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西日本ダイケンプロダクツ(株)が原料再生設備を新設

大建工業(社長:井邉博行)の製造グループ会社である西日本ダイケンプロダクツ(株)(社長:長谷川泰之)は、廃棄処理していた抄造残渣(しょうぞうざんさ)を原料としてリサイクルする、原料再生設備の設置工事を進めてまいりましたが、このほど工事が完了し4月2日より設備始動するはこびとなりました。
原料再生設備の設置により、廃棄処理されていた年間約4000トンの抄造残渣が、原料として全量リサイクルされることになります。
※抄造残渣とは:抄造(すき上げ)過程で発生した未抄造原材料のこと。

【背 景】

DAIKENグループでは、「地球にやさしく、人にやさしい“環境発想のモノ作り”」を基軸に、環境負荷を低減する活動にグループ全社で取り組んでいます。2005年度からの3年間につきましては、重点課題や具体的目標を明確に定めた「第2次中期環境計画」を策定し、環境先進企業を目指して積極的な活動を全社で展開中です。
西日本ダイケンプロダクツが、今回、原料再生設備を設置したのも、“ゼロエミッション化に向けた環境負荷の低い生産拠点の実現”の活動の一環であり、廃棄物の社外排出量削減に大きな効果が期待できます。

【内 容】

西日本ダイケンプロダクツの主な生産品目は、火山性ガラス質複層板の「ダイライト」、木質繊維板(インシュレーションボード)、鉱物質繊維板(ロックウール吸音板)の3つ。これら製品の特徴は、火山性ガラス質材料(火山灰)や製鉄所から排出される鉄鋼スラグから作られたロックウール、建築解体古材などをチップ化した廃木材チップといった未利用資源や木質再生原料を主原料とする、環境配慮型の基礎資材であるということ。西日本ダイケンプロダクツでは、今から49年前、1958年にインシュレーションボードの生産を開始してから現在に至るまで、これら環境配慮型の基礎資材を主軸に生産活動を行ってまいりました。
これら製品のもう1つの特徴は、【湿式抄造(しっしきしょうぞう):繊維を細かく砕いて水の中で分散させ、すき上げていく製法】を採用している点、つまり製造過程において水を使うという点が挙げられます。そして、これら生産工程から排出される抄造残渣の量は、年間約4000トンにのぼり、これまでは廃棄処理してきました。
そこで西日本ダイケンプロダクツでは、工場のゼロエミッション化に向けた取り組みの第一弾として、この抄造残渣を製品の原料として再生することを計画し、2年半前からテストを積み重ねてきました。そして昨年、ようやく技術確立に至り、昨年11月から設備設置工事に着手。今月初旬には工事は完了し、現在、4月2日の本格始動に向け、試運転および最終調整を行っています。
設備投資額は1億円。原料再生設備(乾燥・焼成設備)では、二回の乾燥工程によって抄造残渣の水分を除去し、さらに焼成炉で高温加熱処理を行うことで抄造残渣を無臭・無害化します。ただし、焼成炉投入時点の抄造残渣の80%は、燃えない無機原料や塗料原料で占められているため、独自で開発した特別な燃焼機器が付いた焼成炉を設置。これにより、有機分等の不純物を焼くことが可能となりました。この画期的な設備化により、今まで廃棄処理しかできなかった年間約4000トン(水分約60%)の抄造残渣は、高温で乾燥・焼成することで約1400トン(水分0%)にまで減量化し、原料へとリサイクルします。また、コスト面においても、廃棄処分費用など年間で5千万円の投資効果も見込んでいます。
今後におきましても、ダイケングループ主要5工場を中心に、稼働設備の徹底見直しや効率稼働などに取り組むことで、環境負荷の低い生産拠点の実現に努めてまいります。


※ダイケングループ主要5工場

井波ダイケンプロダクツ(株)<4月1日より商号変更:井波大建工業(株)>
中部ダイケンプロダクツ(株)<同:中部大建工業(株)>
西日本ダイケンプロダクツ(株)<同:岡山大建工業(株)>
東日本ダイケンプロダクツ(株)<同:高萩大建工業(株)>
富山大建工業(株)の5社。


◆西日本ダイケンプロダクツの概要

所 在 地  : 岡山県岡山市海岸通2-5-8
設立年月日 : 平成15年10月1日
工場操業年 : 昭和33年(旧 大建工業株式会社岡山工場)
事業内容   : 木質繊維板、鉱物質繊維板、火山性ガラス質複層板、畳おもて(和紙)の製造
土地面積   : 253,000m2
従業員数   : 500名
 ※4月1日より岡山大建工業(株)に商号変更

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