DAIKENとSDGs:研究開発

大建工業グループは、R&Dセンターを中心に「木材などの持続可能な資源を活用した素材の開発」と「安全・安心・健康・快適な空間を創出する技術開発」を重点テーマと位置付け、社会課題解決につながる新たな価値創造と次世代を担う新技術・新事業への展開を目指した研究開発を進めています。また、未来を見据えた研究開発のスピードアップと領域拡大を図るため、さまざまなステークホルダーとの共創活動にも積極的に取り組んでいます。

方針 社会課題解決のための新技術開発と、共創(オープンイノベーション)の積極活用による事業拡大及び次世代に向けた新事業の創出。新たな事業領域に挑戦できる仕組みづくりによる、挑戦を称賛・支援する風土の醸成。 DAIKEN地球環境ビジョン2050

技術開発

重点テーマ1

木材などの持続可能な資源を活用した素材の開発

木材を余すことなく有効活用する素材・建材の技術開発に取り組んでいます。新分野への挑戦として、木材をナノレベルで繊維化した「セルロースナノファイバー(CNF)」を活用する技術開発を進めています。CNFは木質繊維板に使われる木繊維にはない特徴を持っており、環境に配慮した新規用途などへの切り口につながります。
また、既存事業における新たな挑戦として、「石化原料を使用した接着剤」などを一切使用しない、究極の環境配慮型MDF(中密度繊維板)の製造技術確立に向けた取り組みを進めています。この度、その第1ステップとなる「木質由来成分からなる接着剤」を用いたMDFの製造試作に成功しました。
今後も「木質資源の有効活用及び循環利用する技術」を軸に、環境配慮やSDGsに貢献する研究開発への取り組みを強化します。

重点テーマ2

安全・安心・健康・快適な空間を創出する技術開発

素材の可能性の追求に加え、素材や建材に新たな機能を付与するための研究開発も進めています。分析評価技術をベースに空間環境を把握し、人々が心地よく過ごす上で欠かせない温度、湿度、音環境といった視点での深掘りを進めると同時に、アスベストやホルムアルデヒドなどの有害物質の対応に向けた分析評価を行っています。
また、脱炭素社会の実現に向けて建物のさらなる省エネルギー化が求められる中、素材・建材の機能によって暮らしの快適性と消費エネルギー削減を両立する「温度・湿度」に関する研究にも注力しています。
人々が空間環境に求める性能が時代とともに変化する中、この先必要となる性能は何かを常に考えて機能建材の技術開発を進めることで、「安全・安心・健康・快適な空間づくり」を実現していきます。

研究開発テーマ

R&Dセンターでは、4つの分野において、「エコ」と「空間の質的向上」に取り組み、持続可能な社会に貢献する研究開発を推進しています。

研究開発テーマ:素材
研究開発テーマ:建材
研究開発テーマ:空間環境
研究開発テーマ:分析評価

知財戦略強化に向けた組織体制及び経営資源の投入

2022年4月、中期経営計画「GP25 3rd Stage」のスタートにあたり、新規事業への取り組み強化と新たな技術開発、商品開発の加速を目的に「開発本部」を新設し、その傘下に技術開発の中核となる「R&Dセンター」、次世代に向けた新規事業の具体化を担う「次世代事業開発部」、事業・開発戦略をより効果的なものにするための知財戦略を行う「知的財産部」を置くことで、組織体制の強化を図りました。2022年度は、この新体制のもとさまざまな技術チャレンジが行われ、新たな開発の芽も生まれました。引き続き、大建工業グループの強みの源泉である「研究開発力」を確固たるものにするため、経営資源を積極的に投入し、中長期的な企業価値向上につなげていきます。