リビング学習を成功させる収納のコツ
教科書やランドセル置き場はどこに?実例紹介あり
リビング学習とは、子供部屋ではなくリビングやダイニングなどを学習場所として活用する学習法のこと。一人で静かな空間で学習するよりも、家事などの雑音が聞こえるリビングで学習する方が、親に見守られている安心感と適度な緊張感の中で勉強に取り組むことができ、分からないところもすぐに質問できるので学習効果が高まると言われています。東大生の大半が「リビング学習を行なっていた」というアンケート結果にも注目が集まっており、雑誌でも特集されるほど。そんなリビング学習ですが、メリットばかりでなくデメリットもあるようです。その一つが「リビングが勉強道具で散らかる」という悩み。このコラムでは、リビング学習を始める前に考えておきたい学習環境と収納のポイントをご紹介します。
リビング学習は収納で失敗することも
リビング学習を実践している方の中には、「我が家では収納がなかなかうまくいかなかった……」と満足されていないお宅もあるようです。経験談を聞いてみると親が感じるストレスと子どもが感じるストレス、2種類の問題点があるようです。
リビングが片付かなくてイライラするパターン
ランドセル、雑多な文具、教材、プリント類、本、辞書、消しゴム、雑貨類、ときにはおもちゃまで……リビング学習をすると、学校で使う物がダイニングテーブルやリビングに集結することになります。好みのスタイルでコーディネートされていたはずのお部屋は雑多な雰囲気にならざるを得ません。食事のたびに教科書やノートを片付けさせて、消しゴムのカスを掃除して・・・と時間もかかり一苦労。散らかっている状態&片付けのストレスで親はイライラ。「片付けなさい!」とお母さんの小言が日常的になり、片づけや収納がケンカの原因になることも。
また、ダイニングテーブルで勉強をするとデスク用のスタンドライトが無いので、リビングの照明だけだと手元が暗くなり視力低下の原因になってしまいます。快適な学習環境とおしゃれな生活空間は、中々両立が難しいのです。
忘れ物と探し物でやる気をなくすパターン
リビングが散らかっている状態では必要な道具をすぐに見つけることができなくなるため、子どもの学習への姿勢や集中力にも悪影響を及ぼします。リビングダイニングやキッチンカウンターなど、部屋中のあらゆる場所に学習用の道具があふれ、物の配置が定まっていない状態では、忘れ物が増えたり、いつも何かを探している状態に陥ります。これでは学習効果を高めるどころか、勉強に着手することが「億劫な作業」になってしまい、勉強嫌いになってしまうこともあるのです。
ランドセル、教科書…
アイテム別の収納ポイント
リビング学習によって散らかってしまう主な理由として、子どもが学校で使うものが多種多様であることが挙げられます。同じ形・サイズのモノだけだと収納・整理も簡単ですが、いろいろな形・大きさ・使用シーンが違うためスッキリまとめることが難しいのです。クローゼットや本棚に収納すると見た目はスッキリしますが、「扉を開ける」「必要な道具を探す」「取り出す」といった無駄な動作が増えてしまい、子どもが机に向かうハードルが高くなります。大切なのは必要な道具をすぐに見つけられてワンアクションで取り出せるように、モノの特性に応じた定位置(=住所)を決める工夫だと言えます。
ランドセル
普通のバッグに比べて存在感のあるランドセル。玄関や床、リビングの椅子の上などに放置してあるとそれだけで家が散らかって見える上、足元の邪魔にもなります。壁やラックなどに設置したフックに引っ掛けるのも良いですが、特に入学して間もない小学校低学年の子どもにとっては難しいため、"置くだけ"のスペースを設けるのがおすすめです。ランドセルがちょうど収まる幅の棚やカゴを用意しておけば、スッキリと片づけられます。ランドセルの置き場所の近くに教科書・ノートなどを入れられる収納スペースを設けておくと、朝の準備もスムーズです。
教科書類、プリント類
予定に合わせて毎日使用する教科書・ノートは、ランドセルの近くに収納するのがベター。教科書、参考書、辞書など本のカテゴリごとに分けてボックスファイルに入れておけば、整理整頓しやすく。また、成績表などのプリント類もファイルなどで分別を。分別のルールが難しいとかえって面倒になって散らかってしまうので、直感的に整理できるよう「教科ごと」などシンプルにしましょう。難しい場合は、1週間だけ保管できる「とりあえずボックス」を設けておき、週末にまとめて分類するという方法もあります。
文房具、勉強道具
鉛筆、ペン、定規、付箋紙などの文房具をはじめ、消しゴム、はさみ、のり、セロハンテープなど学習用具は多岐に渡ります。文房具は、使用するときのことを考えて"見つけやすいように収納する"ことが重要。おすすめは、一つひとつの道具の大きさに合わせた容器で引き出しの中を区切ること。上から全体を一目で見渡せて、必要なモノを見つけることができます。また、置き場所を決めておくことで、使った後の片づけもしやすくなります。100円ショップなどでさまざまなサイズの容器が売っているので探してみましょう。
カラーボックス、スチールラック…
市販の収納アイテムは?
リビング学習に向けて収納グッズを、と思った方に注意していただきたいのは、市販の棚や収納用品は子どもにとって使いにくい可能性もあるということ。ここでは、一般的によく使われている収納グッズのメリット・デメリットをご紹介します。
カラーボックス
安価でホームセンターなどでも購入できるカラーボックスは、手軽に導入・設置ができる一方で、強度に難があります。棚が可動式のタイプなどはさらに強度が落ちるため、子どもの重い教科書やランドセルでは棚自体がたわんだり、倒れてしまうことも。一時的な利用としては便利ですが、子どもの安全のためにも長く使えるものを選ぶことがおすすめです。
スチールラック
家じゅう色々なところで活躍するスチールラック。ポイントとしては、どこにでもフックを取り付けられるので、手提げ袋やカバンなどをかけておけること。また、バリエーションも豊かなので、設置場所に合わせて選ぶことができます。ただ、棚板の隙間からペンなどの細々したものを落としてしまうことも。棚部分に布を敷く、ケースを置くなど工夫が必要になります。また、作り付けではないため耐震性には不安のある収納です。
フック
掛ける収納は、子どもにとっても使いやすく最適。特に小学生は、給食袋や上靴入れなど袋物が多いので、フックは何個あっても便利です。ただし、ランドセルなど重さのあるものは掛けにくく、つい床に放置してしまいがちになってしまいます。掛ける収納に頼りすぎず、物の大きさや重量に合わせて収納場所を工夫してあげましょう。
リビング学習に最適な収納とは?
リビング学習の収納を充実させることで、子どもが前向きに勉強に取り組め、親も整理整頓されたリビングで気持ちよく過ごせる空間に変化する———そんな学習環境をつくるにはどのような収納を備えておけばよいのでしょうか。リビング学習を成功させる学習スペースのポイントと収納の活用法をご紹介しましょう。
ランドセルや教科書、図鑑まで収まる学習机
1) 用途に応じて、本もノートもたっぷり収納「吊り戸棚」
今使っている教科書・ノートだけでなく、過去に使っていたテキスト、参考書、辞書、図鑑など子どもの興味関心や知的探究心を満たす本をたっぷり収納できる場所がリビングにあるとGOOD。テレビや家族の会話から気になった言葉などを子ども部屋に移動することなくその場で辞書引きするなど、暮らしの一部に学びの機会をとり入れることができます。リビングのインテリアに調和する扉デザインの収納棚を選べば、リビングダイニングがよりスッキリとした印象に。
実例紹介
あなたの家のMiSEL!: 神奈川県 K様邸
元々ダイニングテーブルで勉強されていたとのことで、MiSELを使い始めてから教科書・ノートの置き場所がしっかり定まり、勉強も捗るようになったそうです。
2) 大切なプリントを貼ったり、メモを書ける「マグネット掲示板」
勉強机の目の前にマグネット掲示板があれば、大事なプリントを目に留まりやすい場所に貼り付けたり、大切なことをメモしたりすることが可能。持ち物一覧や宿題リストなどを「見える化」することで、自分一人でも身の回りのことをきちんとやろうとする意識が芽生え、計画的にものごとを進めようとする力が育まれます。
3) モノのはん濫を防ぐ「兄弟共有引き出し」
鉛筆や消しゴムなど、使いかけのものがお家のあちこちから見つかる……という経験のあるママ・パパも多いのではないでしょうか。兄弟が2人以上いる場合はなおさらです。そこで、兄弟で一緒に使用する文房具を入れる「共有引き出し」を、リビングの学習机に設けてみてはいかがでしょうか。文房具の数がぐんと減る上、一つひとつの道具を大切に扱う意識も高まるでしょう。次の人が使いやすいよう「使った鉛筆は削っておく」など兄弟で協力する習慣がつけば、学習に向き合う姿勢も変化していきます。
4) 重くてもラクに収納できる「低位置のランドセル収納」
ランドセルを上から置いたり、横から押し込んだりするカラーボックス収納は、大人から見ると使いやすそうに思えます。しかし背が小さく力の弱い小学校低学年の子どもにとっては、必ずしも使いやすいとは言えません。理想なのは、ポンと上から置くだけでなおかつ低い位置にあるランドセル専用収納。例えば、一番下の棚が引き出せて上から置けるタイプの収納や、キャスター付きの引き出しワゴンなどがあると便利です。
5) 手の届く場所に必要なモノを集結!便利な「収納たっぷり学習机」
小学生・中学生の間は、毎年教科書や学用品がどんどん増えていきます。子供部屋に置いておけば…と思いがちですが、復習に使いたいテキスト・ノートなどはすぐに手に取れる場所に置いておきたいところ。学習机周りに収納スペースを確保できれば、勉強で分からないことがあったときにもすぐに見直せます。また、ランドセルを置く場所の近くに収納棚を設けておくことで、翌日の持ち物の用意もスムーズになります。
「MiSEL」のリビング学習プランなら
すっきり片付き、学習意欲もアップ!
子ども目線で考えられた「MiSEL」のリビング学習プラン。飾り棚付きの吊り戸棚、時間割やメモを貼ったり、掲示板として親子のコミュニケーションに使ったりできるマグネット掲示板、低い位置にあり出し入れしやすいランドセル収納、重量のあるモノを入れてもレールがたわまない引き出し収納など、リビング学習にぴったり。耐震性も備えており、お子さまが安心して学びを楽しめるように考えられたプランです。ナチュラルな木目柄からモダンな鏡面調まで、お部屋のインテリアに合わせて扉が選べる、高いデザイン性も魅力です。
「リビングが勉強道具で散らかる」問題は、子どもの学習姿勢にも悪影響を及ぼします。最近は中学受験をするご家庭も増えているので、小学生低学年の時から自然と勉強に取り組む習慣をつけることが大切。必要なモノが必要なときにさっと取り出せる整理収納された状態をキープし、リビング学習を始めやすい収納計画を立てましょう。今回ご紹介したアイデアや、収納アドバイザーの本・ブログなどを参考にして、理想の学習環境を考えてみませんか?実際に使用するお子さんの希望や意見なども聞きながら、わが家にぴったりのリビング学習収納を探してみてくださいね。