大建工業の
サステナビリティ

Daiken Sustainabilities

未利用資源を有効活用! 創業時からアップサイクルや社会課題解決に取り組む大建工業

未利用資源を有効活用! 創業時からアップサイクルや社会課題解決に取り組む大建工業

☆本インタビューのダイジェスト映像はこちら
お話を聞いた方:億田 正則(大建工業株式会社 代表取締役 社長執行役員)
インタビュアー:こにわ(サンミュージック)

“「建築資材の総合企業」DAIKEN”として、住宅・建築業界ではおなじみの大建工業株式会社(本社:大阪府/本店:富山県)。幅広い分野で活躍している大建工業の事業に対する取り組み姿勢や魅力を伝えていくWEBマガジン「DAIKEN魂!」がついに始動!!

こにわ:こんにちは! こにわです
さあ! 今回、私がお邪魔させていただいているのは、1945年創業の建材メーカー、大建工業さんです!
実はこの会社、一貫してアップサイクルを行っている企業なんです。とてつもなく熱い魂を感じます!

そしてこの度、大建工業さんのホームページで「DAIKEN魂!」という新たなWEBマガジンがスタートします。記念すべき初回に私がインタビューさせていただきますのは、大建工業の代表取締役、億田正則社長です。
アップサイクルに取り組み続けてきた大建工業さんの歴史や事業内容、取り組み姿勢などをお聞かせいただきたいと思っております。
よろしくお願いします!!

億田:はい、よろしくお願いします。

戦後まもなく創業、日本経済復興への貢献を目指す

こにわ

こにわ:さっそくですが、御社は1945年の創業当初から社会課題解決への取り組みを行ってきた企業だと伺っています。そこにはどのような思いや経緯があったのでしょうか?

億田:大建工業は、終戦からわずか40日ほど後の1945年9月26日、世界遺産・五箇山の一角にある富山県東礪波郡利賀村(ひがしとなみぐんとがむら・現南砺市利賀村)で創業しました。
その原動力となった「復興資材として木材・製材品を生産し、日本の社会や国民の生活の再建に役立ちたい」という先人の熱い志や理念は、現在も変わっていません。

創業当初

こにわ:なんと、大建工業さんが創業した動機は、“戦後の復興に貢献するため”だったんですね! 戦後の日本はいろいろ大変だったと思うのですが、創業時はどのようなことをされていたのでしょうか?

億田:当社はベニヤ板を貼り合わせた合板事業からはじまったのですが、創業当時は日本経済の復興のために、トラック・鉄道・船舶など主要な交通輸送機関が必要とされ、発展しはじめた時代でした。
それらに使用する内装用の合板には耐久性と耐水性が不可欠だったため、当社では技術開発に取り組むことで高性能な合板用接着剤を自社開発し、十分な耐久性と耐水性といった付加価値を高めた「特殊合板」をつくり上げたのです。

特殊合板

この特殊合板は、当時最も厳しい規格であったMIL規格(米国防総省が制定した米軍の資材調達に関する規格)もクリアしまして、完全耐水合板への道を拓きました。これをきっかけに、トラックの荷台板や鉄道の車両用合板、船舶用の内装合板、さらには新幹線のフロアの下地など数多くの場所で採用していただきました。

こにわ:復興には交通機関は必須ですよね。非常に重要な役割を担っていたんですね。

億田:「特殊合板の開発」という選択は、「技術や品質を重視するものづくり」という企業体質の確立、新しい技術・製品開発が人々の暮らしを豊かにすること、そして企業の発展にも繋がるということを教えられたと思っています。

環境問題と向き合い、貴重な資源の有効活用を目指した高度経済成長期

億田 正則

こにわ:復興後は高度経済成長期に入られましたよね。時代の変化も目まぐるしかったのではないでしょうか?

億田:高度経済成長期は、さまざまな環境問題が深刻化した時代でもありました。
そこで当社は、環境問題と向き合い、人々の暮らしを支えるために、限りある貴重な資源を有効活用しようと考えました。
創業当時からの合板事業も木材を有効利用するところからはじまっていますので、それまでは捨てられていた製材時に発生する端材を何かに使えないかということから、それなら端材をウッドチップ化して木材の有効活用をしたらどうか、という話になりました。 今でいうサステナブルな部分のはじまりなんですよね。

そこで1958年に開発したのが、わが国の建築業界初の新建材「インシュレーションボード(緩衝材や芯材などに適したクッション性や軽量性を有する木質繊維板)」です。当社の主力であった合板事業は、その生産には良質な原木が不可欠ですが、インシュレーションボードは原木ではなくウッドチップを原料とするので、端材や廃材などの木材資源を無駄なく活用することができるのです。

インシュレーションボード

こにわ:廃材が建材に生まれ変わるのですね。 しかも60年前ですよね!?まさにアップサイクルの先進企業ですね。
高度経済成長期のころ、会社も急成長をしていたと思いますが、社内の様子はどう変化していきましたか?

億田:若い社員が増えてきたこともあるかと思いますが、戦後の高度経済成長にあわせて全社一丸となって頑張っていたので、非常に活気があったと聞いています。

こにわ:御社にはまだ他にも社会課題に対応した製品はあるのですか?

億田:不燃建材にも力を入れています。
国民所得倍増計画が実施に移された1961年には年間の住宅着工戸数は50万戸を超え、市場拡大の明るい展望が開けていました。でも、急速な発展とは相反して住宅事業の課題改善は立ち遅れていまして、木造住宅の火災、特に台所からの出火が後を絶たない状況でした。

こにわ:それは大問題ですね! たしかに日本は昔から木造の家が多いですよね。「地震、雷、火事、おやじ」という言葉があるくらい火事は怖いですもんね。

億田:建設市場の拡大に不可欠なものとして待望されたのが、より優れた高性能不燃建材の登場で、当社では、繊維板事業への進出を決意した時点から防火性能についての研究に着手していました。
しかし、木質繊維板では完全な不燃化は困難でした。そこで当社が着目したのが製鉄時の副産物、未利用資源のスラグです。このスラグを繊維化したロックウールを活用して、不燃の天井材「ダイロートン」を開発しました。

ダイロートン

こにわ:つまり、燃えにくい建材を開発されたんですね。

億田:その通りです。
未利用資源を活用して開発した「ダイロートン」は当時の建設省(現国土交通省)から建築防火材料の認定を受けるなど高い評価をいただきました。この製品は火災に強く安全で快適な住宅、都市空間の構築に重要な役割を果たし、日本だけでなく世界にも広がっていったということです。

社会課題の解決にもつながる、未利用資源の活用

こにわ:火山灰を使った製品もあると伺ったのですが、これはどういったものなのか教えていただけますか?

億田:九州南部の方々にとって使い道がなく迷惑な火山灰・シラスを活用した製品があります。その話につながるのですが、1995年に阪神・淡路大震災がありましたよね。被害状況を調べたところ、建物に関しての倒壊のおもな原因は壁と構造材の劣化にあって、被災住宅のほとんどは古い木造家屋だったんですよ。

こにわ:大変な地震でしたよね。私は当時中学生でしたが、今でも鮮明に記憶に残っています。日本は地震大国ですし、地震に強い建材などはないのでしょうか?

億田:そのために当社が開発したのが、未利用資源の火山灰・シラスとロックウールを活用して開発した耐力面材「ダイライト」になります。

震災によって、住宅の耐震性能が大きく見直され、特に「筋交い」や「きずり」に頼った在来木造住宅の構造上の弱点が指摘されたことから、震災にあっても倒壊せず、延焼も防ぐ住宅用の建材開発が建材メーカーの急務となりました。 「ダイライト」は、これまでの無機系素材では実現できなかった、軽量、高強度、高耐久、防耐火、加工性、通気性という耐力面材に求められる性能を兼ね備えた新素材で、今では日本全国の100万世帯でご採用いただいています。

こにわ:火山が多い日本には火山灰がたくさんありそうですね。
これまでいくつかお聞きしてきましたが、大建工業さんは火山灰以外にも未利用資源の利用にこだわってらっしゃるようですが。

億田:社会課題の解決という観点からも未利用資源の有効活用は非常に重要だと考えています。
有力な南洋材の産地であるマレーシア・サラワク州で1990年代初頭に問題となっていたのが、製造時に発生する膨大な端材処理で、当社でも木材資源保護とその有効利用のために「MDF(表面が平滑で化粧基材に適した木質繊維板)」の生産を現地でスタートさせました。その後、地球環境保護の声も高まり、熱帯雨林保護の問題も急浮上する中、マレーシアの植林木の製材端材などの未利用資源を原材料とする「MDF」を開発しました。
MDFの製品はムラのない安定した品質があり、さらに良質な接着剤を使用することで耐水性も向上させました。ドア、カウンター、キッチンの扉、床材などさまざまな化粧基材に最適なこの素材は、今や国内外で幅広く使用されています。

ダイライト

こにわ:未利用資源を見つけて、それを活用できてしまうのも技術力あってこそ、といったところでしょうか?

億田:そうですね、当社のグループ企業理念に「技術と発想と情熱で、笑顔があふれる未来に貢献」というものがあります。
大建工業の歴史に根付いている“未利用資源をいかに使うか”という精神も含め、2018年に開設した「R&Dセンター」を中心に、素材・製品・生産技術に関する研究開発力のさらなる強化、およびスピードアップを図りながら理念実現に向けて取り組んでいきたいと思っております。

こにわ:やはり、すごい技術や製品を開発したりすると出世したり、ボーナスがアップしたりするのでしょうか?

億田:さあ、どうでしょうね〜(笑) でも、同僚たちから一目置かれるのは確実ですね。うちには、伝説の社員といわれる人が何人もいますよ。

億田 正則

こにわ:社会貢献というところですと、最近は「サステナビリティ」なんて言葉もよく聞きますが、大建工業さんも「サステナビリティ」を重視されているのでしょうか?

億田:最重要課題ととらえています。
サステナビリティ、いわゆる持続可能性を目指して社会課題の解決に貢献する考え方は、当社のこれまでの取り組みや目指す姿とリンクしていると感じています。

当社は大阪・関西万博が開催される2025年に創立80周年を迎え、その先には100周年という大きな節目があります。そこを見据えて、目指す姿を描いていかなくてはならないと考えています。 2022年6月には、従来のCSR基本方針を進化させた、「DAIKENサステナビリティ基本方針」を制定しました。今後は、当社グループがもつ“技術・発想・情熱”を結集させて、「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を推進していきます。

こにわ:今回、大建工業さんの創業当時からの取り組みをお伺いし、非常に感銘を受けました。どんな事業や製品を開発されても、軸には社会課題解決への取り組みがあるんですね。

では最後に、これから社会はますます急速に変化をしていくと思いますが、今後の大建工業さんの展望についてお聞かせください。

億田:当社では事業を通じて社会に貢献する企業であり続けるべく、その社会課題・ニーズをいかに捉え、当社の技術をどう活かしていくかは、トップである私を含め、役員、部門長からグループ従業員まで、一人ひとりの発想や情熱に委ねられています。現状の技術をより追求し、世の中の役に立つような開発を進めて、社会課題の解決につなげることで、企業価値を高めていきたいと考えています。

こにわ:大建工業の億田社長にお話を伺いました。本日はありがとうございました。

億田:ありがとうございました。

こにわ:いかがでしたでしょうか? 私は未利用資源をアップサイクルし、社会課題の解決に取り組み続ける大建工業さんの姿勢に熱い魂を感じました!
それでは社長、最後に決め台詞を一緒に言っていただいてもよろしいですか?

こにわ・億田:『DAIKEN魂!』

DAIKEN魂!