造業
(4)決 算 期12月31日
(5)出資予定日平成21年2月
(6)株主構成(予定)大建工業51%
伊藤忠商事29%
ITOCHU NEW ZEALAND LTD.20%
(7)創 業 日平成21年2月



(ご参考)

大建工業のMDF事業について

  • 大建工業は1996年、マレーシア政府からの、資源リサイクル、環境対応要請に応えてのマレーシア・サラワク州でMDF工場(ダイケンサラワク社)を立ち上げました。

  • 2005年にはMDF事業拡大に向け、マレーシアのサムリンファイバーボード社を子会社化し、ダイケンミリ社を設立するとともに、MDF供給量を倍増しました。

  • これら2社のMDFは耐水性、寸法安定性に優れユーザーの高い評価を得ており、今日では連結で年間売上100億円規模に成長しています。

  • ダイケンサラワク社生産量のほとんどは日本向け、ダイケンミリ社生産量の約50%も日本向けで、大建、伊藤忠商事で販売されています。

  • 今後ランギオラ工場の製品を取り扱うことになりますと、日本のMDFメーカーとしてトップシェアを有することになります。


大建工業のエコ素材分野について
大建工業は多彩な基礎資材を持つ強みを活かし、その基礎資材に住まいに求められる機能を付加して、快適な住宅づくりに欠かせない建材、住宅機器を数多く市場に送り出してきました。
これら基礎資材はエコ素材であり、これまでの展開を振り返りますと、木材チップを活用するエコ素材・インシュレーションボードはその特長を生かし、1968年に生産を開始以来50年の長きにわたり住まいの防音、断熱などに大きく貢献してきました。2006年には現会津大建工業を子会社化することで供給量の拡大をはかり、素材の特徴を活かした様々な用途展開を続け、エコ素材事業の基盤を強固にしています。
同じく木材チップを原料とするMDFはマレーシアで事業化し、製材時に発生する端材などを活用したエコ素材として、建材のみならず様々な分野で利用されています。
未利用資源の火山性ガラス質材料とロックウールからなるダイライトは住まいの耐震性や防火性の向上に大きく貢献しています。
わが国では木質パネルといえば70%が合板、木質ボード(MDFやインシュレーションボードなど)は30%です。環境先進国の欧米では逆に木質ボードが70%、合板が30%です。環境問題の先行きを考えたとき、基礎資材としての木質ボードの拡大余地は大きいと判断しております。
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