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<span>天井</span>を有効活用! <span>エコ素材+機能性</span>で各時代のニーズに応え、快適環境を提供し続ける天井材

天井を有効活用! エコ素材+機能性で各時代のニーズに応え、快適環境を提供し続ける天井材

2023年12月27日

お話を聞いた方:吉田 忠史(大建工業株式会社 執行職 エコ事業部 副事業部長)
インタビュアー:こにわ(サンミュージック)

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“「建築資材の総合企業」DAIKEN”として、住宅・建築業界ではおなじみの大建工業株式会社(本社:大阪府/本店:富山県)。幅広い分野で活躍している大建工業の事業に取り組む企業姿勢や魅力を伝えていくWEBマガジン「DAIKEN魂!」。
第11弾は、2024年に発売60周年を迎える天井材「ダイロートン」をテーマにインタビューしました!!

こにわ:みなさん、こんにちは。こにわでございます。本日は新宿にあります大建工業さんのショールームにお邪魔しております。いやー、かなり広いですし、いろいろな建材を実際に見て体感することができるので、あちこち目移りしてしまいます!
今回はここで、大建工業さんのロングセラー天井材『ダイロートン』のこれまでと現在、そしてこれからについて伺っていきたいと思います。

こにわ

こにわ:今回お話を伺うのは、吉田さんでございます。吉田さん、本日はよろしくお願いいたします。

吉田:はい、よろしくお願いいたします。

こにわ:まず、吉田さんはどの部署にいらっしゃるのか教えていただけますか。

吉田:私がいるのはエコ事業部といいまして、いわゆる今まで使われていなかった未利用資源や資源の再利用など、エコ素材を使った製品を製造販売している部署になりますね。

こにわ:3回目のインタビューでも登場した部署ですね。エコに関係した事業部があるというのは、社会問題にも取り組み続けている大建工業さんらしくていいですよね。

製鉄時の副産物 “スラグ” を再利用した天井材『ダイロートン』

こにわ:それではまず、今回のテーマである天井材『ダイロートン』ですが、これはどういったものなのでしょうか?

吉田:『ダイロートン』は、製鉄時の副産物であるスラグを繊維状に加工したロックウールを原材料とする鉱物質繊維板です。

ダイロートン

吉田:現在、この製品は日本にある多数のビルに採用されていて、オフィスをはじめ、学校・病院や公共・商業施設などで非常に高い採用率を誇る天井材なんですよ。

こにわ:それはスゴイですね! いつ頃から販売されているんですか?

吉田 忠史

吉田:販売を開始したのは1964年なので、来年で60年を迎えます。当時は高度経済成長期でビルの建設ラッシュなどが拡大していました。戦後復興が急ピッチで進んでいく中、多くのビルや建築物が増えていき、それと同時に様々な規制が出来てきて、建物に不燃の材料を使う必要性が出てきました。
大建工業では、そのニーズに応えるため、日本で初めて湿式によるロックウール化粧吸音板『ダイロートン』の製造・販売を始めたのです。
「天井材の決定版」というキャッチフレーズで登場したこの製品は、鉱物質による不燃性に加えて吸音性や断熱性、施工性にも優れているため、安心安全で快適な生活環境づくり、都市空間の構築に重要な役割を果たしてきました。
日本初の超高層ビルである霞が関ビルをはじめ、多数の建築物に採用されていまして、近年では東京都庁や京都駅ビルの天井などにも使われていますね。

東京都庁

東京都庁

京都駅ビル

京都駅ビル

こにわ:販売開始から約60年ですか。60年前といったらエコという言葉すら知られていなかったんじゃないでしょうか。さすが長年の実績ですね! 今まで販売した量を数えたら、これまたスゴイことになりそうです。

吉田:販売開始からお客様に提供した『ダイロートン』は約3億4000万平方メートルで、一般的なサイズの天井材(幅30.3cm×長さ60.6cm)に換算してつなぎ合わせると、およそ112万kmの長さになるんです。これは地球と月との間を約1往復半できる長さです。

こにわ

こにわ:(笑)まさに天文学的数字ですね!!
これだけのロングセラー製品ですので、開発時や改良時などは色々苦労をされたんじゃないでしょうか?

吉田:そうですね、住宅市場向けの『ダイロートン』製品も時代やニーズの変化に合わせて試行錯誤しながら、様々なデザインや機能性を加えながら展開していきました。
例えば、1970年代に一般の方々の所得水準が向上してインテリアに関心を持ち始めたことから、それに合わせて個性的なデザインや施工性・意匠性にこだわった製品を次々と開発しました。
その後の1980年代は本質的な価値を重視する時代となり、防音性能の強化やトータルコーディネートを意識した製品づくりをするようになりました。
2000年代以降は健康志向の高まりや住宅の高気密・高断熱化などに対応するため、ホルムアルデヒドを吸着・分解する機能や調湿・消臭の機能を追加した製品を開発するなど、快適な室内環境の実現をサポートしています。

こにわ:うーん、本当にそれぞれの時代のニーズに合わせて様々な対応をされてきたんですね。そりゃもう、物凄いノウハウが蓄積されていますよね。こんなに機能性豊富な『ダイロートン』ですが、一般住宅にも普及されているんですか?

吉田 忠史

吉田:実は最近の一般住宅には、コストを抑えやすいクロス仕上げの天井が採用されやすいこともあって、『ダイロートン』の比率はあまり多くないのが現状なんです。施工に手間が掛かるという声もあるので、今はまだ開発途中ですけど、施工の手間を省けるようなそういうものも検討段階には入っています。

こにわ:うえーっ……まあ、コストを抑えたい気持ちもわかりますけど、そう何度も天井を変える機会はないし、長く住む家ならできるだけ快適な環境にしたいですよね。
特に天井は部屋の中でも広い面積を占めているんだから、何か機能をつけて活用しないともったいないと思いました。

吉田 忠史

吉田:ありがとうございます。今は高気密・高断熱の住宅が増えていますので、天井材も見直すべき時代になっていると思います。広い天井に吸音や調湿などの機能性を持たせるだけでも毎日の生活がかなり快適になりますからね。
『ダイロートン』は未利用資源を活用したエコ素材なので、環境に配慮したいという方にもおすすめできます。

こにわ:自分の家に採用する建材がエコ素材だと、地球環境に貢献できているという満足感も味わえますよね。

広いスペースを占める天井に吸音・調湿・消臭機能を 快適な暮らしを実現

吉田 忠史

こにわ:日常生活をより快適にできるという『ダイロートン』の魅力をもっと知りたいのですが、ここで改めて天井材に付加できる機能、吸音・調湿・消臭などをそれぞれ詳しくお教えいただけないでしょうか。

吉田:そうですね、まずは『ダイロートン』製品共通の機能として吸音性能があります。クロス仕上げは音が反射して響きやすい場合があります。
住宅の壁も天井もほとんどが石膏ボードにクロス、床はフローリングですから、やっぱり音を吸音してくれるものが非常に少ないんですね。そうなるとコロナ禍になっておうちの中でお仕事されたり、パソコンでオンライン会議をしたりすることが増える中、そういう空間の中で仕事をしていると音の響きっていうのがすごく気になりだしたりするんです。お部屋にいる時間が増えたことによって皆さん、余計気にされるようになったんですね。
そういったお問い合わせが増えたことで、我々も吸音の対応をした空間というものを積極的にご提案するようになっています。『ダイロートン』製品を導入すると、天井が音を吸収して残響音を抑えてくれるため、会話も聞き取りやすくなりますので。

ダイロートン

こにわ:確かに音が反響し過ぎるとイライラするんですよね。今はオンライン会議をすることもあるでしょうし、声が聞き取りにくい環境は致命的ですから助かりますね。
次は、調湿についてお聞かせいただけますか?

吉田:調湿性能はダイロートンの『クリアトーン12SⅡ』という製品に採用されていますね。これは今一番注目されている機能だと思います。
最近ではダブルインカムで共働きの世帯が多いので、朝洗濯して夕方取り込むって中々できないじゃないですか。

こにわ:いや、怖いですよ。雨が降ったりするんで。

吉田:そうなると部屋干しをしますよね。ドライルームなどを提案している住宅があったり、部屋干し用の洗剤なども販売されたりしていますので、それだけ需要があるんだと思います。

昔の家は隙間風が入るとか、窓もサッシから風が入って結露しやすいというような課題が多かったので、現在の住宅ではより快適な住まいを求めるために住宅の気密性能、断熱性能が向上しています。樹脂サッシなどで窓の周りは結露が付きにくくなりましたが、そこで部屋干しをしたら湿気は別の断熱性が低い部位で結露する可能性が高まります。
そのようなことを防ぐのに効果的なのが、湿気を吸収してくれる機能を付加した建材を部屋の中でも面積の広い天井に採用することです。

クリアトーン12SⅡ』なら、室内の湿度が高い時は湿気を吸収し、湿度が低い時は湿気を放出するので、いつも室内を快適な状態に保ってくれます。部屋干しをしていて洗濯物が乾きづらい、という場合も、天井材が湿気を吸収して乾くのを早めてくれるので便利ですよ。

クリアトーン12SⅡ

湿気を吸収・放出してくれる機能により爽やかな空間を演出

クリアトーン12SⅡ

こにわ:これはスゴイ機能ですよね。室内の湿度が高いと不快感も急上昇しますし、爽やかな部屋で過ごしたいならぜひ欲しい機能です。
最後に、消臭はどのような感じでしょうか。

吉田:消臭性能はダイロートンの『クリアトーン12SⅡ』『クリアトーン9プラス』に付加されている機能です。

先程ご説明した通り、現在の住宅は気密性が高いため、部屋の中に臭いがこもりやすくなっています。特に台所の生ごみとか、洗濯物の部屋干しなども臭いがこもる原因です。あと、家の中でペットを飼う方も結構いらっしゃいますが、ペットの体臭や尿の臭いが気になることもあると思います。そういった臭いを吸着して抑える効果があります。
実際ご採用いただいたお客様から、部屋の中で焼肉を焼いた臭いにも効果があったとお聞きしたこともありましたよ。

こにわ:いや、すごいですね。部屋の臭いって、自分たちはあまり気にしていなくても、急な来客があった時とかに困りますもんね。常に天井が消臭してくれていると思うと、ちょっと安心できますね。
これらの他にも、何かユニークな製品はあるんですか?

吉田 忠史

吉田:そうですね、子ども部屋やリビングなどにおすすめの製品として、子どもたちの声を抑える吸音性能を備えつつ、可愛くてカラフルなパステルカラーを選べる『パステルトーン』があります。天井を子どもが気に入る色にしてあげようとか、そういった遊び心にも応えられる製品です。

パステルトーン
パステルトーン

ダイロートン健康快適天井材:パステルトーン〈イエロー〉

機能性を備えた天井材の認知度を積極的に上げていきたい

ダイロートン

こにわ:うーん、まさに多種多彩ですね。恥ずかしながら天井の存在って今まであまり気にしたことがなかったんですが、こんなに便利な機能を付けられるんですね、ビックリです。まさしく、各時代のニーズに合わせて製品づくりをしてきた大建工業さんの技術が詰め込まれた天井材といった感じですね。
なんだか何の機能もない天井の下でずっと過ごしてきたのがもったいなく感じてきました(笑)。

吉田 忠史

吉田:家の中にせっかく広いスペースがあるんですから、うまく活用したいですよね。機能性のある天井材に興味を持たれた方は、ぜひ弊社ホームページや全国各地にあるショールームなどもチェックして、採用をご検討いただけるとありがたいですね。

天井材関連特設ページ⇒「Let‘s TENJOY! 天井を活かせば暮らしはもっと楽しい!
DAIKENの各ショールーム⇒「ショールーム

こにわ:最後に今後の展望や目標などありましたらお聞かせください。

吉田:ここまでの機能性を持った天井材というのは大建工業にしかないんですよね。なので、我々が積極的に発信していかなければ、せっかく良い製品を持っていても誰も知らない、ということになってしまいます。
私はショールームの担当をしていたこともあるのですが、すでに家を建てられた方が、部屋で音が反響することに悩んで相談にくるケースがありました。そこでダイロートン製品を紹介すると「何で誰も教えてくれなかったのか」といわれたり……。

こにわ:(笑)

吉田:そこは我々の発信不足もあると思いますので、今、アピール方法をもう一度見直して積極的に皆で売っていこう、と旗振りをさせてもらっています。認知度を上げていくことで、一般住宅向けに採用してもらえる可能性を増やしていきたいと考えていますね。

こにわ:社会問題や時代のニーズに合わせた製品を作り続けている大建工業さんですから、今後も色々な要望に応えて進化していきますよね。

吉田:そうですね。今、デザイン性にこだわったダイロートン製品を開発したり、施工性改善や見切材等による仕上がり意匠改善などを検討中です。その他にも様々な取り組みをしていたりしますので、今後の展開にもご期待いただければと思います。

こにわ:本日はありがとうございました。今回も貴重なお話を聞けて楽しかったです。
それでは締めのセリフ、いきますよ!

こにわ・吉田:『DAIKEN魂!』

吉田 忠史