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カイハツボード株式会社を子会社化

大建工業株式会社(社長:井邉博行)は、三菱マテリアル株式会社より同社の100%子会社であるカイハツボード株式会社(以下「カイハツボード社」という)の全株式を取得し、当社の連結子会社といたしました。これは、当社が数年来注力し、コア事業として位置づけてきた代替エコ資源事業(エコ素材事業)が、折からの合板代替特需と相俟って、特に木質系のエコ素材で供給がタイトになりつつあることに対し、生産拠点を拡大・強化することが狙いであります。


1.背景・目的


大建工業は、基礎資材として多用途に用いられているエコ素材事業を幅広く展開してまいりました。具体的には次の3種です。



IBは木質リサイクル100%のエコマーク認定品で、原料として製材時に出る端材等以外に、住宅の解体時に発生する古材を再利用しており、環境配慮の優等生として採用が拡大しております。今後、国産材の利用が進めば端材等が豊富に発生するようになり一層好都合となります。主たる用途として、タタミ床用が大部分を占めてきましたが、ここ数年、産業用や養生ボード等、用途が拡がっております。

MDFは、合板代替材料として家具用途をはじめ各種化粧パネルの芯材はもちろんフローリングの基材にも採用が拡がり、更なる拡大が見込まれます。
未利用資源である火山性ガラス質堆積物(シラス)とロックウールを主原料とするダイライトは、木造住宅の耐震・耐火に加え、目には見えない壁体内部の結露を防止して構造材の耐久性向上に大いに貢献することが認められ、平成9年の発売以来延べ40万戸の住まいに採用されております。合板の入手難や価格上昇により、更なる需要の拡大が見込まれます。

近年、環境保護を目的とする天然木の伐採規制強化に加え、中国やインドでの木材需要急増により、日本国内において南洋材の合板は量と価格の両面で大変厳しい状況にあります。加えて針葉樹合板もロシアが輸出関税の大幅引き上げを表明するなど、先行きに不透明感が漂っております。このような木材資源を巡る国際事情も重なって、合板が代替素材に置き換わる傾向にあります。

当社はこうした情勢変化に対し、これまで平成16年にサイディング事業との交換でIBの商権を拡大するとともに、翌平成17年にはMDFの生産拠点としてダイケンミリ社を子会社化するなど、先手を打つ形で対処してまいりました。
昨今の合板代替需要の急増により、MDFはフルキャパ、IBも岡山大建工業がフルキャパ、高萩大建工業もフルキャパ目前の82万枚/月となっております。高萩大建工業は、1シフトの増設により30万枚/月の増産が可能ですが、その場合でも2年以内にタイトになる見込みです。
かかる事情から、生産キャパの増強が課題となっておりましたが、ラインを新設するとなると土地代別で100億円レベルの資金と最低2年の歳月を要することになりますので、種々思案を巡らせていたところ、ご縁があり今回の件をご紹介いただき、鋭意交渉を重ねた結果、このたび両社合意のはこびとなりました。

カイハツボード社は主にIBを製造しており、現在の生産量はタタミボードで月間約20万枚で、IBとハードボード合計のフルキャパは月間約50万枚です。今後、大建工業はこれまで培ってきた技術力を駆使してカイハツボード社の製造ラインに抜本的に手を加え、成長分野に製品展開を図っていく所存であります。

わが国では木質パネルといえば70%が合板で、木質ボード(MDFやIBなど)は30%となっております。環境先進国の欧米ではこの逆で合板30%、木質ボード70%となっております。日本も近年、徐々に欧米に近づきつつあります。貴重な木質資源の有効活用、環境問題の先行き、資源を巡る国際情勢等を考えた時、エコ素材事業が果たす社会的役割は極めて大きいと判断致します。


2.今後の見通し


カイハツボード社が当社グループに加わることにより、グループ全体のIB事業の生産キャパは月間250万枚になります。3年後には当社グループ全体でIBによるエコ素材事業の売上増35億円を目指してまいります。


3.カイハツボード株式会社の概要と業績(平成18年3月末現在)


商 号   : カイハツボード株式会社
所在地  : 福島県会津若松市神指町大字南四合字幕内南632−1
代表者  : 取締役社長 菅谷公男
設 立   : 昭和59年3月1日
資本金  : 300百万円
総資産額 : 3,343百万円(平成18年3月期)
売上高  : 3,409百万円(平成18年3月期)
従業員数 : 96人
株 主   : 三菱マテリアル株式会社 100%
事業内容 : ファイバーボード等の製造・販売


4.株式取得の内容


1) 株式取得先
   商 号   : 三菱マテリアル株式会社
   所在地   : 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
   代表者   : 取締役社長 井手明彦
   事業内容 : 非鉄金属・セメント等の製造・販売
2) 取得株式数、取得前後の所有株式の状況
   異動前の所有株式数:    0株 (所有割合     0%)
   取 得 株 式 数  : 6,000株 
   異動後の所有株式数: 6,000株 (所有割合    100%)



◆木質繊維板によるエコ素材の解説

1.インシュレーションボード(IB)
 IBは、主に木材などの植物繊維を成型した繊維板のうち、繊維原料を湿式抄造して乾燥させた軽量(密度0.35g/cm3未満)の繊維板であり、断熱性・吸音性・吸放湿性に優れ、タタミ床、内外装下地材のほか、家具やキャビネットなどの芯材といった産業資材など広範囲に使用されております。木材繊維同士の絡み合いで成型できるため、接着剤をほとんど使用しないで製造することができます。建築廃材などの古材をチップ化した木質再生原料を主原料とし、環境に最も配慮された繊維板であります。

2.MDF
 MDFは、主に木材などの植物繊維を成型した繊維板のうち、繊維原料にバインダーを加えて圧縮し乾式製板した中密度の板であり、JIS規格では、密度が0.35g/ cm3以上の木質繊維板をいいます。木質繊維板の内でも加工性や強度が合板に近いため、従来から住宅設備機器、造作部材、内装建材、厨房家具、机、収納家具、建具、楽器、梱包材料など多くの用途で合板代替材料に用いられております。



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