施工事例1
case

施工事例1case

障がい者雇用モデル企業「東京都チャレンジドプラストッパン株式会社」が
屋上に新設した農園に木質培地『グロウアース』を採用

2024年3月、板橋区の企業「東京都チャレンジドプラストッパン株式会社」の社屋屋上に、車いすの人も作業しやすい菜園が開園しました。多くの障がい者を雇用する同社は、屋上に自然と触れ合える場所を設けて従業員のウェルビーイングに貢献するとともに、農業の事業化と障がい者雇用の拡大を見据えています。
東京都チャレンジドプラストッパン株式会社の横橋智様に、国産の木材チップを粉砕して特殊加工を施した『グロウアース』を採用いただいた経緯、実際に使ってみたご感想などを伺いました。

  • お話を聞いた方

    東京都チャレンジドプラストッパン株式会社
    クリエイション推進部 クリエーションチーム

    屋上菜園グループリーダー

    横橋 智 氏

  • 横橋 智 氏

■今後「農業」を新たな事業の柱の一つとして、障がい者雇用の拡大を目指す

車通勤が減って使われなくなった屋上の駐車場を有効活用

―社屋に屋上菜園を新設した理由は?

弊社は創業以来印刷の前工程を担っていたのですが、親会社であるTOPPANホールディングス株式会社(旧:凸版印刷株式会社)の事業変革と同様に、紙の需要が減少する中で新しい事業を模索する必要がありました。印刷以外の領域にも広く挑戦し、社会課題の解決を目指すことになったのです。そして、障がい者が働きやすい環境づくりと考える中で「農業」というアイデアが出てきました。

環境面では、駐車場として使っていた社屋の屋上が空きスペースになりつつありました。弊社には車椅子を使う身体障がい者が多く車通勤の方がたくさんいたのですが、年月とともに徐々に知的障がいや精神障がいの方が増えていました。車通勤の方が減り、地下駐車場だけで賄えるようになっていたのです。それで、「屋上菜園は障がい者にとって心地よい場になるのでは」「うまくいきそうなら事業展開して障がい者雇用の増加につなげよう」ということになりました。作った野菜については、まずはグループ会社での社内販売から始めようと考えています。

周辺にはマンションが建ち並びながらも屋上の日当たりはよい

―『グロウアース』を知ったきっかけは?

以前から大建工業さんと付き合いの深いグループ会社から紹介してもらいました。老舗の建材メーカーで、最近園芸関連の商品やサービスを扱い始めたらしいと。ちょうど弊社が新しい取り組みに向けて動き出した時期に、大建工業さんが農業や園芸資材分野に参入して、タイミングが良かったと思います。2023年の夏頃に、グループ会社のTOPPAN株式会社から紹介があり提案をいただきました。

■飛散しにくく、汚れにくい。軽くてハンディキャップのある人も作業しやすい

軽くてふわふわの『グロウアース』だが、細かい木材の繊維が絡み合って飛散しにくい

―『グロウアース』採用の決め手は?

周辺はマンションが建ち並ぶエリアです。屋上で土を使うと飛散して近隣の洗濯物を汚してしまう懸念があったので、飛散しにくい素材が好ましいと考えていました。『グロウアース』は飛びにくい構造なので、安心して使えそうだと思いました。触れても手に付着しにくいですし、サステナブルな製品であること、軽量で屋上でも重さを気にせず導入できる点も気に入りました。

―プランターやスタンドもセットで導入されたのですよね。施工にかかった時間や手間はいかがでしたか?また、使い心地はいかがでしょうか。

施工は1日半から2日くらいで終わりました。大規模工事が不要なので取り入れやすいですね。1日目に資材を搬入し、翌日に設置作業を行いました。大建工業さんのブランター(レイズドベッド)は、立って作業するにも車いすの人が作業するにもラクな、ちょうどいい高さです。車いすだと野菜が目線近くの位置に来るので、より親しみや愛着がわいて作業へのモチベーションが上がります。これは普通の畑では感じられないメリットではないでしょうか。直置きしないことで、夏場に地面の熱で過剰に熱くなることを避けられる点も良いと思います。

  • 目線の高さに野菜が見えるのでより愛着がわき、作業のモチベーションが上がる

  • 車輪付きの椅子にすわって作業をすることも可能

別に水道工事も行って流し台と水まき用のホースも設置して、屋上で給水できるようにしました。こういった給水設備も大建工業さんに依頼できると聞きましたが、グループ会社に工事会社があったので今回はそこに依頼しました。

水やりや手洗い、収穫した野菜を洗うための給水設備も整えた

―『グロウアース』を実際に使ってみて、どんな感想をお持ちですか?

土に比べて軽いので、車椅子で踏ん張りがきかない方や手先が不器用な方も作業しやすいと感じています。そこが一番気に入っているところです。プランター内の『グロウアース』は収穫が終わったら攪拌して再度使うのですが、その作業がラクなんです。土ならもっと力が要るでしょう。

車椅子の人から、「畑をやっている親から農作業の大変さや楽しさを聞いても、今まではピンと来なかった。でもここで体験してみて両親の気持ちが少し分かるようになった」という話を聞いたときは嬉しかったですね。「みんなのエコ菜園」のおかげで、できなかったことができるようになり、家族とのコミュニケーションにも役立った。導入して良かったと思います。

繊維が絡み合って飛散しにくいことも実感しています。さらに、育てられる野菜の種類に制限がないのもうれしいところですね。当園ではいちご、ミニ大根、スティックセニョール、ブロッコリー、パプリカなどを育てていて、今のところどれも問題なく栽培できています。6月末には枝豆が収穫できる見込みです。

さまざまな種類の野菜を育てている

■植物とのふれあいがもたらすリラックス効果にも期待

―現状と今後の展望を教えてください

今は業務の合間にみんなに少しずつ作業を体験してもらっています。これまでずっとパソコン操作など事務作業をやっていた人たちが、いきなり農作業するのは難しいですからね。軌道に乗ったら専任スタッフを設けて事業として進めていくことになるでしょう。

働いていれば様々なことがありますが植物とのふれあいは良い気分転換になり、心が安らぐでしょう。苗だけでなく種からも野菜を育てているので、芽が出るのを待つ楽しみもあります。色んな野菜が収穫できたら、社員みんなで一緒に味わいたいですね。

■採用製品

『グロウアース』、プランター

■施設データ

  • 東京都チャレンジドプラストッパン株式会社 小豆沢チャレンジファーム
  • 東京都チャレンジドプラストッパン株式会社
    小豆沢チャレンジファーム

    東京都チャレンジドプラストッパン株式会社は、1993年6月に凸版印刷株式会社(現TOPPANホールディングス株式会社)および東京都と板橋区の共同出資により設立された、重度障がい者雇用モデル企業。2023年に創立30周年を迎えた。事業内容はDTP制作、書籍の電子化、紙すき事業など。159名いる従業員(2023年6月現在)の約8割を障がい者であり、障がい者が能力を十分に発揮し、生き生きと働ける職場環境の提供を目指している。2024年3月、新たな取り組みとして社屋屋上に開園した。

その他の施工事例
case

その他の施工事例case

『みんなのエコ菜園』についてご相談ください!
『みんなのエコ菜園』についてご相談ください!