【プロ直伝】失敗しない!
天井用クロスの種類と選び方のポイント3選
新居における天井用クロスを選ぶとき、どれを選べば良いか分からず悩んでいませんか?
天井は、部屋の雰囲気を決定づける重要な要素です。
もちろん柄や色など、デザインの好みで選ぶのも良いでしょう。
しかし、機能が住環境に適さない天井用クロスを選んでしまうと、その後の生活で音問題による近隣トラブルや、室内の空気の乾燥もしくは多湿による体調不良の原因になる可能性があります。
快適な居住空間を作るためにも、天井には最適なものを選びたいですよね。
本記事では、天井に使えるクロスの種類と、失敗しない天井用クロス選びのポイントを3つお伝えします。
目次
天井用クロスの定義と2つの役割
まずは、天井用クロスの定義と役割から説明します。
天井用クロスとは、天井の仕上げ材として用いられる薄い装飾用壁紙のことです。
天井用クロスは、部屋の内装において以下2点の役割を果たします。
・見た目の美しさやインテリアとして部屋を演出する役割
・調湿や吸音など機能面での室内保護の役割
それぞれ解説します。
見た目の美しさやインテリアとして部屋を演出する役割
天井用クロスは壁用クロスと同様、選ぶデザインや色彩によって、その部屋の印象を大きく左右します。
例えば白い無地の天井用クロスは、日の光を反射させながら取り込むことができ、部屋全体を明るく広く見せる効果があります。
ペットや小さなお子さんがいる場合は、気持ちよく過ごすことができるでしょう。
一方で、ダークブラウンや木目調の天井用クロスを選んだ場合、シックで大人っぽいイメージの部屋に仕上げることができます。
汚れも目立ちにくく、落ち着いた印象の空間になります。
このように天井用クロスには部屋の雰囲気をガラリと変え、インテリアとして部屋の価値や居住者の満足度を上げる役割があります。
調湿や吸音など機能面での室内保護の役割
天井用クロスには見た目の美しさ以外にも、調湿や吸音といった機能面で外的環境から室内を保護する役割があります。
日本は多湿な環境であるため湿気対策を行わないと室内にカビが発生してしまったり、寒暖差対策を行わないと身体の不調を起こしてしまったりしてしまいます。また、現代では住宅の気密性が高くなっており、家の中の音が反響しやすくなって、生活音が気になったり、テレビの音が聞き取りにくくなったりしてしまいます。このようなトラブルを避けるためにも、音対策は現代の家づくりにおいて必要不可欠です。
以上のような気候や音などから発生するトラブルを回避するために、住環境や用途に応じて天井用クロスを選択しましょう。
天井用クロスの種類と特徴
天井用クロスは大きく分けて、以下の6種類があります。
- ①:ビニールクロス
- ②:織物(ファブリック)クロス
- ③:紙クロス(和紙クロスを含む)
- ④:木質系クロス
- ⑤:無機質系クロス(漆喰・珪藻土など)
- ⑥:フリース壁紙
それぞれ原材料や材質、特徴などを解説します。
①:ビニールクロス
ビニールクロスは、一般的に家づくりの際に用いられているクロスです。
色や柄のバリエーションが豊富にあり、かつ安価にお好みの雰囲気が作れるところが特徴です。塩化ビニール樹脂が主な原料で、シート状に加工する際に紙と複合して作られます。
一方でビニールクロスは化学物質を含むものが多く、人体への影響が気になる方は施工業者に成分等を確認することをおすすめします。
②:織物(ファブリック)クロス
織物(ファブリック)クロスは麻や絹、レーヨンといった洋服にも使われる布地で作られたクロスです。
布特有の温かみのある風合いが特徴で、調湿性に優れています。
細かく織られているため、破れにくいのも特徴ですが、布地であるため、汚れの落ちにくさが弱点です。
③:紙クロス(和紙クロスを含む)
紙クロスはパルプなどを原料とした紙に、デザインがプリントされていたり、凹凸のあるエンボス加工がされていたりするものです。
紙素材のため透湿性をもつものもあり、透湿性石膏ボードなどの下地と組み合わせることで、その効果を発揮できます。
また、和紙そのものや、和紙に柄を印刷したものもあります。和紙クロスは、温かく柔らかい雰囲気を演出してくれます。直接水がかかるような場所は苦手ですが、ある程度の調湿効果があります。
④:木質系クロス
木質系クロスは、薄くスライスした天然木やコルクに、紙やアルミを組み合わせて作られたクロスです。
木質系クロスを天井用クロスとして活用することで、ナチュラルで温もりのある空間に仕上げることができます。
無垢材を使用したものもあり、調湿効果やリラックス効果が高いという特徴があります。
⑤:無機質系クロス(漆喰・珪藻土など)
無機質系クロスは、珪藻土や漆喰のような自然素材を、紙などの他の材料と組み合わせてシート状の材料に加工したクロスが主流です。
塗装した壁のようなザラザラとした風合いで、防火性に優れているのが特徴です。
漆喰を使用しているものは調湿性能を、珪藻土を使用しているものは、調湿性能と消臭機能をもっているものが多いです。家づくりの際によく選ばれます。
⑥:フリース壁紙
フリース壁紙は、パルプ、ポリエステル、セルロース等を3次元に絡ませて作られた壁紙です。
フリース壁紙は、ビニールクロスや紙クロスと比べ、伸び縮みが少ないため、壁紙同士の繋ぎ目部分の目開きが起こりにくいです。また、ビニールクロスや紙クロスよりも破れにくく丈夫であり、下地のクラックにも影響を受けにくいです。一方で、ビニールクロスに比べると価格が少し高めに設定されています。
天井用クロス選びの3つのポイント
以上のように、天井用クロスには様々な種類があることを踏まえ、ここでは天井用クロス選びのポイントを3つ紹介します。
- ①:明るめの色のクロスを選ぶ
- ②:生活環境に合った機能で選ぶ
- ③:お手入れのしやすさで選ぶ
①:明るめの色のクロスを選ぶ
天井用のクロスは、基本的に壁紙と同じもの、もしくは壁紙よりも一段階明るい色を選びましょう。明るい色味のクロスを選ぶことで、部屋をより広く見せることができます。黒やブルーなど暗めの色を選ぶ人もいますが、インテリアとの色の相性に注意が必要です。ご自身の生活スタイルや好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
②:生活環境に合った機能で選ぶ
天井用クロスには調湿機能、消臭・抗菌機能や吸音機能を持つものがあります。
その特性を活かして、部屋によって最適な天井用クロスを選びましょう。
例えば、クローゼットや物置といった、あまり人の出入りがなく湿気が溜まりやすい場所には、調湿機能のあるクロスを選ぶと良いでしょう。
また、トイレやお風呂、キッチンといった水回りの空間には防カビや防臭機能のあるクロスを選ぶと、お掃除の手間を軽減することができます。
さらに、ペットや小さなお子さんのいるご家庭であれば、リビングや寝室には吸音機能を持つクロスを選ぶのもおすすめです。
③:お手入れのしやすさで選ぶ
天井用クロスにはビニール素材や布素材など多様な種類があるため、素材の特徴に合わせたお手入れや汚れの落とし方があります。
例えばビニール素材の天井用クロスの場合、全体的なホコリはハンディモップや乾いた布等を使用して落とします。
一方で布素材の天井用クロスの場合、全体的なホコリなどを取りたい時はビニールクロスと同様のお手入れ方法でOKですが、注意したいのは水拭きNGという点です。
汚れが目立つと、洗剤をつけた布や濡れた雑巾で、ついゴシゴシ擦ってしまいがちですよね。
しかし、布製のクロスの場合は、水拭きだと汚れがしみ込んでしまい、洗剤や薬剤が原因で新たな染みができるリスクもあります。
そのため、汚れが付着した場合は、乾いたやわらかい布でやさしく拭き取るようにしましょう。
珪藻土の天井用クロスは、月に一度程度の頻度でハンディモップを使用し、ほこりを取り除いてください。
このように、普段のお手入れのしやすさで天井用クロスを選ぶのも良いでしょう。
天井用クロスは家族構成や生活環境に合ったものを選ぼう
家づくりに向けた天井用クロスの種類と選び方について解説しました。
天井に使える素材のなかには、クロス以外にも機能を持った天井材があります。DAIKENの天井材『クリアトーン』シリーズは、調湿性能、消臭性能、吸音性能を併せ持った『クリアトーン12SⅡ』等をラインアップしています。
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