屋上の面積半分ほどに10区画の貸し菜園スペースがある。

―屋上菜園をリニューアルすることになったきっかけは？

これまでパレットくもじの屋上菜園では、菜園業者がプランターで野菜を栽培し、育った野菜で一般向けに収穫体験を行っていました。屋上スペースの有効活用や、施設に足を運んでいただくきっかけづくりなどを目的としていたのですが、収穫体験は一年に一度しか開催ができず、幅広い方に認知され、利用いただけるスペースにすることの難しさを感じていました。もっと有効的な方法はないかと検討する中で、貸し菜園として一般利用者に日常的に使っていただくというアイデアが浮かび、リニューアルを計画しました。
今回の貸し菜園事業は、専門知識や実績が豊富なマイファームさんにご協力いただいています。

『グロウアース』の採用は、パレットくもじ屋上菜園が久茂地都市開発の事業化第一号となる。

―『グロウアース』を知ったきっかけは？

マイファームさん経由で、『グロウアース』という木材チップの存在を知りました。サスティナブルな素材であるというところに魅力を感じたため、大建工業さんから資料を送っていただきました。『グロウアース』をご提案いただく中で、試験的に運用している屋上菜園が東京にあるというお話を伺い、すぐに視察に行きました。しっかり育っている野菜、オフィスで働いている人たちのコミュニティの場のひとつになっている様子を実際に見ることができたのはとても良かったです。

国産の木材チップ原料ならではの品質の安定性や、土壌と比べた際の軽量さを実現。

―グロウアース採用の決め手は？

貸し菜園は小さなお子様のいるご家族やご高齢の方を含め、様々な方が利用されます。野菜や観賞用植物の栽培に適した性能を持つ『グロウアース』を使うことで、知識が少なくても植物が活き活きと育つ環境を整えることができると思いました。また、沖縄は日常的に風が強く、頻繁に台風の影響を受ける地域なので、風への対策が重要になります。その点『グロウアース』は強風でも飛びにくい特長があるということで魅力を感じました。他にも『グロウアース』には土壌より軽い、土に比べて触れた部分が汚れにくいなどの特長もあります。軽量ですので建物への荷重負担を軽減できますし、汚れにくいという点は、土いじりのハードルを下げることにも繋がります。
環境にやさしい資材ということに加え、貸し菜園であること、屋上という場所の特性から総合的に判断し、『グロウアース』の採用に至りました。

自動かん水装置が設置されており、生育管理をサポート。

―開園後の様子を教えてください

7月10日の開園日にすべての区画がご契約で埋まりました。ここまで良い反応があると思っていなかったのでほっとしています。利用者の方々は、ハーブ、バナナ、唐辛子など、好きなものを楽しそうに育てていらっしゃいます。日々、利用者の方には自由に使っていただいていますが、屋上全体の汚れも気になりません。活き活きと成長する野菜や花を見ると癒されますし、屋上スペースが活気づいたように感じています。
オープン後に台風の上陸もありました。対策はしたものの心配でしたが、『グロウアース』はほとんど飛んでいませんでした。人工芝がめくれてしまうほどの強い勢力の台風でしたが、花壇に目立った被害はなく、『グロウアース』を採用して良かったと実感しています。

営業時間内であれば、都合のいい時間に来園して種まきや収穫などができる。

―今後の展望を教えてください

収穫した作物を使って料理をするイベントを開催したいと思っています。以前やっていた収穫体験では、「野菜嫌いな子どもが、自分で収穫した野菜は美味しそうに食べる」といった声をいただいたことがあります。そういった経験を活かし、小さいお子さんも一緒に楽しめて、食育に繋がるようなイベントを企画したいです。パレットくもじは小さいお子さんの来店が少ないので、ご家族みんなで楽しめる施設になるきっかけを屋上菜園で作っていきたいです。

• ■採用部材

  グロウアース
  枕木〈ライトブラウン〉

  

• ■施設データ

  パレットくもじ

  

  1991年（平成3年）久茂地1丁目地区再開発事業に伴い建設された、県内初の複合商業施設。沖縄県では有数の繁華街である国際通りの南端に面し、沖縄の経済及び交通の要所の中心地に立地する。地上9階、地下2階建ての建物内には、百貨店、店舗、事務所、劇場、ギャラリー、博物館などが入る。さらに、10階屋上にはスカイガーデンを備え、那覇市を代表する施設となっている。