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東・西日本ダイケンプロダクツ㈱でバイオマスボイラーを新設

大建工業(社長:井邉博行)の製造グループ会社である西日本ダイケンプロダクツ㈱(社長:長谷川泰之)と東日本ダイケンプロダクツ㈱(社長:津田康次)は、温室効果ガス(二酸化炭素)排出量削減対策として、木くず・廃材などの木材チップを主な燃料とするバイオマスボイラーの設置を決定しました。
設備投資額は両工場で20億円(西日本DP・11億円、東日本DP・9億円)、2006年8月に着工し、東日本ダイケンプロダクツでは2007年4月、西日本ダイケンプロダクツでは同5月の完成を予定しています。これまで使用していた重油ボイラーからバイオマスボイラーに切り換えることにより、温室効果ガスの排出量を年間2.7万トン削減できる見込です。また、高騰している重油の使用量を年間で16,000キロリットル削減でき、初年度だけで4億円の投資効果を見込んでいます。
なお、東日本ダイケンプロダクツにつきましては、2基あるボイラーのうち1基は既にバイオマスボイラーを導入しており(昭和58年設置)、今回は残る1基の重油ボイラーをバイオマスボイラーに転換することになります。

【背 景】
DAIKENグループでは、「地球にやさしく、人にやさしい“環境発想のモノ作り”」を基軸として、環境負荷を低減する活動にグループ全社で取り組んでいます。2005年度からの3年間につきましては、重点課題や具体的目標を明確に定めた「第2次中期環境計画」を策定し、環境先進企業を目指して積極的な活動を全社で展開しています。
東・西日本ダイケンプロダクツ㈱がバイオマスボイラーの設置に着手したのも、同環境計画の重点課題の一つ“環境負荷の低い生産拠点の実現”に向けた活動の一環であり、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量削減に大きな効果が期待できます。
なお木材チップは、原料となる廃材の種類などによって、インシュレーションボードなどの原材料として活用されるものと、バイオマスボイラーなどの燃料用として活用されるものなどに分けられます。
当社グループでは、以前から環境活動の重点施策として木材チップの活用を積極的に進めてきました。その始まりは、今から48年前、木質資源を有効活用することを目的に、岡山工場(現西日本ダイケンプロダクツ)でインシュレーションボードの生産がスタートした昭和33年にまで遡ります。その後、昭和52年には国内2番目のインシュレーションボード生産工場として高萩工場(現東日本ダイケンプロダクツ)が完成。平成13年には、木廃材チップ事業の最大手である木材開発㈱と合弁でエコテクノ㈱を設立し、木廃材チップ事業にも参入しました。そして平成16年、神奈川県内に木材チップ工場を完成させ、現在、同工場のチップ加工設備はフル稼働状態が続いており、そこで生産された木材チップは、東日本ダイケンプロダクツに運ばれ、インシュレーションボードの原材料やチップボイラーの燃料用として活用されています。

【内 容】
西日本ダイケンプロダクツの主な生産品目は、火山性ガラス質複層板の「ダイライト」、木質繊維板(インシュレーションボード)、鉱物質繊維板(ロックウール吸音板)の3つ。東日本ダイケンプロダクツの主な生産品目は木質繊維板(インシュレーションボード)です。これら製品に共通して言えるのは、生産工程の中に熱エネルギーを大量に使用する乾燥工程があるということ。
西日本ダイケンプロダクツでは、乾燥機や焼成炉、ボイラーといった設備の主要燃料を、それまでの重油やLPガスからLNGへと燃料転換するため、昨年7月から改造工事に着手。今年7月までに、2基あるボイラーの1基を除いて工事が完了しました。
そして今回、残る重油ボイラー・1基については、環境負荷の低減をより図ることのできる木材チップへと燃料転換することを決めました。バイオマスボイラーの新設による温室効果ガスの削減量は年間で約2万トン、重油の使用量を年間で10,000キロリットル削減でき、初年度で2.5億円の投資効果を見込んでいます。
また東日本ダイケンプロダクツについては、これまでバイオマスボイラーと重油ボイラーの2基が稼働していましたが、今回、重油ボイラーをバイオマスボイラーに変換し、燃料を木材チップへと一本化することを決定。これにより温室効果ガスの削減量は年間で0.7万トン、重油の使用量を年間で6,000キロリットル削減でき、初年度で1.5億円の投資効果を見込んでいます。
両社の燃料転換による温室効果ガスの削減量は、年間で2.7万トンにのぼり、これはDAIKENグループ主要製造会社・6社(※)の排出量(2005年度実績)の21%に相当します。今後におきましても、主要製造会社・6社を中心に、稼働設備の徹底見直しや効率稼働などに取り組むことで、環境負荷の低い生産拠点の実現に努めてまいります。


※ダイケングループ主要6工場:井波ダイケンプロダクツ㈱、中部ダイケンプロダクツ㈱、
西日本ダイケンプロダクツ㈱、東日本ダイケンプロダクツ㈱、富山大建工業㈱、三重ダイケン㈱



※バイオマスボイラーについて
木材を燃やすと、石油と同程度の二酸化炭素が出ます。しかし、排出される二酸化炭素自体はもともと大気中にあった二酸化炭素をその樹木が数十年かけて吸収したもの。つまり、大気中の二酸化炭素の量を増加させずに済むということです。
バイオマスボイラーの燃料となる木くず・廃材などの木材チップは、放っておけばそのまま焼却されたり自然に分解されたりして、二酸化炭素となって大気中に放出されてしまいます。バイオマスボイラーは、これをムダにせず、燃料として利用することができます。言い換えるなら、森林に蓄えた二酸化炭素が再び大気へ戻る、という自然のサイクルの中で、そのエネルギーを取り出し、利用するということなのです。また、木質バイオマスの燃焼過程では、化石燃料と比較してSOx(硫黄酸化物)が殆ど発生しないといったメリットもあり、その点でもクリーンなエネルギーと言えます。

◆西日本ダイケンプロダクツの概要
所 在 地   :岡山県岡山市海岸通2-5-8
設立年月日 :平成15年10月1日
工場操業年 :昭和33年
事業内容  :木質繊維板、鉱物質繊維板、火山性ガラス質複層板、畳おもて(和紙)の製造
土地面積  :253,000㎡
従業員数  :500名

◆東日本ダイケンプロダクツの概要
所 在 地   :茨城県高萩市赤浜160-1
設立年月日 :平成15年10月1日
工場操業年 :昭和52年
事業内容  :木質繊維板の製造
土地面積  :119,028㎡
従業員数  :80名


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あらかじめご了承ください。


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