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ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」 発売から50年を迎えました

不燃、吸音、調湿など豊富な機能で安全・快適な生活環境を支える
ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」発売50周年
〜全国の住宅・オフィスビルへ安心・安全をお届けして半世紀〜

大建工業株式会社(大阪市北区堂島、社長:億田正則)が製造・販売するロックウール化粧吸音板「ダイロートン」は、今年9月で発売から50周年を迎えました。
1964年(昭和39年)9月、経済の急速な成長とともに、土地の高度利用が求められ、都市部におけるビルの高層化や地下街の建設が積極的に進められる中、重要さを増す建築物の不燃化に対応するため、当社は日本で初めて湿式によるロックウール化粧吸音板「ダイロートン」の製造・販売を開始しました。以後、ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」は、新たな工法や機能の開発により各時代のニーズに対応しながら、オフィスビルや文教施設、住宅などの、防火性能を備えた天井材として、安全で快適な人々の生活環境に貢献してまいりました。

【ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」とは】
ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」は、製鉄時の副産物であるスラグを繊維状に加工したスラグウールを原材料とする鉱物質繊維板です。鉱物質であるため燃えにくく、不燃性能を有する軽量な板材として、オフィスビルや学校などの文教施設、また一般住宅の天井材として用いられています。優れた吸音性を発揮することから、室内の音環境を整える効果があり、特に住宅用天井材については、湿気を吸放出する調湿性を持たせることで空気環境を快適に保つためにもお役立ていただけます。

左からダイロートンと原料のスラグ・スラグウール、オフィスビルでの使用例、住宅用天井材の施工例

<製造拠点>  岡山大建工業株式会社
・所在地 : 岡山県岡山市南区海岸通2−5−8
・従業員 : 280名
・設 立 : 2003年(平成15年)10月1日
・操 業 : 1958年(昭和33年)※大建工業㈱岡山工場として
“ロングセラー商品「ダイロートン」”
1964年の発売以来、様々なお客様のもとへお届けしたダイロートンは約3億m2。
一般的なサイズの天井材に換算してつなぎあわせると、およそ100万kmの長さに!
 (幅30.3cm×長さ60.6cm)


【開発の背景】
岩戸景気からオリンピック景気、いざなぎ景気へと、空前絶後の好景気を背景に高度経済成長を続ける日本において、都市部を中心に土地の高度利用が課題となっており、ビルの建設が活況を呈していました。東京オリンピックを翌年に控えた1963年(昭和38年)7月には、建築基準法改正により百尺規制を初めとする軒高規制が廃止され、容積率による規制が導入され始めたことで、高さ31mを超える高層ビルの建築も可能となりました。そうした高層ビル時代の幕開け当時、従来にも増して重視されるようになった防火対策として、様々な防火建材が使用され、当社では当時製造していた木質繊維板の難燃化処理よりも、性能・コストの面で優れた高機能不燃建材の研究に取り組んでいました。欧米ではすでに実用化が進んでいた鉱物質繊維に着目し、アメリカの繊維板メーカーとの間でライセンス契約を締結。岡山工場(現 岡山大建工業株式会社)においてロックウール化粧吸音板「ダイロートン」の生産体制を整え1964年9月より建築防火材料認定を受けた天井材として日本国内での販売を開始しました。

当時のダイロートン生産風景

【新工法、新機能の開発】
ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」は、発売以後、新たな工法や機能の開発により各時代のニーズに対応してまいりました。

(1)天井施工技術の開発

ダイロートンの発売以降、その施工技術の開発に取り組み、照明器具や空調設備、火災報知器、スプリンクラーなどの諸設備を組み込んで集約・機能的に配置するシステム天井を開発しました。本格的なシステム天井は、1970年完成の世界貿易センタービルに初めて採用されました。

(2)住宅用途への展開

1977年(昭和52年)には、「ダイロートン」を一般住宅へも拡販するため、デザイン性を高めた仕上がりの美しい天井材製品を開発。表面に釘頭が見えない高意匠の本実(ほんざね)加工品が投入され、不燃材料への関心が高かった当時、住宅分野へも「ダイロートン」天井材が受け入れられました。

(3)防音・音響技術を開発

高度経済成長の時代が終わり、2度のオイルショックを経ると、人々の価値観は多様化、住まいについては安全性や快適性に対する関心が強まりました。当社では、意匠性の高い製品の開発とともに、「ダイロートン」の吸音性能を活かした防音に関する技術開発を進め、1982年(昭和57年)、遮音・吸音性能を兼ね備えたロックウール基材の住宅用天井材「オトテン」を発売。住まいの快適性能のひとつとして、防音への関心は次第に高まりを見せました。

(4)ホルムアルデヒド吸着機能で健康・快適

1990年代後半には、シックハウス症候群が問題視され始め、原因のひとつとして新築住宅における内装建材が取り上げられるようになりました。当社は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの吸着機能を付与したダイロートンを開発。住宅品質確保促進法の施行などもあり、健康志向が強まった当時のニーズとマッチしたダイロートン天井材は、多数の大手住宅供給会社などに採用されました。

(5)吸音性能、調湿性能、消臭性能で気密性の高い現代住宅を快適に

現代の住宅は、高気密・高断熱化が進んだことにより、省エネ性能が向上した一方で、室内で発生した音が響きやすい、また冬場に結露が発生するなどの問題を抱えています。
現在、住宅用天井材として販売する「ダイロートン健康快適天井材」は、室内の気になる反響音を抑える“吸音性能”、室内の湿度が高くなると湿気を吸収して結露やカビの発生を抑え、乾燥すると湿気を放出することで一年を通じて快適で心地よい空気環境を実現する“調湿性能”、また、トイレ臭、生ゴミ臭、ペット臭などの原因とされる代表的な化学物質を吸着し、気になる臭いを軽減する“消臭性能”により、住まいの室内環境を快適にするためにお役立ていただいています。(※各性能は、一部製品には付与されていません)


【ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」のこれから】
東日本大震災の際に、天井の脱落が多数発生したことを受け、2014年4月、脱落によって重大な危険を生ずる恐れがある天井について脱落防止のための規制が施行されました。
軽量という特性を持つダイロートンは、地震による天井の揺れの増大を防ぎ震災時の安全性を高めることから、当社ではダイロートンの一層の普及を図るとともに、今後予想される更なる技能工不足に対し、少ない部材で施工手間・コストを削減しながら耐震性を確保できる工法の開発を進めています。
今後も、ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」の安定供給、また、より価値のある新製品・新用途の開発により、人々の生活環境の安全・快適に貢献したい考えです。

 (2)住宅用に用いられた天井

 (3)防音用天井

 (5)(上)吸音性能のイメージ (下)調湿性能のイメージ


※ここに掲載されている情報は発表時のものであり、ご覧になられている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。


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